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キッチン吊り戸棚、センスの良いチョイスと注意点とは?

2023.9.24

 

 

収納スペースを拡張する役割を持つ吊戸棚


 

 

私ども家具蔵ではオリジナルの無垢材オーダーキッチンを展開しています。

あるいはキッチンは家具蔵での製作でないとしても、キッチンを含めたLDK全体のコーディネートをお話していくことも多々あります。

つまりキッチン関連のご相談をいただくことはたいへん多いわけですが、そのなかで「とにかく物が多いので収納はできるだけ多く」「『食器の数が多くて今の収納では収まりきらない』という要望や意見をよく耳にします。

キッチンにおける収納を増やすという意味で、キッチン本体上部、あるいは背面に吊戸棚があることは非常に有益です。

 

吊戸棚は「無い」ほうがスッキリと見えるという事実


 

 

結論から言えば、特にオープンキッチンの場合、吊戸棚は「無い」ほうが断然すっきりと見えます。

基本的にカウンターの高さよりも上に収納を作らない方が、キッチンは俄然きれいに見えるというのは否めない事実です。

ただ、吊戸棚の導入がダメ、というわけではありません。

そのデザインやサイズ、素材によってはキッチンを魅力的に演出してくれるものにもなります。

それは吊戸棚がアイレベル(目線)に位置するものであり、視界に入りやすいことで空間に入った時に一番目に留まりやすいフォーカルポイントにもなるからです。

良くも悪くも存在感が出ることにもなる吊戸棚は、その取り入れ方によってキッチンやLDK全体の印象も大きく変えるものとなります。

 

「吊戸棚はディスプレイ」と考える


 

 

空間を広くとる、あるいは感じるためには、視線の向かう先に遮るものがないほうが良いのは必然です。

一方で広い空間はそこにメリハリが感じられないと空間が間延びして見えるリスクもはらんでいます。

そのようなシチュエーションで役に立つのが「フォーカルポイント」を作ることです。

特にオープンキッチンの場合、ダイニングスペースとの繋がりからペンダント照明がその役割を果たすこともできますが、キッチンの背面収納側の壁にシェルフを取り付け、そこをディスプレイスペースも兼ねた収納場所とすることで「より遠く」「より高い位置」に視線を誘うことができます。

遠くに視線を向けることは同時に空間全体を視界に入れることにも繋がります。

そのことで空間をより広く、印象的に感じさせてくれるのです。

シェルフは壁に固定するタイプ、つまり壁面に直接取り付けられているものが一番すっきり見えますが、置くものによって高さを変えたい場合などは棚の高さを変えることができる棚柱を壁に取り付けるのも有益です。

また、フレームを天井から吊るタイプのオープン棚であれば、背面の壁だけでなくペニンシュラ型やアイランド型のオープンキッチンの上部に取り付けることも可能です。

空間が広いLDKであれば、対面キッチンの上部に取り付けて緩く空間を区切る、例えば飲食店のオープンキッチンのような雰囲気を演出することもできます。

 

埃や汚れが気になる場合はガラス扉なども使用する


 

 

シェルフを利用したディスプレイ兼収納は空間の奥行き感を作り、キッチンを美しく見せてくれます。

同時に避けられないのが埃の滞留や油煙が降りかかること。

これらをマメに掃除していくのは手間が掛かります。

そこで有効なのがガラス扉を使用した箱型の吊戸棚を採用することです。

扉をガラスにすることでディスプレイ効果も高めつつ、視線を奥に抜くこと=空間の奥行き感を出すことも可能です。

ここでのポイントはガラスをくもりガラスにしないこと。

くもりガラスは収納本体に見え方のうえでの「軽さ」を出しながら内部のものを見えにくくすることができるものですが、ここでの目的は「見せる」ことも兼ねています。

「曇り色」が邪魔して奥行き感が損なわれ、内部が完全に見えないからとついつい煩雑に収納してしまうことにも繋がるため、透明なタイプのものを選ぶ方がベターでしょう。

見えることで美しく収納することが習慣にもなり、収納場所も一目瞭然なので作業効率もアップします。

 

ベストな吊戸棚本体と取り付けの「高さ」は


 

 

一般的なもので言うと、本体の高さは500ミリ・600ミリ・700ミリ・900ミリといった規格で展開されているものが多く見られます。

また、本体の高さと合わせて重要なのはその取付けの高さです。

扉付きの吊戸棚でも、オープンタイプの棚でも、その取り付ける高さの位置によって使い勝手も見た目の印象も変わります。

使いやすさという意味では、吊戸棚の最下部が目線より10~15センチ下になると、モノの出し入れがしやすくなると言われています。

ここから考えるとキッチンスペースの天井の高さも加味しながら吊戸棚の高さは選ぶことになりますが、最近では「天井目一杯」までの高さではなく、使う人が手の届く高さで本体も取り付け位置を設定することも多くなっています。

吊戸棚上部と天井の間にあえて余白を作ることで、空間の奥行き感と使い勝手のバランスを上手く確保することができるわけです。

 

大切なのは「素材感」


 

 

吊戸棚はいわゆる「フォーカルポイント」となりえますので、その素材感も重要です。

キッチン、ダイニングやリビングか全体での意匠調整は欠かせません。

ダイニングテーブルやソファをモダンなもので揃える場合にはキッチンもそこに付随する吊戸棚もモノトーンをベースに。

木の質感を生かした家具でLDをコーディネートする場合は、キッチンの見える部分も質感や素材を同様に揃えることで、空間全体に統一感が生まれます。

さらには吊り棚を取り付ける部分の壁面の仕上げ素材、照明のテイストなどこれらが調和することでより居心地の良いLDKが生まれるはずです。

 

 

キッチンリフォームについてはキッチン単体に限らずその空間全体の調和や、ダイニング・リビングの家具とのバランスというところまでトータルで考えることが大切です。

そして収納について何よりも重要なのが「それは本当に全て必要なものなのかどうか」ということ。

ものが多くて困っている、という場合は、まずはそれらが本当になくてはならないものかどうかを考えて数を減らすことから考える、これが暮らしやすくする基本だと考えます。

ご相談は家具蔵の各キッチンスタジオへお気軽にお問合せ下さい。

 

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