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木の手触りを心地よく感じる理由は?

2023.5.7

 

 

ふと何かが指先に、手の平に触れた時。

あるいは何かを握りしめた時でも良いでしょう。

その時に「心地いい」「気持ちいい」と感じた経験が誰にでもあるはずです。

木材の手触りの良さは改めて言うまでもありません。

木製のものを触ってそのように感じたこと、あるいは自然に生えている樹木の木肌に触れることでも何か安心感を覚えたことも多いのではないでしょうか。

私ども家具蔵では「木そのもの」といえる無垢材で製作した「無垢材家具」をご案内しており、店舗にお立ち寄りいただいたお客様からも一様に「良い手触り」という感想をいただきます。

これはいったいなぜなのか?

その理由に迫ります。

 

 

「暖かさ」が手触りの良さを連れてくる


 

 

木肌や木材を触ることでその手触りはどこか温かく感じます。

これはいわゆる「手触りが良い」と感じる一因です。

木材は直接的に熱を伝えにくいという特性があります。

そしてそれは必要以上に手の平から熱を奪うことがないということにつながります。

そのため木に直接触れたときにも温かく感じるのです。

中華鍋など高熱を持つものの持ち手部分に木が使われるのはその理由からです

これは木、そして木材が小さな細胞の集合体であるためです。

いわば「小さな穴」だらけであり、それぞれが空洞なのですが、それらの空洞の中には熱の伝導を妨げる性質を持つ空気がたくさん含まれています。

そのことから熱の伝導を妨げることに繋がり、木材の熱伝導率はコンクリートに比べて約10分の1、鉄においては約330分の1と言われています。

木の床などに腰を下ろすと、冬でも温もりが感じられるのはそのためなのです。

 

木材は触れると脳に良い作用をもたらす


 

 

木材はステンレスや鉄などの金属、大理石、タイルなどに比べて、手で触れた時に脳の活動が沈静化されるという実験も行われました。

「脳前頭前野活動の鎮静化」という少々固い名前の研究結果なのですが、人の脳にある「前頭前野」という部位は「考える」「記憶する」「アイデアを出す」「感情をコントロールする」「判断する」「応用する」など、人間にとって重要な働きを担っています。

これが活発に活動することはたいへん良いことなのですが、一方で適度なクールダウンが無いと逆にストレスになってしまいます。

いわゆる「知恵熱」と言われるような症状も出るかもしれません。

言うまでもなく、全ての感覚は脳が判断します。

木や木材に触れることで知らずに脳の活動に優しい効果が生まれ、「心地よい」と感じることに繋がっているとも言えます。

 

木材に触れることで得ることのできるリラックス効果


 

 

人がリラックスする時には副交感神経の作用が高まると言われます。

木材に触れることは、この副交感神経活動を活発にすることも研究で判明しています。

これも金属や石、タイルなどに比べて最大で2倍強の数値を表しており、生理的なリラックス効果が明らかになっています。

この「生理的なリラックス効果」は手だけでなく足裏でも獲得することはできます。

例えば素足で大理石の床と無垢材フローリングの上に立った際にも感覚的に「冷たい」「暖かい」「固い」「柔らかい」と感じるだけでなく、脳に直接作用する好影響を享受している状態と言えます。

 

手触りだけではない木材の好影響


 

 

このような数々の人体への好影響は「手で触る」というある側面だけから得るものではありません。

視覚や嗅覚からも多方向的に享受できるものであり、木材、そして無垢材は触れずともそこにあるだけで良い影響を与えてくれるものです。

例えば木材には木目が付き物ですが、この自然が生んだ不規則なデザインには川のせせらぎや風でこすれる葉の音、鳥のさえずり、ろうそくの炎などと同じ「リズム」があります。

人の心拍のリズムにも同じような「リズム」があり、それは「ゆらぎ」と表現されます。

これを「1/fゆらぎ」と呼びますが、その「ゆらぎ」は安らぎとなり、心地よさや安心感に繋がるのですが、木目にもそれがあるのです。

あるいは木が発する心地よい香りにはフィトンチッドと呼ばれる成分が含まれています。

このフィトンチッドには抗菌効果や嫌な臭気を抑える脱臭効果もあると言われていますが、昨今では医学的にも心身を深いリラクゼーションに導く効果があると認められ、自律神経を整える効果や免疫力の強化、血圧改善など人にとって様々なものに有益であると考えられているのです。

 

 

ストレス社会とも言われる現代において、家で過ごす時間はリラックスできる場所にしたいと考える人も多いでしょう。

木材は身近にある自然素材ですが、人類全体の歴史の中では非常に付き合いの長い材料でもあります。

私たち人間に与えてくれる恩恵はじつに様々です。

触って心地よい、という感覚は日常ではそこまで意識することは少ないかもしれません。

ですが、毎日はその「ふとしたこと」の連続であり、気付かないうちに得ることのできる好影響は確実に日々のクオリティを向上させます。

木を、そして無垢材を空間に取り入れることは精神的な面からも快適な効果を生み出してくれるはずです。

 

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