「革と布」ソファはどちらの張地を選ぶべきか?
2023.4.25
ソファを選ぶ際に決めなければならないことは意外と多いものです。
サイズはもちろん、クッションの固さなどに由来する座り心地も重要です。
インテリアの観点で言えば、張地も大きな決定事項となります。
ソファはクッション部分がその面積の大半を占めるので、その生地の素材・色・柄が空間の雰囲気に多分に影響します。
また、大きく分けて布生地のものを選ぶか、革製のものを選ぶかで、座った際に感じる固さも変わるものです。
このコラムでは、ソファの生地は「革が良いのか」「布が良いのか」をテーマにお話ししていきます。
インテリア的な視点で選ぶなら
革張りのソファの見た目での特徴はなんといってもその高級感です。
空間の引き締め役にもなるような存在感を発揮します。
布生地には高級感が無いということはありませんが、革と比較した際にはややカジュアルな印象です。
インテリア的な視点、つまり「見た目」で選ぶならその空間に「何を求めるか」という点がどちらを選ぶのか、という基準になりえます。
革の場合は、仮に派手な色味を選んだとしてもその色調は抑えられていることが多いので、落ち着いた雰囲気のある空間を演出したいなら革を選ぶことで空間づくりがイメージしやすくなるかもしれません。
逆に布生地はその織りの種類の多さや発色の良さも相まって、色の展開も革と比較した際には多彩な選択肢があります。
生地の質感としてやさしいイメージをつくりやすいこともあって、有彩色・無彩色、暖色・寒色問わず、ニュアンスのある空間をつくりやすいのは布生地となります。
メンテナンス性で選ぶなら
ソファは基本的に普段の暮らしで使用するものですから、日常でどのようなことが起きるか、は存分に考慮しなければなりません。
不測の事態や長年使用した際の傷みや汚れに対する、いわゆる「メンテナンス性」に関わる点はしっかり検討しておかなければならないポイントです。
普段使いで起きることとしては、汚れの付着は十分に考えられます。
革は何か水分をこぼしてしまった際に拭き取りができる、少なくとも拭くことで原状復帰かそれに近い状態になることは染みなどになりやすい布生地に比べて有利です。
また強度があるので引き裂けなどにも強いのは魅力でしょう。
一方でソファは、フルカバーリング(カバーを取り外しできる)のものであることが条件ですが、洗濯ができます。
あるいはドライクリーニングが推奨ということもあるでしょうが、少なくとも丸洗いができるという点は衛生面も重要である普段使いには重視したいポイントです。
革のクリーニングも専門技術のある業者に依頼することで可能ですが、布生地と比較した際にはかなり高額になることも多く、この点に違いがあります。
触り心地などの「感覚」で選ぶなら
人間は何事においても五感で感じる快適性があると、それだけでその空間は居心地がよくなり、その逆だと不快な気持ちを持って過ごすことになります。
嫌な臭いがある空間には誰しも居たくはないものですが、革は比較的臭いが付きにくいのが特徴です。
感覚という点では手や肌で感じる心地よさも重要でしょう。
当然、革の方が固い手触りがあり、布生地の方が柔らかい手触りです。
コットンのような天然素材であれ、いわゆる化繊であれ、普段から触れ慣れているため、安心感があるかもしれません。
革はその特性上、冬場にヒヤッと感じることや夏場に汗をかくとペタッと張り付くような感覚を覚えます。
布生地でそれを感じることは少ないので、そこは一つのポイントになるかもしれません。
革に比べて生地の厚みが無いことでソファの座り心地をダイレクトに感じることができるのも好材料です。
自身のライフスタイルで選ぶ
こうして見ると、革と布、どちらも一長一短があることがわかります。
もっと言えば、価格も両者で変わります。
一般的には革の方が高額です。
これが合成皮革ならそこまで変わらないこともありますが合成皮革のものは耐久性に乏しく、あまりお勧めではありません。
ソファの張生地を選ぶ際には、自身のライフスタイルをもとに選ぶのが良いでしょう。
例えば、ペットを飼っているご家庭であれば革生地にすることで臭いが付きにくく、爪による引掻きなどにも耐久性を持たせることができます。
本革の場合はちょっとしたキズは味になっていくこともあるので、風合いの変化を楽しめるような要素も出ます。
ペットを常に叱っている環境は、ペットにも本人にも、互いの関係性のうえでも良くはありません。
そういったリスクを回避するためにも革の生地を選ぶ方がベターです。
ペットを飼っていない人は布生地で問題ないでしょう。
布生地の場合、普段から着ている洋服と同じような安心感を獲得できます。
ソファは寛ぎや安心感といった空間を与えてくれるものです。
布生地にしておくことでソファに求めるニーズを満たしやすくなるのは事実としてあり、布生地のソファが高い人気を誇るのもその点にあります。
ソファの張地選びは複雑なようでいて意外と単純です。
あれもこれもと見ていくと迷いが大きくなっていくものですが、自身が今後どのように過ごしていきたいか、で選んでみても良いでしょう
ただ一つ抑えておきたいことは、ライフスタイルの変化にも対応できるようなソファの選び方をするという点です。
いつでも気軽にカバーを交換できるようなフルカバーリングのソファなら、家族が増えた時、ペットを飼いはじめた時、子供が巣立った時にもソファを買い替えることなく理想の空間に近づけることができます。
取り外してのメンテナンスができることで衛生面も安心です。
ソファ選びで悩んだ際にはお近くの家具蔵スタッフへご相談ください。
10年後20年後まで考えたソファ選びをお伝え致します。
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