「狭小」のLDでのテーブルの選び方は?
2023.4.18
家具のサイズと配置をしっかりと考える
狭小住宅という言葉があります。
そこに明確な定義は無いようですが、おおよそ15坪(50㎡)以下の土地に建てられた住宅のことを指すようです。
その響きに対しての感覚は人それぞれではありますが、固定資産税や光熱費、いずれ必要となる修繕費も少なく済み、掃除が容易といったメリットがあり、特に都心部ではそもそも供給される土地に限りがあるので結果として多くの世帯がこのカテゴリーの住まいを持っています。
部屋が広いと理想の配置の実現やサイズ決定もしやすくなり、家具の選択は比較的自由度が増します。
一方で部屋が狭くなると家具のサイズ決定やレイアウトには制限が出ることは事実です。
狭小と呼ばれる住まいでは、家具の選択やその配置に関して、生活動線や家事動線、人間の視覚や視線の動きをしっかりと考えなくてはなりません。
特に暮らしの中心となるリビングダイニングでの家具のサイズ決定と配置においてはしっかり計画を立てないと不便が出ることも多く事前のプランニングがたいへん重要です。
動線の重要性
「動線(どうせん)」とは室内における人が通る道筋のことであり、「生活動線」「家事動線」「回遊動線」などと呼ばれます。
ストレスなく住まいの中を移動するためには、この動線が何らかの理由で塞がっていたり狭すぎたりすることは避けなければいけません。
動線は間取りと家具配置によって決まり、動線を妨げないように、あるいは狭くならないように家具のサイズ決定とレイアウトを決めることが快適な日常への第一歩です。
リビングダイニングはそこに滞留する人も多く、その時間も長くなります。
部屋数の少ない狭小の住まいではなおさらでしょう。
家族や来客が互いに移動する際にすれ違うことも想定したり、キッチンやバルコニーに繋がる空間になることも多いので、買い物や洗濯物を抱えて移動するケースも大いにありえます。
家具の周辺、あるいは家具同士に十分な動線を確保することはどの住まいでも必須ですが、狭小の住まいではその重要度はさらに増してきます。
ダイニングテーブル周辺の動線の確保と目安
リビングダイニングにおける花形家具の一つと言えばやはりダイニングテーブルです。
食事に限らず、様々なことを行う場所ともなっているので、その周囲を移動することも多く、余裕のある動線計画を行いたいものです。
人一人が正面を向いて歩行するのに必要なスペースは、55cm~60cmくらいといわれます。
人の肩幅の平均が約40cmですので、プラス15cmから20cmのゆとりが必要ということです。
例えばテーブルのすぐそばに窓があり、そこには椅子などは置かない、つまり人が歩くだけ(窓の開閉なども)ということならそのくらいのスペースがあれば十分です。
一方でテーブルの近くにソファや収納家具などの他の家具がある場合。
これは動線の他に視覚的な効果も影響していきます。
60cmあれば回遊自体は可能ですが、それだと必要以上に「近く」感じてしまうことになりがちです。
一般的な住宅の廊下の幅が約78cmであるのは、限られた中でぎりぎり「すれ違い」が出来る幅を想定しています。
本来、二人同時に正面を向いてすれ違うときには100~120cmくらいが理想であり、そのくらい離れていると家具が「近すぎる」感覚も薄まります。
100~120cmのスペース確保が難しい場合でも、できるだけ家具同士は離しておくことが視覚の上での快適性を確保することに繋がります。
椅子の出し引きに必要なスペース
ダイニングテーブルではそこで使用するダイニングチェアへの出入りは必ずある行動です。
そこにおけるダイニングチェアの出し引きにも当然スペースが必要となります。
これについては最低限60cmが必要となります。
それ以下、つまり60cm未満では十分に椅子を後方に引くことができず、椅子への出入り自体が容易でなくなることもありえます。
これは一人が椅子を出し引きするため「だけ」のスペースなので、一人が着座している状態でその後ろを人が通るなどを想定すると80~90cmは確保したいところです。
そのくらいの余裕があると、出入りの際に後方に移動させるスペースがより大きくなるアームチェアなども容易に採用しやすくなります。
狭小空間でのテーブルの選び方のあれこれ
私ども家具蔵にご来店いただくお客様からも「家が狭いから小さなテーブルを探している」という希望はよく耳にします。
確かに論理的であり、今挙げたようなスペースに関する話をしていくと「あまり大きいテーブルは置けないな」と感じる人もいるかもしれません。
そこでテーブル選びとその周辺の家具の選択(とそれに伴う暮らし方)には一考が必要となってきます。
テーブル全体を小さくするのではなく奥行だけを小さくすることは一手でしょう。
半円型などテーブルの形状によっても使い易さと動線の確保を両立できるかもしれません。
他にはソファを排除して大きなテーブルを採用し、くつろぐことができるようなゆったり座ることのできるダイニングチェアを合わせるという選択もあります。
テーブルとソファを無理に設置しようとするから双方の家具を小さくしなければならなくなるわけで、それはどちら側で過ごすにしても居心地が良いものではないかもしれません。
狭い空間だからこそ、思い切って大きなテーブルを部屋の中心に置いてみるのはどうでしょうか。
狭小住宅でのテーブル選びは、サイズや形状のバリエーションが豊富なオーダー家具店ですと選びやすいでしょう。
細かなサイズ調整や天板面形状また脚形状などを空間に合わせ選択していくことでより過ごしやすい空間になります。
私ども家具蔵も無着色仕上げの無垢材テーブルを受注生産でサイズを細かに設定しながら展開しています。
狭小住宅と一口に言っても部屋の広さや形状はその家それぞれ無数にあります。
家具蔵各店ではインテリアプランに精通した専門スタッフがベストなテーブル提案をいたしますのでお気軽にお声がけください。
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