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特別企画:家具蔵が提案する「木の家具のある暮らし」Part1

2022.12.29

 

 

空間に「居心地」をつくるインテリアプランニングと素材の力


 

 

企業のトップを退いたのと同時に、終の住まいを購入された松田譲氏。

大企業の経営者としてこれまで様々な重要な局面で決断力を求められてきたがゆえの「本物」を知る人物でもあります。

今回、住まい全体のインテリア設計を託された家具蔵では、「樹種によるゾーニング」という手法で空間を演出することになりました。

住まいとそれを彩るインテリアが完成し、実際に暮らしてみての感想など、インタビューさせていただきました。

前半では松田邸を構成するインテリアの詳細をご紹介します。

 

 

樹種によるゾーニングとは


 

 

松田邸のインテリアの特徴は「樹種によるゾーニング」です。

これは家具蔵 企画設計部のインテリアコーディネーターによって提案されたものです。

普段はあまり耳にすることの少ないインテリアプランニングの手法と構成かも知れません。

「友人が遊びに来ると、居心地が良いと言って、皆さん、夜遅くまでくつろいでいただけます。 本当に不思議な空間ですよね」

と、松田氏は誇らしそうに、自宅のリビングを見渡します。

ところで「樹種によるゾーニング」という耳慣れないインテリア設計の手法とは、どのようなものなのでしょうか。

それは、厳選された上質な無垢材の良さ、その素材としての特徴を100%活かすために無着色で使用する家具蔵ならではの考え方と言えるものかも知れません。

木の育ち方や生き方にはそれぞれ特徴があり、それは立木から家具材、そして実際の製品へと変化しても、その材料が放つ雰囲気やパワーは無くなることなく、維持される部分が多くあります。

そのことに以前より着目していた家具蔵では、インテリアの設計手法として、通常考慮されるようなデザイン上の統一感や配置の組み合わせ、人工的なカラーコーディネーションではなく、木が持っている本来の性質を利用した居心地の良いコーナーづくりを考えました。

そして、そのコーナー同士を有機的に繋げることや、敢えて対比させるようにして、場所に性格を与える「ゾーニング」を重要視したのです。

 

空間ごとに異なる樹種がテーマを持って採用される


 

 

まず玄関ホールは、程よい重厚感があり、 家の品格を印象付けるウォールナット材で構成しています。

一方で、リビングのソファとコーヒーテーブルは、ハードメープル材の淡い色合いが正面の大きな 窓から降り注ぐ外光を受け止め、自然光の明るさに映え、さわやかな気分を増長するように計算されています。

ソファはフレームのハードメープル材と黒い厚革のクッションとのコントラストも印象的で、明るさ、爽やかさだけではないキリッと引き締まったフォーマルな空間としてのイメージも大切にしています。

そして、リビングの奥にあるのが、チェリー材を使用した耳付の一枚板のような大きなダイニングテーブルと壁面を飾る収納家具です。

チェリー材は当初の淡い肌色から深い飴色へ変化する美しい木肌が特徴でもあり、経年変化した木色の風合いは場を華やかに演出してくれることから人が食事をしたり団欒し、集う場所にふさわしいと言えます。

さらに、隣りの部屋に独立した空間として存在するダイニングキッチンで使用されているのは、ナラ材です。

滋味深く朗らかな印象を与え、家族だけで過ごすプライベートで飾らない穏やかな時間に合っていると言えます。

そして、そこに設置されている壁面収納は、同じナラ材で製作しています。

豊富なデザインアイテムの組み合わせで、 サイズや機能を自由にデザインできる「ユニットボード プログレス」で構成しました。

さらに無垢材の丸テーブルや彫刻のように美しいデザインも魅力的な木の椅子と合わせてコーディネートすることによって、デザインだけではなく本物の無垢材が持つ「素材感」でもコーディネートされている、という奥深い魅力があります。

一方で、最もプライベートな時間を過ごす寝室は深い褐色がもたらす反射率の低さによる落ち着きを求め、玄関と同じウォールナット材を採用しました。

 

暮らしに心地よいリズムと癒しをもたらす無垢材家具


 

「無垢材ソファ ウィング」に寛ぐ松田様ご夫妻。

奥様はプロ顔負けの手芸の腕前を持っていらして、この新しい住まいにも立派な「織り機」を備えたアトリエスペースを設けています。

「我が家では、家具材のコントラストが空間に変化を与えていて、常にフレッシュで軽やかな気分でいられます。

いわゆる合板の造り付けの家具であれば、全く同じ面材を簡単に準備できるのでインテリア全体を統一して見栄えよくまとめられるでしょうが、それだと単調で疲れてしまっていたかも知れません」

と松田氏は分析します。

 

玄関ホールは「無垢材ローボード エミネント」と「一枚板ベンチ」。

荷物の一時置きや靴ひもを結んだりするのに使用します。外出の際に便利な姿見も同じ材で製作して揃えました。

 

洗面コーナーに置かれた「無垢材カウンターチェア ノヴェル」補助椅子として様々に活躍しているそうです。

 

照明は細やかな位置、高さの調整から器具の選定まで家具蔵で監修しました。

 

普段の食事はこちらの「無垢材ラウンドテーブル エミネント」で。

2人分にちょうどよいサイズでオーダー製作しています。

 

「無垢材ベッドフレーム モデルノ」の無垢材ならではの質感とシャープなラインが気持ち良いデザイン。

ベッドカバーのパッチワークは奥様のお母様が80歳を過ぎて手作りされたもの。

寝室にお仏壇を置く必要がありましたが、他の家具にも違和感なく溶け込ませながら新たな機能も欲しい、というご希望からこれまで使用されていたお仏壇を内部に収納し、必要な時は開けたまま使用できるキャビネットを特注で製作しました。

 

また、今回は家具蔵が新居全体のインテリア設計、照明計画の他、神棚の移設やピクチャーレールの取り付けなどの大工工事と電気工事も管理しました。

TVボードの上に飾ってある2つの花鳥画は、奥様の祖父が描いた大正時代の作品です。

今回製作された家具とともに、やがてはお孫さんにも引き継がれ、家族の歴史を伝える大切なものになっていくのかもしれません。

インテリアは家族との絆など、メンタルな面にも関わる領域です。

今回は、マンションの購入に合わせたインテリアコーディネートとそれに関係する諸々をワンストップで進めることが出来たことで、高い精度と満足感を実現できたといえるのでしょう。

(Part2へ続く)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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