「肘掛け有り」の椅子はダイニングには向かない?
2022.11.12
目次
ダイニングチェア=食事用の椅子では無くなってきている?
ダイニングチェアを検討している人から「肘掛け=アームは無くても良い」という声を伺うことがあります。
それはそれでニーズとして問題はありません。
大事なのはそこでの過ごし方です。
最近の日本の住まいはダイニングとリビングが一続きの空間であること、つまり「リビングダイニング」を中心とした間取りであることが大半です。
それに伴い以前のような「ダイニング=食卓」「リビング=くつろぎ」という定義が崩れつつあることに皆さんもお気づきではないでしょうか。
食後の過ごし方について調査したアンケート回答の上位には「テレビを見る」「スマホを触る」「お菓子などを食べながら家族と団らんの時間を持つ」などといったことがよく挙がります。
そのような「今までならリビングで行っていたような食後の寛ぎ行為」をそのままダイニングスペースで行う人が増えてきています。
食事以外の行動を行う場所でもあると、そこに置いてあるダイニングチェアはもはや「食事用の椅子」という限定的な目的のものでは無くなってきているとも言えます。
椅子の種類は大きく分けて2種類
椅子は大きく分けて「アームレスチェア(肘掛けなし)」と「アームチェア(肘掛けあり)」の2種類に分類できます。
アームレスチェアはアームがない分出入りがしやすく、サイズもコンパクトなので広くはない空間でも置いておきやすく、使いやすいのが特徴です。
一方アームチェアはアームがある分だけ、アームレスタイプよりも横幅を要します。
ですが、一説には体重の10分の1とも15分の1とも言われる自身の腕の重さから来る負担を支えてくれるものでもあります。
そのことは身体の他の部分への負担の軽減、すなわち体圧が分散されることで長時間座っても疲れにくいものになるということでもあるのです。
チェアのアームの要不要は「座る時間の長さ」「どう過ごすか」で決める
例えば仕事がある日の朝食の時間であれば、椅子に座っているのはほんの数分でしょう。
身支度の合間の短い時間でさっと椅子に座ってパッと立ち上がる、という感じでそのような動きをストレスなく行うことができる椅子が「良い椅子」です。
食事の合間にも、何か忘れ物を思い出して立ち上がったりするかもしれません。
お子さんの登園・登校の支度の手伝いや他の家族の食事の準備などで何度もキッチンや別の部屋とテーブルを往復することもありえます。
あるいは帰宅後に夕食を済ませたあとはすぐにソファで寛ぐ、自室に戻って音楽やゲームなど趣味の時間を楽しむという過ごし方をする人もいるでしょう。
要するにダイニングチェアにはそこまで長い時間座っていることはない、時間にして精々10~20分程度、ということなら椅子からの出入りも容易でコンパクトにもなる(=取り回しも良い)アームレスチェアを選ぶと良いでしょう。
一方で食後も、コーヒーなどを楽しみながらモバイルやPCを利用する、晩酌を楽しむ、家族との会話の時間をつくる、テレビを見て過ごす…など、「なんとなく過ごしている」時間を含めると無意識に数十分から1時間、あるいはそれ以上着座している場合。
ダイニングとリビングの一体化はテーブルの大型化を促進し、結果として、ダイニングスペースが住まいにおける主な居場所となっている人も多くいます。
つまり「椅子に座っている時間が長い」場合、自身の腕、さきの話を引用すれば自身の体重の1割以上となるものを置いておくアームがないと、相当の重さの荷物を持ちながら座っているのと同じことになります。
これでは寛ぐことができません。
その荷物を預けておける場所、つまりアームがあることは自身の体圧をより分散させることにつながります。
すると、長時間座っても疲れにくくなります。
食後にダイニングでそのまま、例えば30分程度であっても趣味の時間や寛ぎの時間を過ごすことが想定されるならアームチェアを選ぶと自宅での「寛ぎ度」がグッと上がります。
カフェなどの「長時間滞在型」の飲食店ではそこにある椅子を見回してみるとアームチェアが大半です。
反対にラーメン店などの「回転重視型」の飲食店ではアームレスタイプあるいはスツールなどがほとんどです。
それはこのような理由から意図的に選ばれているともいえます。
アームチェアはダイニングに向かない?
自宅のダイニングスペースで寛ぐにはアームチェアが良いということは理解できたものの、いざ取り入れるにあたって本当にそれが自分に合っているのか、自宅の間取りやテーブルにあっているのか、と踏み切れない方は以下のようなことでお悩みのことが多いようです。
「テーブルが小さいから入らないのでは」「キッチンなどへの出入りに邪魔になるのでは」「後ろにイスをひかなくては出入りができないが間取りに余裕がない」
このようお悩みを解消してくれるのが「アームの短いハーフアームチェア」です。
利便性と快適さを叶えてくれるハーフアームチェア
長いアーム(フルアーム)の場合、しっかりと自身の腕部を受けとめてくれるため、寛ぎの姿勢をより長く保つことができます。
反面、椅子をテーブルの端まで目一杯引ききらないと出入りができないので、全体に余裕を持ったスペーシングが必要になります。
また、隣同士で座っている場合は隣の人にぶつからないよう、気を遣いながら真っ直ぐ後ろにひかなくてはならないので却ってアームが邪魔になり、都度の出入りも億劫に感じられてしまうこともあるでしょう。
また、手持ちのダイニングテーブルと合わせる際にアームがテーブル下に収納できるかどうか、テーブル天板との兼ね合いや脚と脚の間の距離など注意して選ばなくてはなりません。
一方短いアームのハーフアームチェアはフルアームのチェアに対して耐圧分散の面では同じ役割を果たし遜色なく使うことができます。
出入りに関してもフルアームが椅子を引ききらないと出入りが困難なのに対し、はじめからアームが天板の外に出ているハーフアームチェアはアームレスチェアと同じ要領で出入りができます。
更にフルアームチェアと違い、アームを天板の下・テーブルの脚と脚の間に納める必要がないため、サイズが一回りコンパクトなテーブルでも問題なくアームチェアを使うことができるのです。
アームレスチェアの利便性とフルアームチェアの寛ぎ度の高さを兼ね備えたハーフアームチェアは今までアームチェアを敬遠してきた方にも取り入れやすい万能なチェアだと言えます。
とはいえ、自宅の間取りに本当に合うか、我が家のテーブルに入るのか、というのは椅子を選ぶ上でとても重要です。
私ども家具蔵でも板座・張座合わせてハーフアームチェアを6種類ご用意し、スタッフが間取り図面やテーブルサイズからお客様にぴったりの1脚をご案内しております。
その座り心地の良さも含めて家具蔵各店にてぜひお試しください。
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