無着色でこそ無垢材家具の本当の良さが出る
2022.11.10
目次
無垢材家具は「無着色」でこそ、その良さを味わうことができる
厳しい環境の中、何十年、何百年と生き抜いてきたその原木から生まれる無垢材家具。
画一的に大量生産される工業製品では決して味わうことのできない唯一無二の魅力があります。
そんな無垢材の魅力を余すことなく感じとることができる家具とするためには「無着色」であることが大きな条件となります。
無垢材家具は「無着色」でこそ、その良さをより味わうことができるのです。
無着色仕上げだからどんな空間にも合う
世の中ほぼすべてのものが「色」を持っています。
空気や風などは無色透明ですが、水面ですら光の反射で色彩を放ちます。
自然素材も何らかの「色」を持っていますが、それは当然ながら元々有しているものです。
それらは決して単色ではなく、様々な色素が入り混じって「そのように見えている」ものであり、だからこそ森林のような様々な色合いが混在する場所でも決して破綻せず、人はその中にいることで癒しすら覚えます。
無垢材家具が生まれる木材、そのもとである「木」も同様です。
様々な色素がグラデーションを描きながら同居し、入り交じり、その結果として私たちが「〇〇色」と呼称するような色合いが生まれます。
そのことは見て癒されるだけでなく、家具においては空間コーディネートの多様性をもたらします。
つまり、厳密なカラーコーディネートの範疇からは良い意味で少し外れることで「何を合わせても不思議と合う」「昔からそこにあったようにしっくり馴染む」という感覚を生むのです。
無垢材仕上げの家具は経年変化を楽しめる
また、着色を施さない木材、あるいは無垢材は時間の経過とともにその色合いを少しずつ変えていくことはつとに有名です。
いわゆる「経年変化」はあらゆるものに起こるものですが、それが劣化ではなく逆にそのことによって魅力を増していきます。
主に紫外線などの光による影響が強いこの変色現象は、その家具の風合いを増し、味が出てより良い状態になります。
天然の染料で仕上げられた衣服や革製品が徐々に風合いを増していくのとも似ています。
例えば、有名なアメリカンブラックウォールナット。
初めは深い焦げ茶色(に見えるもの)ですが、時間の経過とともに明るさを増していき、木目も際立ってきます。
こちらも人気のアメリカンブラックチェリーは薄桃色ともいうべき明るい色合いから瞬く間に赤褐色の飴色へ変化していきます。
そのうえで決して「〇〇色」と表現しきれるものではないので、空間に馴染んでいきながらも飽きることなく、使い続けることができるものとなるのです。
木本来の魅力と美しさを表現するための無着色という手法
このような無垢材の魅力を存分に発揮させるために、私ども家具蔵も無着色仕上げを常としており、それは漆仕上げ・テーブル脚の黒塗りといった例外を除いて不変のものです。
着色という手法自体は、美しく均一なものを作るうえでは最良の手段であり、その技術の進歩も目覚ましいものがあります。
それをふまえたうえで長期にわたっての使用を前提にし、どうしても避けることのできない使用中の傷みなども味わいとしながら、木本来の魅力と美しさを表現するためには無着色という手法をとっているのです。
そのために原木仕入れという手法も昔から変わることなく採用しています。
着色を施したうえで生産される木製家具はどうしても材料の木目や色味が不均一になってしまうので、上から色を塗り同じものであるように加工します。
これは大量生産が可能であることを意味し、生産の際のコストを抑えることにも繋がります。
しかし、木が持つ本来の質感や効能は損なわれ、長い期間の使用においても傷みなどが目立ちやすいものとなってしまうのです。
後述する「木目を生かす」意味も含め、仕入れの段階からこだわりを持って原木仕入れを行っているのです。
無着色仕上げは木目すらもデザインとなる
無垢材をはじめとする木材には総じて「木目」が存在します。
これはどの方向から製材し、どんなに薄く加工しても現れるものであり、これ自体も非常に有機的な表情と特徴を描くことで一種のアートとも呼べるものです。
この木目までもデザインとして表現したいという思いも無着色仕上を行う理由の一つです。
木目がもたらす独特の揺らぎは人の目や精神状態に心地よい刺激を与えるリラックス効果を持っています。
着色を行うことでその木目が完全に隠れてしまうわけではありませんが、目立たなくなるのは事実です。
インテリア性だけでない木材の、そして無垢材の持つ本当の効能を味わってほしいからこその無着色仕上げとそれを行うための原木仕入れなのです。
ストレスなく使用できメンテナンス性も高い無着色仕上げ
着色した家具は使う年数が長くなればなるほど色が褪せ、傷がつけば地の色が見えてしまいます。
傷を付けないように暮らすのはそう簡単なことではないため、そこには相当なストレスがかかります。
またこのような家具は、傷をきれいにする削り直しなどのメンテナンスが出来ないため、その劣化を防ぐことができません。
一方、無垢材・無着色家具であれば木材の持つ色をそのまま活かしているため、傷がついてしまってもその傷は目立ちにくく、削り直しなどのメンテナンスをすることも可能です。
傷がつくことに気をつけながら使うのではなく、その傷も思い出のひとつとして時間と共に歩んでいける。
それが無垢材・無着色家具の良さの一つです。
着色しているものとそうでないもの「どちらが良い悪い」はありません。
しかし、もし木が好きで温もりを感じたい、大切に生涯使い続けたと思ったら、無着色の無垢材家具をお薦めします。
毎日目にして触れるもの、それが自然から生まれたままに近い木材で作られたものであれば、心身において豊かな空間を作る手助けとなります。
地球が育んだ大自然の象徴である木を、家具として第二の命を宿すためには、木材の持つ全ての良さを余すことなく活かしきる無着色仕上げの家具を私ども家具蔵も作り続けています。
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