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「一枚板は樹齢100年以上」は何がすごいのか

2022.11.1

 

 

リビングダイニングのコーディネートの重要性やインテリアの自然志向が高まる中で、無垢材を使用した「無垢材テーブル」が以前にも増して人気を増してきています。

木のぬくもりや癒しを感じることができる点やその耐久性なども相まって「長く使う住まいの顔」として有力な選択肢のひとつとなっています。

その中でも「一枚板」「一枚板天板」を使用した一枚板テーブルは特に高い人気を誇ります。

その独特の自然形状が生む存在感は確実に住まいの顔となり、一枚板テーブルを使用することで得ることのできる一種のステータスは「憧れ」という言葉でも表現されます。

そのことからテーブルの買い替えや新規購入に当たって、この一枚板テーブルを検討している、あるいは一度は使ってみたいと考える人も多いはずです。

 

 

一枚板天板の唯一無二の形状・表情は時間が作り上げたもの


 

 

一枚板テーブルが持つ独特の存在感や美しさはそこに「唯一無二」のものがあるからです。

全てが一点物であり、そのどれもが違う表情を持つ自分(たち)だけのもの。

住まいという世界に一つの場所で、掛け替えのない家族が集まるテーブルがどこを探しても同じものは決してないものである、ということはやはり特別であり価値があります。

その唯一無二の形状・表情は時間が作り上げたものです。

気の遠くなるような悠久の時間を生きた痕跡がデザインとしてその天板に活かされているからこそ、その一枚板テーブルは世界に一つのものたりえます。

では何故一枚板は特別な存在なのでしょう。

それは、一枚板は長い年月を経た高樹齢の大木からしか生まれない、非常に希少な存在だからです。

 

一枚板天板は100年以上の樹齢を持つ大木からしか生まれない


 

 

樹木というものは最初から大きいわけではなく、時間を掛けて徐々に大きくなっていきます。

針葉樹(針のように細い葉を持つ木)であるスギは成長も早く、早いものでは10年程度で約6mほどにもなります。

ただ、それでも10年という年月を要しています。

一枚板テーブルに多く使われる広葉樹(広く平たい葉を持つ木)は一般に成長は遅い種です。

仮に奥行き800~900mm程度のダイニングテーブルの用途に即した一枚板天板を用意しようとすると、その天板を製作するのに必要な木の成長に要する年数、つまり樹齢はゆうに100年を超えます。

その100年の間に生まれた樹形と数々の表情=杢が一枚板テーブルを美しく飾り、住まいを華やかに彩ります。

その100年、あるいはそれ以上の年月を生きる木は皆さんもおわかりのように決して多くはありません。

 

100年という歳月の途方もなさ


 

 

一言で「100年」といっても「ああ、長いなあ」と感じるくらいかもしれません。

ここで少し想像力を働かせてみます。

例えば現在から100年前とすると、ざっと1920年代です。

日本では大正から昭和が始まる時代であり、歴史の教科書で目にするような数々の出来事がありました。

世界に目を向けると第一次世界大戦が収束し、復興を遂げていくなかで世界恐慌などが起こった時代でもあります。

その頃から日本と世界は様々な紆余曲折を経て、様々な発展をしながら今日に至っています。

その間に起きた出来事を挙げてみるだけでもたいへんな時間が流れていることが分かります。

この100年間に起こった出来事を全て体験、あるいは現在進行形で確認した人はもはやほとんどいないでしょう。

その頃に生まれた人ももはやこの世に無いことも多く、これを読んでいる方の大半よりも長い時間を生きてきた木が

長い年月を経て伐り出され、一枚板天板となっているのです。

それだけの時代背景を経験した木たちが生息していた国で、地域で、場所で、どのようなことが起こり、その木のそばでどのような会話がなされたのかと思うとノスタルジーや畏敬の念も感じます。

 

木が100年の間に経験すること


 

 

木は人とは違って自由に移動をすることはできません。

与えられた場所で根をしっかりと張り、次代に生命を繋げるために枝を張り、幹を伸ばします。

100年という年月の間には様々な天候もあったことでしょう。

幹が折れそうになるほどの風雪があったかもしれません。

灼熱の太陽が降り注ぎ、何日も雨が降らない日もあったかもしれません。

そのような過酷な状況を経て100年以上の間しっかりと生きた木には、その痕跡が美しい杢や思わず触れてみたくなるような樹形が息づくのです。

 

100年以上の間で繋がる人の役割


 

 

木は原生林の中で育つことも勿論ありますが、材料として活用する場合には人の手が入る必要もあります。

伐採に関わる仕事、つまり「林業」を営む人たちがそれに当たりますが、彼らの仕事のひとつに一本の木を育てる為の、栄養分の確保の補助と、その木が成長しやすいように周囲の木を間引くものがあります。

いわゆる「間伐」と呼ばれるもので、この間伐を行うことで一本一本の木は太く高く成長し防風林などの役割も果たすようになります。

木を強く長く育てるための人の手ですが、100年以上の歴史を誇る木には人一人一代で対応出来るものではありません。

多くの人が携わり、またそれが次の世代、さらに次の世代へと受け継がれていくことで、その木は強く立派なものへとなり、その繋がりと成果が美しい一枚板となって、目の前にあると思うと、また違ったドラマ性を感じずにはいられません。

 

 

100年以上の歴史の重みはそれぞれの樹種によってもまた異なります。

例えば北米産のブラックウォールナット材では伐採や製材の際に釘や弾丸が出てくることも珍しいことではありません。

ハンティングが文化でもある米国ならではの話ですが、時には馬蹄が中から出てきたなどという話も聞きます。

国産のものでもそれが採れた地域の歴史や文化、伝承に思いを馳せることができるでしょう。

インテリアとしての観点はもちろんのこと、このような特別感を時間や年月という要素で与えてくれる一枚板テーブルは、物語が沢山詰め込まれた価値のあるものとして私たちに悠久の時を感じさせてくれるのです。

 

家具蔵が扱う一枚板天板のラインナップはこちらから

 

 

 

 

 


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