家具選び、テーブルが先か、チェアが先か?
2021.11.1
目次
リビングダイニングは住まいの顔であり、家具選びにも力が入る
住まいにおける「リビングダイニング」は、言わずと知れた食堂的空間と居間的空間が一繋がりになった空間で、多くの家庭や住まいにおいて、家族皆がそこに集まり、それぞれの時間を過ごす場所です。
ゲストへの対応も含めて、外部の人の目にも触れる空間であり、リビングダイニングはまさしく住まいの「顔」であり「中心」と言っても過言ではありません。
そんな場所ですからそこにレイアウトする家具やカーテン・照明にもその選定にも自ずと力が入ります。
リビングダイニングのダイニングセット選びとそのパターン
多様なリビングダイニングでの家具やインテリアの中で真っ先に選ぶもののひとつとして、いわゆる「ダイニングセット」つまりダイニングテーブルとダイニングチェアが上がります。
毎日の食事の場となることはもちろんのこと、家族それぞれが個々の趣味や作業を行う場となるものであり、大きなスペースを占めることも多い家具です。
「先ずはダイニングセットを決めてから」あるいは「ダイニングセットだけは良いものが欲しい」という人も多いのではないでしょうか。
この「ダイニングセット選び」にはいくつかのパターンがあります。
A.テーブルとチェアを同じ家具販売店で同時に購入する
B.テーブルとチェアを違う家具販売店で購入する
C.手持ちのテーブル(またはチェア)を活かしてテーブル(もしくはチェア)のみを新規に購入する
AとBは購入する場所は違っていても購入するタイミングは同じです。
今回はこのAとBの購入方法を考えている人には是非一読頂きたい内容です。
仮にCに当てはまる人にも役に立つお話しなので、どうぞこのまま読み進めてください。
ダイニングセット選びはチェアから先に選ぶべき
住まいの「顔」であるリビングダイニングにおいて、最も象徴的存在となる家具はテーブルです。
このテーブルがどんな素材やデザインかで空間の雰囲気も、ゲストの心象も大きく変わります。
そのことからテーブルとチェアを同時に(あるいは別々の場所で同時期に)購入する場合、テーブルを先に選ぶことには一切の不自然感はありません。
事実、空間の中で大きなスペースを占めるからこそ、そのサイズ感も重要で、テーブルのサイズ如何で他の家具のレイアウトや、あるいは他の家具が置けるか置けないかも決まってきます。
このことからもテーブルを先に選ぶのは理にかなった話です。
ですが、ここでは「テーブルではなくチェアから先に選ぶべき」とお話ししたいと考えます。
チェアの座り心地がその空間の居心地を決める
何故、チェアから先に選ぶ方が良いのか?
それは「チェアの座り心地がその空間の居心地を決める」からに他なりません。
以前から根強いテーブルとチェアの販売方法に「ダイニング5 点セット」というものがあります。
いわゆるダイニングテーブル1 台+揃いのダイニングチェア4 脚のセットです。
デザインや色合いもそれぞれ統一感があり、見た目として非常にまとまっています。
セットになっているので選び方もある意味簡単です。
テーブルは空間とのバランスがサイズ・デザインともに上手くとれていれば良いですが、チェアはどうでしょう。
人の身体はそれぞれ異なります。
例えば家族という単位においても男性・女性・大人・子供、それに加え各々の体型や楽な姿勢もまた十人十色です。
そうなると、揃いのチェアが皆一様に「座り心地が良い」と感じることはなかなか難しいでしょう。
偶然にも皆が「このチェア座り心地いいね」というものであれば揃いのものでも良いのですが、そういったことは稀です。
多くの場合、チェアの座り心地についての良し悪しの感じ方には差があり、仮に誰かが座り心地が悪いと感じているのであれば、その人はその場に長くいることがともすれば苦痛となってしまいます。
理想は家族皆が疲れにくく、長い時間をそこで過ごしたいと思えること。
それは同時にコミュニケーションの深化も喚起します。
ですので、まずテーブルとチェアを選ぶ際にはチェアをそれぞれの好みや座り心地で決めること。
そうすることで家族皆が居心地の良い時間を享受することができます。
バラバラのデザインで大丈夫か?
たしかにそういった声もよくありますが大丈夫です。
持っているテイストに統一性があれば、自然と違和感はなく見えるもの。
素材や色合いが揃っていれば、そのテイストの統一感を出すのは難しくありません。
安心して、皆さんがそれぞれに座り心地の良いチェアを選んでください。
テーブルの適切な高さを決めるのもチェア選びから
チェアからダイニングセットを決めていくことはテーブルの適切な高さを決めることにも繋がります。
ダイニングセット選びでよくある失敗に、テーブルとチェアの高さが合っていない、というものがあります。
これはさきの「B」のテーブルとチェアを違う場所で購入する場合や、「C」の手持ちのテーブル(またはチェア)を活かしてテーブル(もしくはチェア)のみを新規に購入する場合に起こりえることです。
まず知識として、チェアの座面高とテーブルの天板高の差尺(さじゃく)が「28~30 センチ」であることが望ましい、ということを知っておくだけでもこうした失敗は避けられます。
ですが、これだけでは本当に座り心地が良く、長い時間をそこで過ごすという理想のためには不十分です。
もうひとつ大事な要素は「着座時に足裏がしっかりと床に着いている」こと。
足裏が床にしっかりと接地していることで自身の体圧の逃げ道が増え、身体の他の箇所への負担も減り、疲れにくくなります。
また、足裏が自然に床に着かないとチェアの座面が太もも裏を圧迫し、疲れやすくなります。
まずは足裏がしっかりと床に着く座面高のチェアを選ぶ、あるいはそうなるようにチェアの脚をカットしてもらう。
そのうえでそれに合う天板高のテーブルを選べば、疲れにくい、丁度良い姿勢で食事や作業ができるようになるでしょう。
チェアから選べば座り心地の良いチェアがきちんとテーブルに収まる
テーブルから先に選んでいた場合、好みのチェアを並べてテーブルに入れることができない、といったケースもありえます。
せっかく座り心地の良い、長い時間を過ごしやすいチェアが見つかったのに、それがテーブルの中に収まりきらないのではあまりに残念です。
チェアから先に選んでおくことで「このチェアとこのチェアを並べるからテーブルには最低このくらいの大きさが必要」ということがわかり、チェアがテーブルに入らない、という失敗も無くなります。
あるいは空間との兼ね合いもありますが予めテーブルのサイズは大きめで検討しておくと、皆でゆったり過ごせる、心地のいい場所となります。
今回はダイニングセット選びにおいてはチェア選びから始めるとこのようなメリットがある、という観点でお話ししました。
ただ、決してテーブルから選んではいけない、というわけではありません。
家具選びにはその人その人の事情があり、好みもあります。
私たち家具蔵ではそんな一人ずつ異なる家具選びを、しっかりとお話を伺いながらサポートしていきます。
せっかくの空間の顔を飾る家具選び、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
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