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広葉樹と針葉樹の違いとは?

2020.1.6

 

家具蔵にご来店されるお客様から時々、「杉やヒノキの家具は作ってないのですか?」と質問されることがあります。

木の分類で言うと、杉やヒノキは針葉樹なのですが、家具蔵で家具づくりに使われている木はすべて広葉樹です。

では針葉樹と広葉樹にはどのような違いがあるかご存知ですか?

今回は、針葉樹と広葉樹の違いと、家具蔵が家具づくりに広葉樹を使用している理由をお伝えしていきたいと思います。

 

針葉樹と広葉樹 葉の形の違い


一般的に広葉樹と針葉樹の違いは、読んで字の通り葉の形で見分けられます。

広く扁平な形をした葉を持つ広葉樹と、先の尖った針のような形の葉を持つ針葉樹。

針葉樹は幹がまっすぐ伸びているのに対し、広葉樹は太くて曲がっていることが多く、さらに枝分かれしているのが特徴です。

 

針葉樹と広葉樹 細胞組織の違い


外見の違いだけではなく、針葉樹と広葉樹は細胞と組織の成り立ちが異なります。

針葉樹の組織は単純で、大半の樹種は90%以上が仮道管で占められています。

仮道管とは、水を根から樹幹を通して葉へ送る通路のことですが、木そのものを支える役目も担っています。

細胞の構成は非常に単純で、配列は整然としています。

広葉樹の組織構造は複雑で、細胞の種類が多いだけではなく、細胞ごとの機能も分業・専門化しています。

水分の通り道は主に道管が、木を支えるのは主に木部繊維が担っています。

また、養分の貯蔵機能をもつ柔組織といわれる組織も発達しています。

人間の身体に置き換えて、筋肉と血管がひとつになっているのが針葉樹、筋肉と血管がそれぞれ独立して別々の働きをしているのが広葉樹と考えると分かりやすいかも知れません。

 

 

針葉樹と広葉樹 堅さの違い


複雑な構造をもつ広葉樹は、針葉樹に比べ多様な性質を持つことになります。

日本人はその葉の形で分類しているため、家具にした時のイメージが付きにくいのですが、英語では広葉樹をハードウッド、針葉樹をソフトウッドと呼び、堅さで分類しています。

これは木が含んでいる空気の量に関係しています。

木を構成する細胞と細胞の間には、無数の孔=空気の隙間が空いていて、細胞と空気の隙間の割合を空隙率(クウゲキリツ)といいます。

大半の広葉樹は空隙率が低い為、気乾比重(※)が大きく、木は重くなります。

逆に針葉樹は空隙率が高くなり、比重も小さく、木は軽くなります。

堅さの違いに関しては、空隙率の低い広葉樹は細胞の密度が高いため堅くなり、針葉樹は密度が低いため柔らかくなるという理由です。 

※気乾比重…木材を乾燥させた時の重さと、同じ体積の水の重さを比べた値です。

一般的に数値が大きければ大きいほど堅い木ということになります。

 

そもそも日本の森林面積の割合は?


日本が世界でも有数の森林大国であるというのはTVなどでも耳にすることがありますが、実際日本のどのくらいの割合を森林が占めているのでしょうか。

実は日本の国土面積の約6割を森林が占めています。

森林の面積は約2500万haで、森林率は世界第2位。

1位はフィンランドで約74%、続く日本は約68%、3位はスウェーデンで約67%です。

現在でこれほどの森林面積があるなら、昔は更に多かったと想いがちですが、昔は暮らしのエネルギーとして薪や木炭を使っていて、山から大量の木を伐採していた為、森林面積は現在よりも少なかったのです。

それを物語るように、昔の山水画や浮世絵を見ると、描かれているのが禿山ばかりです。

 

日本の森林における針葉樹林の割合


日本の森林を針葉樹林と広葉樹林に分けた場合、森林全体の50%以上を超える面積を針葉樹が占めています。

しかしながら、天然林に限ってみると針葉樹は20%に満たないのです。

このことは、本来の日本の森林面積においては、80%以上が広葉樹林の分布であることの裏付けであると言えます。

 

日本の森林における人工林(育成林)の割合


日本の森林を、森林が誕生した過程により分類した場合、おもに「人工林(育成林)」と「天然林」の2タイプに分けられます。

人工林は、おもに木材の生産目的のために人の手で種をまいたり、苗木を植栽して育てている森林です。

間伐などの手入れ(育成作業)を行っているため「育成林」とも言われ、日本の森林面積の約4割を占めています。

一方、天然林は主に自然の力によって発芽し、育ち、森林として成立したもので、日本の森林面積の約5割を占めます。

「人工林(育成林)」と「天然林」の他、「無立木地・竹林(※)」に分類されるものが約1割あります。

※=無立木地…樹冠の投影面積が30%未満の土地のこと

 

広葉樹は木炭の材料だった


考古学研究によると、日本においては新石器時代の頃から木炭が使用されてきたとされ、木炭にはクヌギ・ナラ・カシなどの広葉樹が用いられてきました。

針葉樹の場合は内部に空気を多く含む為、炭にした場合も着火は容易で火力も強くなりますが、燃え尽きるのが早かったため多く使われなかったという理由と、そもそも亜寒帯や高山帯に自生している針葉樹はあまり身近な薪炭材ではなかったという理由があるそうです。

ちなみに有名な備長炭はカシ系の堅い木を使用した白炭と呼ばれる炭で、長時間安定した火力が持続します。

バーベキューなどで良く使う木炭は黒炭と呼ばれ、ナラ系の木材が多く使われています。

日本人は古代から樹木と身近に暮らしてきましたが、建築用材としては針葉樹を多く利用し、広葉樹(特に主要なナラ材)は食糧もしくは燃料として使用することが多かったようです。

戦後の燃料革命により新たなエネルギーが生まれ、木炭の需要が大きく減った時期には、広葉樹を伐採し、針葉樹に植え替えられていったのです。

現在では全体の森林面積の半分以下まで広葉樹林は減ってしまっています。

 

針葉樹(人工林)の急速な増加


昭和20年~30年代、日本では戦後の復興などのために木材需要が急増しました。

しかし、戦争中の乱伐による森林の荒廃や自然災害等の理由で供給が十分に追いつかず、木材価格は高騰していました。

このため、政府は造林を急速に行なうため「拡大造林政策」を行いました。

「拡大造林」とは「おもに広葉樹からなる天然林を伐採した跡地や原野などを、針葉樹中心の人工林(育成林)に置き換えること」です。

伐採跡地への造林をはじめ、里山の雑木林や奥山の天然林などを伐採し、代わりにスギやヒノキ、カラマツ、アカマツなど、比較的成長が早く利用価値が高いとされていた針葉樹の人工林に置き換えました。

この造林ブームは国有林・私有林ともに全国的に広がり、わずか15~20年の間に現在の人工林の総面積約1000万haのうちの約400万haが造林されました。

 

家具蔵が広葉樹を使う理由


針葉樹と広葉樹の違いで前述したように、広葉樹は針葉樹に比べ気乾比重が大きく堅い為、耐久性が高く、日常使いに適しています。

また樹種によって材の色や木目が大きく異なる為、様々な表情や質感を楽しむことができます。

体重をかけたり動かしたりすることの多い家具。

10年20年と使い続けるからこそ、強さと美しさを併せ持った個性豊かな広葉樹を私たちは使い続けているのです。

 

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