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人間工学に基づく椅子の「姿勢」や「握りやすさ」

2021.10.19

 

 

「人間工学」という言葉を聞いたことはありますか?

何気なく耳にする言葉かもしれませんが、人間工学とは、人が可能な限り自然な動きや状態でものを使用できるように設計し、実際のデザインに活かしていく学問です。

同時に人が効率的に動けるよう、周りの人的・物的環境を整えて、事故・ミスを少なくするための研究とも言われています。

家具蔵で製作している家具も、特に「チェア」についてはこの人間工学の考えを踏まえて、商品のデザインや製作を行っています。

ではチェア製作を行う際にどのような観点で人間工学を応用するのでしょう。

今回はいつもと違った観点でチェアをご案内します。

 

 

 

人間工学に基づく「姿勢」とチェアの種類


 

 

チェアはどのような用途で選ぶか、によって姿勢も変わってきます。

食事などが主な目的のものか、パソコン作業や書き物をする作業が中心のものか。

はたまた、ゆっくりとリラックスしたい時のものなのか。

その用途によってどのように体圧を分散させるかは、人間工学に基づき座面や背もたれの高さ、背中の傾斜など変化させていきます。

もちろん性別や体格の違いも考慮して。

どのような種類があるのか、その違いをご紹介します。

●食事用(作業用)のチェア

食事や事務仕事などの作業をするチェアは、使用中に腰部を支えて姿勢を正しく保たせることに重点が置かれており、休息性をより感じられるような腰部の可動域を広くとるようには作られません。

座った際に「スッ」と腰が真っすぐになるように調整され、座面は床と平行に近い角度で製作されます。

●軽休息用のチェア

食後に少しお茶を楽しむ、短時間の作業を行うなど多用途で使用するものには、若干座面の角度がお尻にいくほど沈み込み、緩やかに背中が後傾する角度に背当たりを調整されます。

食事を無理の無い姿勢でとれるような前傾姿勢ができるものの、腰部は若干ゆとりのある寸法となっており、食後の時間を楽しむ、PCを扱うなどの多目的な使用に対応できるタイプとなります。

●休息用のチェア

食事や軽作業用のチェアとは異なり、座面は膝が高くお尻が下がるよう傾斜がかかり、それに伴い腰部を支える背当たりの角度も後傾するようになります。

座面と背面の開角が115度を越えると枕が欲しくなると言われますが、そこまで角度をつけなくてもゆったりとくつろぎ用の椅子が出来上がります。

 

これらのように椅子を使うシチュエーションによって姿勢は変化していきます。

そしてそれに伴い人が座った際に心地よく座れるよう体圧の分散を考え、椅子の形状は大きく変わっていきます。

 

 

人間工学に基づく「握りやすさ」と「アーム」の関係


 

 

次は「握りやすい」ことを題材に人間工学とチェアの関係を考えてみましょう。

そもそも私たちの身の回りには実に様々な「握って使用する物や道具」が普及しています。

これらの物は「握りやすい」こと自体、その製品の大きな特性ともなります。

例えば、どこの街中でも手に入る某社のスポーツドリンクの500ミリリットル入りのペットボトルは、製品の持ち手部分が55mmと決まっています。

人間工学の世界では男女ともに55mmが握り幅として最も高い握力が得られており、この太さだと適度に力が入れやすく、持ちやすい、また落としにくいという飲み物を入れる容器としては十分な機能が、その太さ(握りやすさ)によりもたらされるのです。

この「握る」という動作がチェアという分野で活かされるのであれば、「アームチェア」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

アームチェアは自身の肘を乗せてゆったりと寛げるという利点があります。

同時にアームチェアの先端を握りながらくつろがれる方も多いでしょう。

このアームを握ると言う動作には他にも利点があります。

●立ち座りの容易さ

チェアに座る際に腰を下ろすとき、同様に立ち上がる時に、アームの箇所を支えにすることはよくあります。

特に年配になると立ち座りのし易さから、アームチェアを選びたいという方も多くなります。

アームが握りやすい形状で安定感があるか、日々体重がかかっても強度面の心配がないか、こういった観点でチェア選びを検討してみるのも良いでしょう

●安心感

人は丸みのあるものを握ると安心感が得られると言われています。

アームを掴むタイプのチェアの場合、アームの上からでも横からでも「掴む」ことで安心したり、ゆったりリラックスすることができます。

家具蔵のチェアはアームの握りやすさも考慮されています。

アームの先端箇所はさすり仕上げと呼ばれる職人による丁寧な仕上げが施され、面と面を滑らかにし、有機的なアートラインを作りだしています。

そのため握った際に無垢の温かみを感じると共に柔らかな触り心地を体感することができるのです。

 

 

人間工学と言うと難しいようもののように考えてしまいがちですが、私たちの日常のあちこちでこれが活かされています。

チェア一つとっても姿勢に影響し、日々体重を預けるアームも、自身の身体や過ごし方に即しているか違いはあります。

チェアをご検討の際には、このような人間工学の観点から考えてみるのも面白いですね。

家具蔵各店では、多くの椅子の種類からご自身の体に合う商品をご検討いただけます。

同時に専任のスタッフによる、座り心地の違いのご案内も行っております。

お気軽にお気に入りの椅子を見つけにご来店下さい。

 

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