KAGURA OFFICIAL BLOG

テーブルに使用されるマテリアル ~前編~

2019.12.19

 

皆さんはテーブル選びをするとき、どんな素材を選びますか?

「引っ越しを機に新しいテーブルを…」と思い立っても、テーブルに使われる素材は実に様々で迷うことばかりです。

見た目は気にするけれど素材はあまり気にしたことがないという方も多いかもしれませんが、毎日使うテーブルですから、素材の違いや耐久性などを理解して、後悔の無いテーブル選びをしたいものです。

テーブルと聞いて思い当たる素材には、ガラス製や木製、大理石などがあるかと思います。

しかし、一見木製や大理石に見える素材でも実は製造方法が異なり、違った素材を使用しているものも多くあります。

そこで今回は、テーブルに使用される素材について、前編・後編に分けてご紹介していきます。

 

ガラス(強化ガラス、生ガラス)


●生ガラス

強化ガラスの場合、衝撃によって粉々に割れて使用不可能になりますが、生ガラスの場合は、衝撃によっては「かける」程度にとどまり使用可能な場合があります。

●強化ガラス

通常のガラス(フロートガラス)に熱処理を加えて、急激に冷却したガラスで、普通のガラスに比べて、約3.5倍~4倍の耐風圧強度を持つガラスです。

見た目はフロートガラスとまったく同じで、通常、人の目では見分けることが出来ません。

そして、もうひとつの大きな特徴は、割れ方の違いです。

普通ガラスは鋭く刃物のように割れるのに対し、強化ガラスは粉々に砕け散ります。

強化ガラスなら、割れた破片で手を切ったりするなど怪我はしませんが、普通ガラスはとても危険。

強化ガラスの別名が、安全ガラスと呼ばれるのもその為です。

また、通常のガラスと比較して3倍以上の静的強度を持ちます。

静的強度とは、風圧、水圧等のように、ガラスに一様に作用する力に対する耐力のこと。

さらに、衝撃に対しても強くなります。

一方で、モノを置いた時にカチャカチャ音がなることが心理的ストレスになる場合も。

指紋の跡など使用の際、気になることがある人も多くいます。

 

見ただけではその違いが分からないガラス。

テーブルは物を置くだけでなく、小さなお子様がいる場合は天板を強く叩いたり、ぶつかる等の可能性もある為、強度をしっかりと確認すると良いでしょう。

 

 

大理石(天然大理石・人造大理石・人工大理石)


総じてキズが目立ちにくいのが特徴です。

ただ、高温のものを置くと変色する可能性があり、汚れがキズから染み込む場合もあります。

重量がある為、移動も難しく、酸性の強い果物(レモンなど)を放置しておくと、しみになるリスクが高まります。

そんな大理石は3種類があります。

 ●天然大理石

天然の大理石は、石灰岩が熱や地中からの圧力によって変質したものです。

細孔と呼ばれる細かな穴が無数にあり、その中に水分が入ることでカビやコケの原因となったり、色むらになることがあります。

細孔の中の水分は完全に蒸発することはなく、常に空気中の水分が出入りするため、外部に使用した場合は、雨などが中に入り、そのままにしておくと劣化していきます。

劣化を防ぐことはできませんが、コーティング剤を塗布することによって大幅に劣化の速度を落とすことができます。

人造大理石

人造大理石は樹脂の種類や混入されている無機物の種類や割合によってさまざまなタイプがありますが、一般的には「アクリル系人造大理石」、「ポリエステル系人造大理石」の2タイプに分類されます。

また、構造的には一層構造(ソリッドタイプ)と二層構造(ゲルコートタイプ)があり、一層構造の場合は均質なので強度や耐熱に優れていますが、二層構造は表面材のはがれやひび割れの可能性があります。

●アクリル系人造大理石

天然の大理石などを粉砕し、アクリル樹脂を混入させ、加熱、加圧成型したもので、内部まで均質、無孔質に仕上がるため汚れが染み込まず、黄変や黒ずみのない安定した素材です。

表面が滑らかで手入れがしやすく、また素材自体にねばりがあるため衝撃や熱にも強くなっています。

水回り製品に使われる人造大理石の中では、もっとも優れた性質を持っているといえます。

●ポリエステル系人大理石

ポリエステル樹脂を主成分とし、天然の大理石の成分は入っていません。

アクリル系人造大理石と比較すると、汚れ落ちが若干劣り、紫外線による黄変や反りが生じることがあります。

また熱に弱く、火にかけていた鍋を直接置いたりすると変色してしまうので注意が必要です。

 

メラミン化粧板


耳馴染みはあまりないかもしれませんが、テーブルを探しているとよく見かける素材です。

メラミン化粧板とは、化粧紙にメラミン樹脂を浸み込ませ、これを積層することによってつくられる板を基材に貼り付けたものです。

木目や色柄をプリントして貼り付けることで様々なデザインが可能となります。

表面仕上げにはツヤのあるフラット仕上げや凹凸のあるエンボス加工されたものがあります。

一般に表面硬度が高く、傷がつきにくく耐久性に優れるとされています。

水性・耐薬品性が高く、水や汚れをはじくため掃除がしやすく衛生的である点、難燃性に優れ、熱に強く、火災時の塩素ガスを発生しない点も優位な点でしょう。

ただし、樹脂なので、天然木のような風合いに乏しく、見た目がカジュアルな印象、もっと言えばチープな印象になることは否めず、長く使用するうちの劣化は避けられない素材です。

 

 ポリエステル化粧板


ポリエステル化粧板とは、合板(ベニヤ(木材から薄く剥かれた「単板」のこと)を何枚か積層して接着したもののこと)に化粧板を貼り、その上にポリエステル樹脂を塗布し乾燥(硬化)させたものをいいます。

メラミン化粧板と同様に様々な木目や色柄を選ぶことができ、メラミン化粧板よりも安価ですが、耐摩耗性、耐水性などに難点があります。

安価で一定の品質が確保できる一方、基材となる合板の製造過程で接着剤を使用するため、ホルムアルデヒドの放散等で問題が生じているものでもあります。

これが総じてシックハウス症候群の原因にもなっています。

 

テーブルの天板に使用される素材について、この「前編」では、木製以外の素材についていくつかご紹介しました。

同じように見えても使われる素材(成分)によって価格や耐久性、見た目の違いが出ることが分かります。

次回は木質系テーブルの素材の違いについてご紹介していきます。

 

家具蔵が行う各種無料相談会のご案内はこちらから

テーブルに使用されるマテリアル ~後編~


最近の投稿

カテゴリー

月別アーカイブ

  • [—]2024 (177)
  • [+]2023 (356)
  • [+]2022 (364)
  • [+]2021 (365)
  • [+]2020 (368)
  • [+]2019 (366)
  • [+]2018 (85)
  • [+]2017 (65)
  • [+]2016 (69)
  • [+]2015 (44)
  • [+]2014 (32)
  • [+]2013 (62)
  • [+]2012 (130)
  • [+]204 (1)
copyright AIDA Co,.Ltd. All Rights Reserved.