無垢材オーダー家具でできる収納術
2019.8.4
ご新築やリフォーム・家具の買い替えなど家具について考えるシーンは様々です。
特に収納家具については家具メーカーのみならず、住設メーカーも多様に取り扱っているため、何を基準にして選べばよいか迷ってしまうという方も多いはず。
家具の中でも収納家具は、まずはその機能性を満たさなければならないものの代表格ですが、機能面だけで考えてその都度収納を買い足した結果、インテリアのテイストがバラバラになってしまったという方も多いのではないでしょうか?
今回は、そうならない為にもちょっと考えてほしい『収納家具の意匠性』というところにポイントを置いてお話したいと思います。
キーワードはシームレスな空間
私たち家具蔵でもお客様から家具のご相談を頂く際、図面を拝見しながらプランを考えていくのが基本的な家具選びの流れです。
たくさんの間取りを見ていくなかで、どの図面にも共通しているのが「空間がシームレス」になってきていること。
特にLDKなどは分かりやすいですが、リフォームの際に広い部屋を細かく区切りたいという話はあまり聞こえず、今まで6畳2間になっていた部屋をひとつにしたり、キッチンとダイニングの間の壁をなくして広くしたりという方が非常に多い印象を受けます。
また、機能的な面から見ても間仕切りはスライドドアにして床に敷居を設けず上吊りタイプにするなど、よりフレキシブルに生活できるような空間が求められているように感じます。
このように空間が広くなると、その中にレイアウトされるテーブルやキッチン、収納家具や照明器具など様々な要素が一度に目に入るようになり、これまで以上にそれらの「関連性」というのがその空間にいる時の「心地の良さ」に繋がってくるわけです。
そのためにはキッチンや壁面収納などあらかじめ造り付けする家具はもちろん、サイドボードやダイニングテーブルなどのいわゆる置き家具も含めて、あらかじめイメージをしておくことが大切です。
繋ぐポイント
では具体的にどのように考えればよいのでしょうか?
ポイントとなるのは、「色・素材・サイズ」の3点です。
すべてを同じ色や素材で作れば正解というわけでも、揃えなければいけないというわけではありません。
例えばキッチンのバックセット(食器棚などの背面収納)とテレビボードの素材を揃える。
全体の中心となる場所にレイアウトされることの多いダイニングテーブルは少し明るいトーンのものにしてみる。
壁面側から空間の中心に向けて、明るくなるようなグラデーションをつくると自然な統一感が生まれます。
また、それと合わせて高さを意識することも重要です。
壁面はある程度高さの高い家具を配置しても圧迫感は出ませんが、中心に背が高いものがあるとなんとなく空間が狭く感じます。
ダイニングチェアを背もたれの低いものにするだけでも空間を広く感じることができるので、収納家具と合わせてそのサイズや高さのバランスを考えると、メリハリのある空間が生まれます。
無垢材には無着色だからこそ活きる自然の色のグラデーションや木目の素材感があります。
もし、色や素材のバランスに迷ったときは、自分の気に入った無垢材を選ぶこと。
そうすることで、同じ家具の中にもたくさんの色素を持つ無垢材が他の素材や色との調和をもたらしてくれます。
たとえは、ポイントで違う素材の家具を入れたいという場合。
違うテイストでありながらうまくバランスを取ってくれるのは、自然素材だからこそのおおらかさに起因します。
また、オーダーで作る収納家具はその空間に適った形とサイズで作ることが可能です。
例えばテーブルと同じ高さで作ることで、収納とテーブルが一体化したようにすることも。
暮らしのなかでダイニングは食事だけでなく本を読んだり趣味の編み物をしたり、さまざまな使われ方をする空間です。
テーブルの近くに収納家具があることで、テーブルの上に置いたままになりがちなモノたちも「帰る」場所が決まり、すっきり片付いた状態を保つことができるのです。
魅せる収納・見せない収納
ここ数年、無垢材で壁面収納を作りたいという方が増えています。
壁面収納など大きな収納になるとお打合せも回数を重ねることが多くなりますが、無垢材で作りたいと考えられた理由を伺うと、「長く使うモノ・毎日眺める家具だから見ていて心地よいものが良いものにしたい」というご意見を非常に多く頂きます。
そう聞くと、ご提案させて頂く私たちも「期待を上回る家具を作りたい」と力が入ります。
建築工事であつらえる壁面収納は壁と一体化させてその存在を目立たせないようにするものが一般的です。
ですが、せっかく壁一面を収納にするのであれば、そこをお部屋のフォーカルポイントとすることであえて「魅せる」ことを選ぶ。
その結果、モノを収納するという機能だけでなくお気に入りのものを飾ったり、季節のデコレーションを楽しんだり、日々の暮らしの中でアクセントとなる空間を作り上げることができるのです。
その空間に必要な収納力というのは、持っているモノの数や暮らす人の人数によっても変わるので、まずはその方の現在の住まい方や・理想のライフスタイルを伺いながらヒアリングを行います。
そこからプロとしての意見を交えながら共同作業で作り上げる家具は、世界でたった一つの特別なものになるわけです。
そのお客様のこだわりや想いの詰まった家具が納品された時には、私たちも同じように感動を頂いています。
「イメージはなんとなくあるけれどもどう伝えたらよいのか…」
「オリンピックに向けて大きなテレビに買い替えようと思っているけど、テレビボードが小さくて…」
など、収納家具のことでお悩みのことがあればプロに相談してみるのが一番の近道です。
まずはお気軽にお問い合わせください。
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