キッチンシンクは何を基準に選ぶのか?
2023.6.6
キッチンの中でも使う頻度が特に高く、その形状やサイズバリエーションも多いのが「シンク」です。
最近ではどちらかというとスクエアなデザインのものが人気ですが、シンクの内部に段差をつけてプレートやまな板をシンク内に置けるようにする「ステップシンク」、掃除のしやすさに定評がある「グルメシンク」と呼ばれるステンレス製のプレスシンクのニーズも健在です。
水栓やクックトップなどは比較的簡単に入れ替えができますが、シンクにいたってはワークトップとセットになっているために途中で「替えたい」と考えてもそう簡単に替えられないものでもあります。
ワークトップの種類もステンレスや人工大理石に加え、クォーツやセラミックなどその選択肢も増えています。
天板との相性という部分でも幾通りもの組合せが可能であり、それによって使い勝手もまた変わってきます。
デザイン・サイズ・機能性・手入れのしやすさなど、シンクひとつをとってみても様々な基準があります。
その中でも何を優先するのか、どのようなシンクが自分に合っているのかを見極めるポイントをお伝えしてきます。
デザインを基準にする
洗剤カゴなどもないシンプルなプレスシンクから、リブ(段差)付きのステップシンクまで様々なデザインがシンクにはあります。
ステンレスシンクは、規格品から手板金で作るオーダータイプまでそのデザインは非常に豊富です。
システムキッチンの場合、各メーカーがオリジナルで製作しているシンクなどもあり、そのようなものからシンク専門メーカーのものまで含めると、既製品であっても選ぶのに迷うほどのバリエーションがあります。
汎用性が高いのは「グルメシンク」と呼ばれるプレス型のシンクです。
洗剤カゴや水切りカゴなどオプションも充実していて、必要に応じてそのオプションを足したり引いたりできるのもその魅力です。
またオーダーキッチンを採用し、キッチン自体にデザイン性やオリジナル性を重視するのであれば、どちらかというとスクエア(な形状の)シンクやオーダーシンクもお勧めです。
スタイリッシュなキッチンとの相性もよく、オーダーシンクであれば水切りポケットやソープディスペンサーなど自身の使い勝手をふまえたオプションも組み込んで、ビルトインならではのスマートな印象を演出することができます。
サイズを基準にする
キッチンにはビルトインタイプの食洗機を導入する人が増えている今日。
シンクで食器などを手洗いすることが少ないのであれば、あえてシンクは大きくせずにその分調理スペースを広くするというのも一つの考え方です。
以前はダブルシンクなども人気で、食器を洗う側と水に漬けておく側、もしくは野菜などを洗う側と食器を洗う側というように広いサイズを活かしてシンク内でスペースを分けるという人も多くいました。
ダブルシンク自体がキッチンの広さを必要とするものなので、日本の住宅ではニーズが限られてしまいますが、海外の場合はキッチンスペース自体が広く、来客の機会なども多いため、ダブルシンクはもちろん、離れた場所にもう一つパーティーシンクを設けることは今でも少なくありません。
話を戻して現在の日本の住宅の場合で考えると、大きな鍋やフライパンをシンクで洗うという人であれば、幅700ミリ以上のシンクは必要になってきます。
逆に食洗機を幅600ミリある海外製のものにして鍋なども全て食洗機で洗うという場合には、シンクはそれ以下のサイズでも良いでしょう。
機能性やメンテナンス性を基準にする
シンクでは様々な作業を行いますが、基本的には「水で何かを洗う」という作業を行う場所です。
そうなると、ワークトップの高さと合わせて重要になるのがシンクの深さです。
使う水栓にもよりますが、水跳ね問題は気にする人が多いポイントです。
浅いシンクは底まで手が届きやすく、掃除もしやすいのがメリットですが、グースネックなど吐水口が高い位置にある水栓の場合、水の跳ね返りも強くなるので注意が必要です。
また逆に深過ぎるシンクは底までが遠く、特に奥の方は手が届きにくいため、掃除がしづらかったり腰を深く屈める必要があったりするので気を付けましょう。
深さについては概ね200ミリ程度のシンクが多いですが、ワークトップの高さとの兼ね合いや身長によっても使い易さは変わるので、実際に体感してみることも大切です。
またシンクは水を流す場所だけに普段の手入れのしやすさが、見た目はもちろん衛生面にも影響してきます。
スクエアなデザインのシンクはスタイリッシュである反面、底面の隅はある程度丸みがある方が汚れは溜まりにくくなります。
完全にスクエアな手板金シンクも魅力的ですが、日頃のメンテナンス性を考慮するとスクエアであっても底面は10~20ミリ程度R加工(丸みを帯びて成形されている)されたものがオススメです。
そしてシンクの素材も気を付けたいポイントです。
ステンレスのシンク以外にも、ワークトップが人工大理石という場合にはシンクも人工大理石で考える人も多くいます。
天板とのジョイントがシームレスになることで目地がなくなり、意匠性も手入れもしやすくなります。
ただし、シンクは何かと「傷がつきやすいこと」も留意点です。
特に白系の単色の場合は、傷に汚れが入り目立ちやすくなることもあるため、そういった点も踏まえた上で検討することが重要です。
シンクはキッチンの中でも快適性の要となる存在です。
サイズや素材、そして高さのバランスなどで迷った時にプロに相談するのが一番の近道です。
私ども家具蔵のキッチンスペシャリストたちにお気軽にお声がけください。
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