北欧文化から学ぶ豊かな暮らし
2018.9.12
「豊かな生活」。
この言葉の定義は人それぞれですが、あらゆることが便利になり、情報や物資も充実している現代の日本。
そのなかで家具蔵は無垢材家具を通して、
「毎日くつろげていい時間を過ごせる」
「家族がダイニングに自然と集まり、会話の時間が増えた」
といった「豊かさ」のかたちをご提供しています。
それはつまり、「幸福」「幸せ」と表現できるものでもありますが、この「暮らしに関わる幸福」の度合いが高いと言われるのが北欧諸国です。
今回はその北欧諸国の暮らしの在り方を見ていきましょう。
北欧と日本の環境の違い
北欧諸国の中でも「世界幸福度調査」(国連により2012年以降150以上の国と地域を対象に行われるもの)
というもので、デンマークは2012年・2013年・2016年と第1位を獲得しており、2017年はノルウェーが1位を獲得しています。
日本だと
「将来が不安だから貯蓄を・・・」「子供の養育費のために働かなくては・・・」
という考えを持ちながら働く人が多くいるのが実情として否めない部分もありますが、過去3度1位を獲得したデンマークでは社会保障が手厚く、
医療費は無料、教育費も大学まで無料(そのかわり租税は大きい)なのでそのような不安を抱えながら働く人は少ないそうで、
このことが、かのランキングで上位にいる要因でもあります。
ただそういった環境だけで幸福度ランキングで常に上位を獲得しているわけではありません。
そこにはデンマーク人ならではの考え方が深く関わっています。
大きな特徴(国民性と言えるかもしれませんね)をあげていきましょう。
時間を大切にする
他の北欧諸国と同じく、デンマークは冬が長く夜も長い地域。
朝は7時頃から働き始め、夕方16時頃には業務を終え、残業せずに帰宅するのが一般的です。
家族や友人といった近親の人との繋がりや絆をとても大切に考え、その人たちと共有する時間を「豊かさ」の基準とします。
つまり、生活の糧である仕事も大事にしながら「自分の時間」をしっかり考える。
そうした時間を大切にすることは、家で過ごす時間が多くなるということ。
そうなると家具も当然お気に入りのもの、居心地の良いものを選びたくなりますよね。
空間を選ばない、シンプルでありながら特徴あるデザイン。
長時間座っていることのできる座り心地の良い椅子。
デンマークの家具や椅子に素晴らしいものがあるのはそうした背景があるからでしょう。
家具蔵の無垢材家具もミニマルなデザインや使い心地を大事にしています。
ここに北欧のスタイルと相容れるところがあり、概して住まいの空間のなかでお互いが良いソリューションを生み出すのです。
また、日本には四季があり、それにちなんだ風習(七夕やお盆、お月見など)があります。
例えばリビングボード(収納家具)の上にその時期の飾りや草花を置くだけで忙しい中でも負担にならず、季節の移ろいを感じられ心の豊かさに繋がっていきます。
そういったことも「時間を大切にする」ことのひとつであり、そんな場所に家具蔵の無垢材家具があれば、と思うのです。
空間を大切にする
多くの時間を過ごすことになる生活空間を充実したものにする。
北欧諸国では、その事こそが「時間を大切にする」ことでもあり、幸福のものさしであるという考えから洋服や腕時計など自分を飾るものよりも、
自分も含めた周囲の人間が快適に過ごせる為の空間にお金を使う、という考えを持つ人が多いといいます。
(比較的安価でデザインが良い腕時計や某ファストファッションブランドが生まれた場所であることも、ひょっとしたらこのことと関係がある気もしますね)
そのためにインテリアを大事にする、ということでデザインの隆盛があるのですが、デンマークでは昼夜問わずキャンドルを灯すという習慣もあります。
家具蔵でも照明テクニックなどをお話する際にこの「キャンドル・ユージング」をお話することもありますが、ゆらゆらと揺れる炎を灯すだけで、
ほのかな明るさと温かみが生まれます。
また、独特の癒し効果(1/fゆらぎ)も併せ持ち、このことだけでとても心地良い空間になるのです。
日本ならではの心地の良い空間というと和室が挙げられます。
最近の新築やリノベーションでは和室を配置しない間取りも散見しますが、い草の香りや、いつでもゴロンと横になれる雰囲気などは
日本人だからこそ感じる心地よさです。
家具蔵もグッドデザイン賞受賞の「タタミベッド」(https://www.kagura.co.jp/bed/tatami_bed_moderno_headless.html)
をご覧になったり、使用されている方が「落ち着くね」と仰る方が多いのも「心地の良い」という感覚がDNAとして日本人に
共通しているからかもしれません。
モノを大切にする
古くなったものや汚れたものは綺麗にしたい、ともすれば新しくしたい、と考えるのはある意味自然なこと。
いわばそのモノに「傷み」が出ている状態ですが、デンマークではその傷みを「味」として捉え、どう残すかを考えます。
長年使い込んで「味の出たもの」は「古き良きもの」として捨てるのではなく継承していく、という考え方です。
例えば家で過ごす時間が長いことから、使用する頻度も重要性も高い「椅子」。
長い時間をかけて自分に合ったもの且つ空間に合ったものを選びます。
長く使い、代々受け継いでいくことが前提になっているので、たとえそれが高価であっても良いのです。
気に入ったものがいつもそばにある、見て楽しく、使って心地よい。
だから家が心地良い空間になっていくという良いスパイラルが生まれます。
私たちの中でも、おばあ様より受け継いだ着物を持っている、お父様からもらった時計を使っているという方も多いのではないでしょうか。
やはり、モノが良いと長持ちし、そこに「想い」があれば次の世代にも引き継ごう、という気持ちになります。
家具に限らず全てのものに通ずる考え方ですが、新品には新品なりの良さがあり、長く使い込んだものにはそれなりの良さがあります。
そして長く使い込んだものはそれだけ丁寧に作り込まれており、大概のものが補修もできるものです。
家具蔵の無垢材家具も「次世代、次々世代まで使って頂けるように」という思いで家具を製作し、ご案内しています。
長く使うことが美徳であり、ステータスである。
家具蔵も、そのためのモノ選びの入口になればと考えています。
参考資料
三笠書房 『ヒュッゲ 365日「シンプルな幸せ」の作り方』マイク・ヴァイキング
大和書房『世界一幸せな国、北欧デンマークのシンプルな暮らし』芳子ビューエル
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