キッチンから考えるLDKコーディネートとは
2023.8.25
目次
新しく家を建てる、マンションを購入する、あるいは賃貸物件を選ぶという時にあなたは何を最優先しますか?
物件のロケーションや賃貸であれば毎月の家賃などと合わせて必ず確認するのはその間取りです。
それは最優先事項といっても良いかもしれません。
一言で「間取り」と言っても注目するポイントは人ぞれぞれです。
各部屋の広さはもちろん、収納の多少、窓の広さや向きなど優先されるポイントは人によって異なります。
LDKはキッチンを中心に全体のバランスを考える
LDK(リビングダイニングキッチン)は言うまでも無く、住まいの中ではいわゆる「核」ともいえる部分で、家の中で起きている時に最も長くいる場所といっても過言ではありません。
リビングダイニングの居住性が住まい全体の快適度を左右することもあり、その広さや形状、そしてそこのインテリアには多くの人がこだわります。
最近はLDに隣接したオープンタイプのキッチンも多いので、キッチンも含め、どのように考え、見せるかも重要です。
リビングとダイニングは間続きであり、その役割を兼用できても、キッチンを兼ねることはちょっと想像できません。
家では全く料理はしないという人もいます。
その場合、シンクとレンジと冷蔵庫さえあれば(あるいはそれすら無くてもOKかも)なんとかなるでしょう。
そのことからも間取り選びの際のキッチンに対するこだわりは人によっても違うことがわかりますが、毎日の暮らしに必要な「食」を生み出す場として考えるとその重要度は他のどの空間にも劣りません。
そう考えると、LDKを考える時にまずはキッチンを中心として、そこから全体のバランスを考えていくと上手くいくのではないでしょうか?
いわば「キッチンから考えるLDK」。
この考え方で住まいづくりを行う際に、その進め方は何に着目すべきか、大きくいくつかに分けて解説していきます。
「オープン」か「クローズか」?
LDKという場所の間取りを考えるそのスタート地点に、そもそもキッチンをリビングダイニングとセットで考えるか、別で考えるかという点があります。
現代の住まいでは対面キッチンが主流です。
いわゆる完全にクローズドな状態のキッチン=LDスペースとは別空間にキッチンがある、という間取りは少なくなっています。
「キッチンは作業の場だから食卓や寛ぎの場とは敢えて分けておきたい」
「臭気や油がリビングダイニングにまで広がってしまうのは嫌だ」
といった理由から「あえて」LDとキッチンを別々に考えるケースもあり、一方でオープンタイプの場合は
次の項目で上げるような「空間の連動性(から派生する各種作業の容易化)」や「コミュニケーション性」にメリットがあります。
どちらを優先するかでどのスタイルを選ぶか、もしくは有益なのかを決めていくと失敗は少なくなります。
リビングダイニングとの連動性は重要視するか
オープンスタイルのキッチンが多くなった理由としては限られたスペースの有効な活用が挙げられます。
同時に家事の容易性や家族とのコミュニケーション性向上がニーズとしてあり、その結果オープンスタイルが普及したとも言えます。
LDKはそこに住む人皆が一堂に集まる空間でもありますが、現代ではそこで全員が同じことをしているわけではなく、そこに集まる時間帯もバラバラになりがちです。
そこではお互い違うことをしていても声を掛ければ会話ができる距離、というのが理想的なLDKにおける人と人との距離感となります。
LDKのどこで過ごしていても同じ時間を共有できるメリットはとても価値があるものです。
また、互いに忙しい中ではキッチンで料理されたものがほぼダイレクトにテーブルに移動できる、あるいは食べ終わった皿をカウンターの向こうのキッチンに居る人に手渡しできるというのは時短におけるメリットがあります。
この点をクローズドタイプのキッチンが持つメリットと比較したうえでどのスタイルをとるかを決定していくと良いでしょう。
使い勝手や収納性は十分に考える
キッチンはいわゆる「設備」と「インテリア」双方の側面を持っています。
どれだけスタイリッシュなものでも使い勝手が良くないものは「設備」としては不十分です。
対面キッチン、つまりオープンスタイルのキッチンはコミュニケーション性が高い一方で奥行が大きくなることも少なくなく、その分ダイニングスペースを狭くしてしまうことも考えられます。
あるいはオープンスタイルを選択したがゆえにキッチン上に吊戸棚を設けることができずに収納性が犠牲になるケースもあります。
キッチンは背面の収納やそこに置いてあるキッチン家電、すぐ傍にある冷蔵庫が使い易く、且つ多様なものが存在するなかで収納量が高いことが必要な条件です。
その点を考えたキッチンの設計や、あるいはそのようなキッチンが装備されている物件を検討するようにしたいところです。
オープンスタイルでの手元の隠し方は
リビングダイニングとキッチンが同じ空間にあることでどうしても気になるのが、散らかりがちなキッチンをいかにスッキリ見せるかという点です。
最近はキッチン横にパントリーを設けたりすることで食器や食材などをそこに収納し、問題を解決している人も多いですが、キッチンシンクやワークトップの上を常にきれいに保つ、というのは気をつけていても難しいものです。
そこでダイニングとキッチンの間に視線を遮らない高さの立ち上がりやカウンターを造作することで、ゆるい境界で目隠しを作ることができます。
キッチンのワークトップがフラットなので遮るのが難しいという場合でも、小さなインテリアグリーンをキッチンカウンターに置くことで、ディスプレイを兼ねた目隠しになるので取り入れたいテクニックです。
その他にも、キッチンの背面を印象的なタイルにする、あるいはディスプレイを兼ねた吊戸棚にする、キッチン上の照明を目を惹くペンダントライトにするなど、キッチンのワークトップ以外のところに目が向く仕掛けを作ることも効果的な方法です。
キッチンは特にオープンスタイルを取り入れる場合には住まい全体の印象を左右するものでもあり、毎日使用するからこそ、その使い勝手や機能性も重要です。
自宅の間取りにはどんなキッチンが合うのか、希望のスタイルはあるけれども本当に自分の暮らしに合っているのかなど気になる場合は、プロに相談しながらベストなプランを見つけていきましょう。
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