新築で「キッチンを重視」するならここがポイント
2022.9.11
目次
住宅の中でのキッチン位置は「北側」から徐々に南向きに変わっている
キッチンが「台所」と呼ばれた時代は、キッチンは住宅の北側や裏手側に設けられることが多く、「勝手口」はメインとなる入り口とは逆の人目につかないところにあるものでした。
時代は変わり、今は家の中で過ごす時間の多くがキッチンである、という人も多いのではないでしょうか。
暮らしのスタイルは人それぞれですが、特に共働きの家庭では料理しながら洗濯やアイロン掛けができたり、いわゆる「時短」につながるような工夫が求められます。
また一方では、仕事をリタイアしたのを機にそれまでの暮らし方を見直し、食材やできる限りの手作りにこだわったり、少しずつ丁寧な暮らしと呼ばれるものをしたいと考える人もいることでしょう。
世代や価値観によって暮らし方は違いますが、共通している点は「キッチンは調理だけの場ではない」ということです。
「食べること」を軸に、家族や来客にとって、人と人をつなぐ場所としてキッチンはプラスアルファの機能を帯びて進化しています。
クリエイションスペースを設ける
最近では料理の「作り置き」を定期的にまとめて作る家庭も多くなりました。
冷蔵庫の大型化や冷凍機能の進化はそのような時勢を受けてのものであり、また、この作り置き料理が主流になった背景にはそれを可能にする機能の進化を受けてでもあります。
料理中には、その場を離れることができない「待ち時間」というものがあります。
そのようなスキマ時間を使ってSNSのチェックや日記をつけるなどの、自分の時間を楽しむ、あるいはちょっとした作業をしたいという人もいることでしょう。
小さなお子さんがいる家庭では目の届くところでお絵かきをさせたり、その時間に絵本を読んであげたり。
そのような「少しだけ作業ができる『余白スペース』」をキッチンにプラスすることは、より快適なキッチンを作り上げるポイントとなります。
好きなものに囲まれた「自分の城」とする
お気に入りの食器や調理道具は、実際に使用するだけでなく、眺めて楽しむこともできます。
バックセット(背面収納)の食器棚をガラス扉に、あるいはオープン棚にすることで、見て美しい、使って楽しいという場所が生まれます。
そこではグリーンを飾る、お気に入りの本をディスプレイする、BGMで好きな音楽を楽しめるようにスピーカーを置くなど楽しみ方は自由です。
お気に入りをさらに活かす、好きなものに囲まれた「自分の城」をキッチンに持ってくることで、長く過ごす場所をより居心地の良い場所にすることができます。
おもてなしの空間としてキッチンを活用する
家族はもちろん、近所の人など来客の機会も頻繁にあるという人なら、キッチンカウンターを飲食店のようなオープンスタイルに設えるのもひとつの方法です。
調理をしながら会話を楽しめるのはもちろん、たとえばそこで近所の人と業務用スーパーでまとめ買いしたものやネットで取り寄せたものをシェアするなど、広いカウンターがあればその使い方の幅も広がります。
5つの「W」で考える理想のキッチンづくりの下準備
様々なキッチンのスタイルがありますが、自分には、あるいは自分たちの暮らしにはどのようなキッチンが合っているのか、どのように自分のスタイルを見つけたら良いのかがわからない人もいることでしょう。
インターネット、特にSNSでは世界中から多様なスタイルが紹介されているのでたいへん参考になるはずです。
にわかには実現が難しいようなものもありますが、身近なものを使用したライフハックから買って良かったもの、導入してよかったもの(失敗したもの)なども合わせ、自身の参考になるような情報を得ることができます。
また、インテリア雑誌では毎年1回はキッチンについての特集が組まれているので、それを参考にするのもひとつの手段です。
ただ、その前準備として次のようなポイントを考えておくと、より具体的なイメージができるのではないでしょうか。
①「What」何を目的とするか
料理をするのはもちろんのこと、それ以外にキッチンで何ができたら理想的かを考えておくことは重要です。
ある意味ではここが一番大切なポイントかもしれません。
考え出すとあれもしたい、これもしたいとたくさんの要望が出てくることは仕方のないこと。
その中での優先順位もつけておきましょう。
②「Who」誰が使うか
キッチンという場所が奥様の希望や使いやすさに重点をおいて設計されている住まいは少なくありません。
それはそこにいる時間が一番長い(であろう)ことからも当然の流れです。
あるいはご主人がメインで使うという家庭もあるでしょうし、週末は家族みんなで料理をすることが定番である、もしくは洗い物や片付けはご主人の担当であるなど、それぞれの事情は異なります。
それによってキッチンの通路幅や作業スペースの広さ、導入すべき機器のサイズや機能もまた変わってきます。
さらには「今」だけでなく将来を見据えた計画も必要です。
お子さんがいる家庭では将来一緒にキッチンに立つ可能性や、今は奥様の使用が主だがご主人が仕事をリタイアしたら長い時間を使うかも、といったところも想定しながら考えてみてください。
③「Where」どこにキッチンを作るか
キッチンの向きや位置は設計段階である程度制限される場合もありますが、その場合でもキッチンの形は何通りかを選ぶことができるはずです。
主流なのはダイニングに向かってシンクを配置する対面スタイルですが、人によっては料理に集中できないからあえてクローズ部分を設けるという人も。
また、家全体の動線から買い物後にスムーズに荷物を運ぶことができるルートを計画することも、日々のストレスを抱えないためにも大切なポイントとなります。
④「Why」そのキッチンにしたい理由
SNSなどを見て「このキッチンが素敵」と思ったのであれば、どうしてそのように感じたのかを明確にしておくことも重要です。
色が素敵なのか、キッチンの壁のタイルがきれいと感じたのか。
また逆に「今使っているキッチンが○○だから、新しいキッチンは□□にしたい」という、今ストレスになっている部分や希望を洗い出しておくことも快適なキッチンを作るための一歩です。
⑤「When」キッチンを使う時間帯
夕飯の準備の時間が一番長くキッチンにいる時間という人もいれば、朝のお弁当タイムから朝食の片づけまでが一日の中での勝負の時間帯、という人もいます。
たとえば朝中心という人であれば、あえて洗濯機をキッチンに設置することで、大切な朝の1分を節約できたりもするでしょう。
あるいは朝日が当たる場所にキッチンをゾーニングすることで一日のスタートをより気持ちよくする工夫もできるのです。
人生の中で、新築で家を建てるという機会に恵まれることはそう多くはありません。
それだけに何もかもがはじめてで、何から手をつけたらよいのか分からないという方も多いでしょう。
家のことは建築のプロに、そしてキッチンについてもプロに相談できる時代です。
家具蔵では各店にキッチンスタジオを設け、実際にキッチンをご覧頂ながらお客様一人ひとりに納得いただける提案をいたします。
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