壁材の種類を知る
2022.1.25
一般的な住宅で取り入れられる内壁には、クロス(壁紙)や塗壁、木、タイルなど多種多様な素材があります。
住まいの大きな面積を占める壁材をどのような素材、仕上げにするかで、その空間のイメージを大きく変わります。
今回は、そんな壁材についてお話ししたいと思います。
クロス(壁紙)
クロスは一般の住宅で最も多く使用されている壁材で、壁紙とも呼ばれています。
クロス(壁紙)には様々な種類があり素材によってビニールクロスや布クロス、紙クロスなどに大きく分かれます。
まずはその3種類のクロスについてご紹介します。
●ビニールクロス
塩化ビニールを主な素材としてできているのがビニールクロスです。
施工がしやすく比較的安価なものが多いのでコストパフォーマンスに優れています。
また、デザインや色などのバリエーションがとても豊富で、絵柄付きのものや織物調や石目調など商品の種類が多くあります。
また、汚れが付きにくいものや耐久性があるもの、消臭効果のあるもの、調湿性に優れているものなど機能性を重視したタイプもあります。
●織物クロス
織物クロスはレーヨンやポリエステルなどの合成繊維を原料としたものや絹、麻などといった天然繊維が原料になっている布製の壁紙です。
織物ならではの自然な風合いや高級感のある厚みなどが魅力でもあります。
調湿性に優れていて、布なので破れにくいですが、ビニールクロスと比べると、継ぎ目が目立ちやすいので施工が難しく、価格も比較的上がります。
●紙クロス
紙クロスは、パルプや再生紙、和紙などを原料とした壁紙です。
和紙を使用している紙クロスは非常に温かみがあり、上品な質感で時間の経過とともに風合いが増してくるのが特徴です。
調湿や消臭の作用があるものもありますが、素材が紙なので汚れが目立ったり、破れたりすることがあるので取り扱いには注意が必要です。
塗り壁
左官で仕上げる塗壁は防火性や調湿性などの機能面に優れていて、職人が手で仕上げることでやわらかな質感で様々な表情を生み出すことができます。
塗壁には主に珪藻土、漆喰、土壁などがあり、今回はこの3つの塗壁材をご紹介します。
●珪藻土
珪藻土(けいそうど)とは、植物性のプランクトンが海や湖のそこで長い年月をかけて堆積して化石化したものを原料とした、自然素材の塗壁材です。
珪藻土は調湿性や断熱性が非常に優れているので夏は涼しく、冬は暖かいので一年中快適に過ごすことができます。
また、家の中の気になる生活臭を吸い取ってくれる消臭効果もあります。
●漆喰
漆喰とは、石灰石からできた消石灰に砂や糊を混ぜ合わせた、古くから使われている塗壁材です。
非常に火に強く、自然素材なので万一の火災の時にも有害なガスが発生もしないため、その優れた防火性や耐久性で古くから財産を守るために漆喰が土蔵や城に使われてきました。
また、防音性に優れていることもメリットといえるでしょう。
●土壁
その名の通り、土を用いた古くからある塗壁材です。
土ならではの素材でやわらかな質感と上品な美しさが特徴です。
和風住宅に最適ですが、施工には高い技術が求められます。
●モルタル
セメントと砂を混ぜ合わせて、さらにそこに水を加えて練ったもののことを言います。
ペースト状のものを壁や床などに塗っていくので、継ぎ目のないきれいな仕上がりとなります。
平らな表面だけでなく滑らかな自由な曲線を描く部分にも用いることができます。
また、リノベーションの際、構造体がコンクリートであることも多いですが、そうしたコンクリートは仕上げとなることを想定していないため、無機質であまりきれいな印象を持たれない人も多いかもしれません。
そうした時に、モルタルのモダンで滑らかな仕上がりはぴったりです。
他にも刷毛引きなど様々な表情の仕上がりを生み出すことができます。
木材
無垢材や化粧合板の板を壁に張って仕上げたものを壁板といいます。
特に、無垢材を使用した壁板は木独特の質感を味わうことができるうえに調湿性や吸音性にも優れています。
また、無垢の木材はその唯一無二の表情を楽しむことができ、年数が経つにつれて色の変化や味わいに深さが出てくることも特徴といえるでしょう。
香りによる癒しの効果も期待できます。
タイル
タイルは、耐久性や耐水性に非常に優れているので、キッチンやトイレ、浴室などの水周りに多く用いられている壁材です。
また、デザインも非常に豊富で、陶器質や磁器質など、さまざまな質感を楽しめます。複数の色や模様のタイルを組み合わせて、オリジナルのデザインにすることも可能で、水回りだけではなく、リビングなどの居室などのアクセントに使われることも多くなってきております。
今回は内壁材の代表的なものをご紹介しました。
自分自身や家族の趣味、思考、毎日の暮らし方などに合わせて選ぶとともに、床材や天井材、家具やファブリック、照明プランなどとのデザイン的な調和を考えることも大切です。
また、カタログやサンプル帳だけでなく、できる限りショールームの大きな見本で確認することや、太陽光や照明の光でのイメージの違いもチェックしておくこともポイントでしょう。
様々な内装の空間も見ることができる、暮らしの事例はこちらから
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