無垢材家具「仕上塗装」の特徴を知る
2019.2.27
家具蔵は無垢材無着色の家具作りを通して、天然木がもたらす様々な効能や暮らしの潤いを皆様に御紹介すると同時に日本伝統の木工文化・職人技を現代に継承するという社会貢献を行っています。
そのなかでお客様に長くその無垢材の良さを楽しんで頂くべく、保護のための塗装についても無色のものを使用し、木の風合いを損なわないよう丁寧に仕上げたものをご案内しています。
今回はお選びいただけるもののひとつで無垢材の保護塗装のなかでメジャーなものである「ウレタンクリアフィニッシュ」「オイルフィニッシュ」の特徴についてお話していきます。
何故家具に保護の塗装をするの?
木の本来の手触り、風合い、雰囲気を味わうためには塗装を掛けない「素」の状態で楽しむのが一番かもしれません。
ただ、いわゆる「素」の状態では外部からの影響を直に受けることで、長い期間の使用においては良い状態が損なわれてしまいかねないのです。
つまり、「材本来の美しさを際立たせて見せる」ことと「外部の状況による状態の変化(例えば反りや割れなどの抑制)」に大きな役割を果たします。
また、日常で使用するものであり、家具は空間を彩るもの。
それに対しての「傷・汚れや退色の変化」といった効果も持ち合わせます。
木製家具の塗装の種類は大きく分けて5種類
そうした家具の塗装には大きく分けて「UV塗装」「ラッカー塗装」「ポリエステル塗装」そして今回の主題の「オイルフィニッシュ(オイル塗装)」「ウレタンクリアフィニッシュ(ウレタン塗装)」の5種類があります。
ウレタンクリアフィニッシュ(ウレタン塗装)の特徴は?
そのなかでも特にメジャーな塗装の「ウレタンクリアフィニッシュ(ウレタン塗装)」と「オイルフィニッシュ(オイル塗装)」。
まずは「ウレタンクリアフィニッシュ(ウレタン塗装)」についてご説明しましょう。
端的に言うと樹脂で塗幕を施し、木の表面をコーティングして、汚れなどから家具を守る方法です。
以下のような特徴があります。
●水拭き・お湯拭きが可能です。
日常のお手入れはこれだけでOKなので「無垢材家具」や「木の家具」について「お手入れがたいへんなのでは…」と心配されている方にはハードルがグッと下がる印象です。
●いわゆる上から膜を張っている状態なので、水分などに強く、いわゆるオイルフィニッシュなどでは避けられない「染み」などが付きにくい仕上げとなります。
●キズやヘコみが生じた場合、それをご自身で修復するのは基本的に難しくなります。家具蔵ではそういった傷みはお預かりして工場で削り直しを行うことで補修することが可能です。
●シンナー・ベンジン・エタノールなどの揮発性の成分を含んだものを使用してのお掃除は厳禁。
塗装の劣化や変色の原因となります。
●除菌アルコールや酸性・アルカリ性の洗剤等を使用してのお手入れも塗装の剥がれや木部の変色を引き起こす原因となります。
●火にかけた鍋やヤカンなど、火傷するくらい熱いものを置いた場合、塗膜が白く変化することも。
手に持って問題ない程度の熱さなら問題ないですが、キズ防止のためにも鍋敷きやコースター、ランチョンマットなどを使うようにしましょう。
鍋やヤカンや熱のある食器などを置かれる際は鍋敷きなどをつかいましょう!
家具蔵のウレタン塗装は、厚生労働省が定めた揮発性有機化合物(VOC)を含まない、安全性の高い塗料を使用しています。
奥行きのある上品な質感、確かな保護効果、お手入れのしやすさが魅力です。
ウレタン塗装と聞くとテカテカ、ツヤツヤなイメージで木の風合いを損なうのでは?と心配になる方も多いのですが、
家具蔵のウレタン塗装は手仕事で一点一点丁寧に行うことで木の風合いを損なわず、自然のものに近い仕上がりになることで好評を博しています。
長くご使用になっていくうちに多少の状態の変化はありますがその状態の変化が「味」「風合い」になっていくのが無垢材家具の良いところ。
しかしそれも経年や環境で都度変わることもあれば、キズなども無くして綺麗な状態にしたい!と思うのは当然です。
先述したように家具蔵では熟練の職人がコンマミリ単位で鉋をかけ、ウレタンを再塗装するアフターメンテナンスをご案内しています。
これにより、「手を掛けながら先の世代に継承できる」本当の一生物の家具ができあがるのです。
オイルフィニッシュ(オイル塗装)の特徴は?
次に「オイルフィニッシュ(オイル塗装)」についてお話しします。
木の表面に塗膜を作らず、油分を浸透させることでしっとりとした自然な肌触りを楽しむことができます。
いわば、お肌の保湿効果のようなものでもあるのですが、以下のような特徴があります。
●木材、無垢材特有の独特の肌触りやしっとり感をダイレクトに楽しむことができます。
●無垢材テーブルや収納家具の天板、無垢材チェアの座板などに水にぬれた物を直接置くと染みが残りやすくなります。
コースターやランチョンマットを使用するのはおすすめです。
●自身でキズや染みなどを削って修復することができ、お手入れを繰り返していく事で、よりしっかりと深い味わいになり一層の愛着が湧いてきます。
ご自身で手を入れることで味が出てくる塗装です。
但し、慣れていないとムラになったりするので職人が仕上げたものと同じ状態にすることは少々難しいかもしれません。
●オイルはいわゆる「保湿」の役目のみです。
コーティングはされていないので染みや汚れはどんなに気を付けていてもある意味避けられません。
水拭きなどを行うと表面が毛羽立つことがままありますので基本的には空拭きか固く絞った布でのお掃除をお薦めします。
汚れがひどい場合は濡れた布巾を使っても良いですが油分が損なわれるのでしっとり感が無くなり、かさついたような感じになります。
●ウレタン塗装同様、やはり極度の熱には弱いので鍋敷きなどを使用するようにしましょう。
●定期的にオイルの塗り直しを行うことで木材の状態もより良い状況が続き、長い使用が可能になります。
家具蔵のオイル塗装は植物性のオイルを主成分とする自然塗料を家具の表面に直接塗り込み、木材の内部から表面をしっかりと保護するものになります。
以上、日常使いのお手入れの簡単さならウレタンクリアフィニッシュ、素材感を楽しむならオイルフィニッシュ、といったところでしょうか。
勿論お好みやそれぞれの一長一短があることも事実。
チョイスに迷われたらお気軽に家具蔵のスタッフにお尋ねくださいね。
関連する記事
最近の投稿
- 対面式キッチンが主流になった時期と理由は 2024年12月11日
- 「カバとサクラ」~なぜカバがサクラと呼ばれるのか~ 2024年12月9日
- 【吉祥寺店臨時休業のお知らせ】 2024年12月7日
- 環孔材・散孔材の違いとは 2024年12月6日
- ラウンドテーブルのサイズ選びの正解は? 2024年12月4日
- 作業しやすい無垢材デスクのサイズとは? 2024年12月2日
- 現代のキッチン事情はどう変わった? 2024年11月30日
- ソファ選びはクッションの内部材を知ることから始める 2024年11月28日
- 後悔しないオーダー家具の選び方 2024年11月26日
- ダイニングテーブルを選ぶ際の「5つ」のポイント 2024年11月24日
カテゴリー
- 家具の選び方・置き方 (1,573)
- インテリア&住宅情報 (639)
- 人と木と文化 (397)
- ニュース&インフォメーション (441)
- オーダーキッチン関連 (406)
- 一枚板関連 (635)
- オーダー収納関連 (616)