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「仏壇」を取り入れる際に知っておきたいこと

2018.11.28

故人をしのび、その位牌を安置する場所としての役割がある「仏壇」。

その意義や役割から、手配の段取りや置き方ひとつまで、いわゆる「伝統的なしきたり・作法」などが(本来は)存在します。

その大きさの程度はあれ、住まいの空間の一角を確実に占めるもの=家具の一種として見た場合、一般のそれとは異なる性質を持つ仏壇。

今回はその仏壇についてのあれこれをご紹介します。

 

そもそも仏壇とは?


 

「仏壇」の本来の意味は、文字どおり、「仏像や仏具を飾り、仏様を祀る台」のことを指します。

もともとは寺院に置いてある仏壇(内陣)を小型にして、厨子と一体化して箱型にしたものが家庭の仏壇の始まりであり、仏壇は「家の中のお寺のような存在」であると考えられています。

そんな仏壇は江戸時代に庶民の間に広まり、普及しました。

しかし、最近は核家族化が進むにつれ、仏壇が無い住まいも珍しくなくなってきています。

両親が住んでいた家を子供が使わない、家そのものが一代かぎりという考えが増えてきたことで代々受け継ぐようなものが少なくなっていることもその要因のひとつのようです。

 

仏壇を購入する意味


 

自宅に仏壇を置いて祀ることには様々な意味があります。

仏壇に向かって亡くなった親族をしのぶことは、例えば家族の心の悲しみを癒すことにもつながり、アメリカで発達したグリーフケア(遺族を失った悲しみを癒すこと)も、日本の仏壇の風習を参考にしたと言われています。

核家族化の時代だからこそ、仏壇をとおして家族のつながりを確認し、家族への思いやりを強めていくことができるという考え方もあります。

また、仏壇の存在がお子様の心の教育にも繋がる、という向きもあるようです。

家族が仏壇にお祈りする姿は、家族への信頼や、他人に対する慈愛の心を育て、目に見えないものの価値を考える姿勢を育てる、またはご先祖様や祖父・祖母・親族や親戚のことを学ぶためのきっかけにもなるという考え方です。

 

仏壇はいつ住まいに入れるべきか?


 

仏壇の根本の意味は「仏様を祀る」ことなので、仏壇はいつ住まいに取り入れても問題はありません。

位牌が無い状態で仏壇だけを置くのも「有り」です。

実際、仏壇の中に位牌を置かない宗派も存在します。

仏壇は「家庭内のお寺」と言われるように、本尊をまつり、朝夕おまいりするものとされていることから、個人を祀るということよりも信仰や帰依の対象として考えても良いのです。

 

とはいえ、基本的には仏壇を住まいに取り入れるのは、身内に不幸があった際など必要に迫られた時が多いでしょう。

基本的には四十九日の法要の後、位牌が本位牌になるので、この時までに仏壇を用意するのが良いとされています。

経済的な都合で、お墓と仏壇を一緒に用意できない場合は、仏壇を先に買う方がベターです。

故人の位牌を置いた仏壇の方が、お墓よりも日常的に接するもの、という理由によります。

年忌法要も一つの機会であり、「年忌供養」と「仏壇の開眼供養(魂入れ)」を一度に行うこともできます。

尚、亡くなった人がいないのに、仏壇を購入すると不幸が起こるとか、閏年に仏壇を購入してはいけない、と昔は言われていたこともありますが、これはまったく根拠のない迷信とのことです。

 

仏壇の置き方


 

仏壇は当然、それを置く「場所」が決まっていなければいけません。

 

仏壇そのものの保存を考えると「直射日光が当たらない」「湿気が少ない」場所で、「冷暖房の風が直接あたらない」場所がよいでしょう。

直射日光や湿気、冷暖房の風は仏壇を傷めます。

床の間や押入れの上部、整理タンスの上、キャビネットや収納棚などの上に置くのは問題ありません。

また、仏壇の上に何も置かないようにするというのは気を付けなければいけないポイントです。

もうひとつ、気をつけることは、仏壇の「高さ」。

座っておまいりするとき、本尊の位置が目より少し上になるようにレイアウトする。

立っておまいりするときは、本尊が胸よりも少し上くらいの位置になるように。

いわゆる自然な目線と姿勢を保つことができる位置が良い、ということですね。  

 

昔から仏壇を置くのに適切な向きには諸説あります。

基本的には、仏教では「十方どの方角にも仏はいる」とされているので、方角に吉凶はありません。

ですが、いわゆる枕の位置と同様で一般的には北向きは避けて置くことが多いようです。

住まいのなかで、落ち着いて礼拝でき、家族が毎日おまいりしやすい場所が一番適しているとされています。

家族が集まりやすいリビングや居間に家具調の仏壇を置くことも最近は多くなっています。

そして、その配置の向き・場所には以下のような考え方もあります。

 

【南面北座説】

仏壇を南に向け、北を背にして仏壇を安置する考え方。

この向きは風通しもよいので、家のなかで最適な仏壇の安置場所になる。

ここから、仏壇の北向きはよくない、と言われるようになった経緯がある。

 

【本山中心説】

仏壇の前に座って礼拝するとき、拝む延長線上に宗派の総本山がある方向に安置する。

本山によって、住む場所によって、西向きにも東向きにも南向きにもなりうる。

 

【西方浄土説】

西方浄土とは極楽浄土のことで、西方浄土の方向にある西に向かって拝めるように、仏壇を東向きに安置する。

 

どの説をとるかで、仏壇を安置する方向が決まりますが、一方でどこに置いてもどの方向にもなりうるので、仏壇はどの方向に安置してもかまわない、というわけです。

 

処分はどうする?


 

厳密に儀礼に則って処分するのであれば、檀家の寺院などに依頼して「魂抜き」を行ったのち、処分してもらうのが一般的。

この儀礼には基本的に費用が発生し、その金額も高いもので数十万円する場合もあります。

ものがものだけに基本的にどのように考えるかではありますが、仏壇は多くの自治体の扱いで安価な処分が可能です。

あまりこだわらない向きであれば、寺院に依頼するよりもはるかに割安になります。

ただし、引っ越し業者・配送業者はこういったものの処分は断ることが多いので覚えておきましょう。

 

さらにやはり空間を占める場所として気にするべきポイントは「サイズ」です。

特にカタログ表記などから購入を検討する場合には「扉を閉じた時のサイズ」と「扉を開けた際のサイズ」の両方を把握しておかないと、せっかくとりいれた仏壇がその場所に置けない、ということにもなりかねません。

充分に気をつけたいポイントです。

 

いかがでしたか?

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