照明の「取付け」と「位置調整」を知る
2018.8.28
家具蔵では専門である無垢材家具や木の話は勿論、どんな家具をどのようにレイアウトするのがその方の暮らしにとって一番良いのか、
その他の家具や内装、インテリア全般にわたってお客様と密に打合せを行いながらオーダー家具の内容を決めていきます。
いわば住まいの悩みの相談役、といったところですがそんななかでよくお伺いするのが照明関係の話。
待望の新居、せっかくだから照明もこだわりたい!だけどどんなものを選ぶのが良いの?というものが多いのですが、同じくらいに多いのが「照明の位置」についてのお悩みやご質問です。
照明位置と実際の家具配置が合わない悩み
照明計画を細かいところまで詰めることのできる注文住宅やリフォーム、リノベーションとは違い、建売の戸建やマンション、賃貸住宅などはすでに空間の照明計画は決まっています。
例えば一般的なリビングダイニングであれば、照明器具を取り付けるための取付け器具の位置は図面の段階から既に動かないモノになっていたりするのです。
「ダイニングテーブルの中央にペンダントライトを取り付ける」
ことは照明効果を存分に享受するうえでもインテリアの見え方としても常道ですが、取付け器具の位置でそれが叶わない場合も多々あります。
ですが、そんな悩みも少しの手間と準備で簡単に解決できるのです。
まずは取付け器具の種類の違いを見ていきましょう。
照明取付け器具の違い
主に「引掛けシーリング」と「引掛けローゼット」の2種類に分かれます。
大まかな違いはネジ穴の有無となり、シーリングは5kg以下の照明の取付けが可能、ローゼットは5kg?10kgの照明を取付ける時に必要な物となります(耐荷重が10kg程度の場合が殆ど)。
ローゼットはビスで天井と接続するため耐加重が上がるのです。
引掛けシーリングは築年数が古い集合住宅などでは頻繁に見られるもので、リノベーションなどを行う際にはこの部分がそのまま活かされることもあります。
つまり、照明によっては使用できないモノもでてくるので注意が必要です。
築浅のマンションや新しい建築は、ハンガーと呼ばれる取付け金具が付いている(=耐荷重性が高い)ローゼットがあることが殆どですが、
こちらも場合によっては好みの照明が設置できない(もしくは工事が必要になる)ケースもあるため、確認は行った方が良いでしょう。
照明を好みの位置に調整する
取付け器具の種類が分かったらいよいよ照明位置の変更です。
先にこの点をお話したのは、この器具次第で規格が合うもの・合わないものがあったり、専用のアタッチメントを購入した上での取付けが必要になるため。
好みの移動方法が見つかったら必ず取付け器具の確認は行ってください。
手軽な方法としては「ジャンピング」というものがあります。
安価に手軽に行うのであれば「コードフック」や「コードハンガー」という部材を天井に固定し、そこにコードを引っ掛けて場所を変更するものがあります。
価格も安価で1000円以下で手に入り、作業自体も非常に容易。
移動できる範囲が広いなどのメリットがありますが、天井に穴をあける為、賃貸物件では使用することが出来ないという難点があります。
また、石膏ボードに固定する場合は重量のある照明の吊り下げが難しくなるので、事前の下調べが重要となります。
もしくは引掛けシーリングや引掛けローゼットに位置調整用のパーツを固定してコードの位置をずらす方法も人気です。
「ペンダントサポーター」という名称が一般的で、こちらは天井に穴を開けずに使用出来る為、賃貸物件でも使用が可能な点が最大のメリット。
購入先次第で価格は数千円〜15,000円前後ですが、直径で60?75cmと移動域の限度があるのが考慮しなければいけない点でしょうか。
照明の位置を変えるだけでなくいわゆる「多灯吊り(複数の照明を並べて設置)」を行いたい。
そんな方には引掛けシーリングや引掛けローゼットに固定する簡易型のダクトレールがお薦めです。
こちらも天井に穴を開けずに設置できるため、賃貸物件でも使用できることがメリットです。
スポットライトとペンダントライトというような種類の違う照明を向きを変えて設置することも可能ですので、照明による空間の陰影づくりや雰囲気づくりに一役買ってくれます。
ペンダントサポーターと同様の金額ではありますが、より高機能で多用途という点でこちらがお薦めです。
ダクトレールの取付例
思い切って電源や取付位置の移動工事を行ってみるのもひとつ。
一見ハードルが高そうですが、実は工事自体は高くても3万円以下で作業も数時間で終わります。
持ち家の方は一考してみても良いかもしれません。
お気に入りの家具をさらに良く見せるのも、空間をより快適に、上質なものにするのにも照明の役割は大きいもの。
ほんの小さなことではありますが、このことが今までの暮らしを大きく変えるかもしれません。
このコラムがそのきっかけになれば幸いです。
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