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「ことば」を知ると一枚板選びはもっと楽しくなる

2023.5.25

 

 

一枚板にまつわる様々な知識は「ことば」から得ることができる


 

 

「一枚板」はその唯一無二の価値や、独特の存在感が高い人気の理由であり、テーブルとして使用する人も非常に多くなりました。

木が育った「ありのままの姿」がその形状や表情となって表れ、それ自体が高いデザイン性を持っていることは、ダイニングテーブルを「住まいの顔」とするうえでは魅力的に映ります。

これを読んでいる人の中にはダイニングテーブルの買い替えや新規購入に際して無垢材のものを、そして一枚板を検討している人もいることでしょう。

テーブルとして使用する以上はそのサイズを含めた使い勝手を吟味することは必須であり、そのうえで「これだ」という一枚を探すわけです。

その基準はいわゆる「感性」であって良いでしょう。

「これが好きだ」「これが良い」「これが欲しい」という感情は他の何にも勝るものであり、そのように惚れ込んでもらえて買われていくなら一枚板も幸せというものです。

どのようなものでもそうですが、その選定に少しの「知識」が加わると、買い物はより楽しくなります。

その価値を知ることで満足度は上がり、価格の理由を知ることができれば納得度も増すものです。

そして一枚板にまつわる様々な知識は「ことば」から得ることができます。

 

「ことば」を知ることで一枚板選びはより深く、楽しくなる


 

 

一枚板にまつわる様々な「ことば」。

それは「専門用語」とも言い換えることができます。

他の場面では使用しないような、まさしく専門的な知識を用いた言葉であり、それを知ることで一枚板選びの際には特に販売店のスタッフの話もスムーズに理解できるようになるでしょう。

知らなければいけないというものでは決してなく、もし販売店のスタッフから知らない言葉が出てきたらそれはどういった意味かを遠慮なく聞いてほしいのですが、それを知っていることで検討の際の基準が生まれたり、もしくはなぜそれが気に入ったかを誰かに伝えやすくなります。

「ことば」を知ることで一枚板選びはより深く、楽しくなるのです。

 

「板目」


 

 

一枚板にまつわる「ことば」を知ることは「木」と「木材」そして「木工」にまつわる様々な用語を知ることにもなります。

家具販売店や一枚板専門店で「板目1枚」という表記を目にすることがあります。

この「板目」とは板の中央部分に現れる山なりの模様のことです。

原木を上から見た状態で水平に挽くと年輪が平行ではなく山形の木目が現れ、これを板目といいます。

板の木目が、平行に通らず、山形や不規則な波形をしているものもあり、それぞれに特徴的な表情が出ます。

一枚板天板は中央に板目が配されているのがその見分け方の特徴で、1枚1枚の個性が非常に強く表れます。

板目の「板」の字は「木偏に反る」と書きます。

つまり、乾燥の期間で割れが入りやすく、残すことが難しい部分であり、それも一枚板天板の希少性を物語ります。

この板目には一つとして同じ模様の物はなく、その表情はじつに様々です。

その木の成長過程まで垣間見えることができる部分であり、穏やかな環境で育った「通直(つうちょく)」に育った木からはスーッと上に伸びるような板目が生まれます。

一方で風雪が激しく、他にも背の高い大木が多く生育しているところにあった木は、風や雪の影響で幹の形状に影響が出たり、太陽のある方角に延びようとしていた痕跡が、板目の複雑さや波を打ったようなゆらぎの表情に現れます。

この板目の成り立ちを見るだけでも、その木がどのように育ってきたのかを想像することもできるのです。

 

「耳」


 

 

枚板天板を検討していると頻繁に「耳」「自然耳」という表現を目の当たりにします。

人の耳と同じ呼び方をする、この「耳」とは、切株を上から見た時でいうと一番外周の部分です。

テーブルになった際には「長手側(長方形の長い辺)」の側面にあたる部分であり、一枚板テーブルの全体のデザイン性を左右するものです。

この耳の形状もやはりひとつとして同じ形のものは存在しません。

板目同様に木の成長過程がデザインとなって表れることを楽しめる部分であり、その形状が穏やかなもの=真っ直ぐに近いものなのか、あるいはうねりが激しくそのおおらかなカーブを描くものとなっているのか、どちらが好みかはまさしくその人の感性次第です。

もし穏やかな形状の耳と強いカーブや凹凸がある耳のどちらかで迷うとすれば、あくまでテーブルとして考えた場合、真っ直ぐに近いもの方が使い易く、合わせる空間もより幅広いものとなります。

「汎用性」という意味では前者がお勧めであり、まさに自然美ともいえる「ゆらぎ」がある形状自体はしっかりと楽しむことができるので、見て、触れて、癒されるという、無垢材一枚板テーブルの醍醐味は享受できます。

 

「白太」


 

無垢材家具 ウォールナット 一枚板

 

白太は耳の部分の色合いが中央に比べて白っぽくなっている箇所のことを指します。

木の外周部分、樹皮の内側であり、樹皮の下にほとんどどのような樹種でもこの色合いの白い箇所があります。

この白太部分は主に地面から養分を吸い上げて、枝葉に行きわたらせる役目を担っています。

そのため栄養素が中央部分に比べてあり、それゆえに虫害にあうことも多い場所です。

白太部分がしっかりと残らないこともしばしば出てきます。

一枚板天板選びにおいてこの白太がどの程度残っているかはじつはあまり影響は有りませんが、特にウォールナットやチェリーのような色味の強い樹種ではその色合いのコントラストを楽しむことができ、耳とともに一枚板におけるアイコニックな部分となっています。

 

「木目」と「杢」


 

 

木目とは天板面の表情であり、主に年輪(成長輪)が表面に現れて模様に見えることを木目と言います。

さらに、木が成長する過程で旋回しながら育つことで、木の繊維が交差したことで光の反射によって見えるサペリのリボン杢。

丸太の中心から放射線状に発達した放射組織が表面に現れた時に見えるナラ材のトラフ杢。

幹が二方向に分かれる付け根の部分に現れるサバ杢。

こういった「杢」「〇〇杢」と称されるのは、年輪(成長輪)に限らず、その木の生き方が模様として現れ、それを見る私たちを楽しませてくれるものです。

木目や杢は、この樹がどんな生き方をしてきたのかを想像する手がかりとも言えます。

一枚板と出会ったら、この木目や杢、表情を手掛かりにその樹の立ち姿を思い浮かべる。

そうしてその木がこの一枚板になるまでの悠久の時間に思いを馳せることはきっと豊かな時間となるはずです。

 

 

木の年齢として100年以上を経過しないと生まれない一枚板は、沢山の数が世の中にあるものではありません。

その年月は木の価値を更に高めるものとなり、そこで生まれた表情・形状とその由来を知ることで暮らしを一緒に歩むパートナーともなりえます。

家具蔵ではそれぞれのストーリー性をも感じられるよう世界中から選りすぐった銘木の一枚板が多数展示してあります。

それぞれの天板から感じられる背景をお話しながら、皆様との良い出会いのお手伝いをしております。

 

家具蔵各店で扱う一枚板のラインナップはこちらから

 

 

 

 

 

 


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