無垢材家具はオイル仕上げでないと良くない?
2023.3.14
無垢材家具にはオイル仕上げが最適か
無垢材で製作する家具にはいわゆる「仕上げ塗装」が必要です。
空気中の湿気あるいは実生活の中で出てくる汚れや水分から、木を保護する目的の為に必要なものです。
この家具の仕上げにはいくつかの種類があり、その仕上げ方によって見た目の風合いや普段の手入れの方法も変わってきます。
自然素材である無垢材には同じく自然素材を原料(植物由来)とする「オイル塗装」が一番適していると考える人も多いのではないでしょうか。
確かにオイル仕上げ=オイルフィニッシュを施した無垢材家具は本来の質感や風合いが色濃く残り、その手触りの良さなど魅力的な面も多々あります。
ですが、家具の仕上げにはそれぞれ一長一短があり、どの様な仕上げ塗装を選択するかは自身のライフスタイルを考えながら選ぶことが一番大切です。
その為に必要な事は、それぞれの家具仕上げの特徴をしっかりと把握しておくことと言えます。
オイル塗装(オイルフィニッシュ)とはどんなものか
植物性のオイルを使用した塗料を家具本体に染み込ませる塗装方法であり、ある意味では一番簡易的な仕上げ塗装とも言えます。
油分を木の内部に浸透させ、湿度を保たせると同時に表面に水分が付着しても弾く効果を与えます。
木部表面に塗膜が発生しないことで直に手で触った際にダイレクトに木肌感を感じることができ、無垢材本来の質感を存分に楽しむことが出来る塗装方法です。
しかし油分というものは揮発性であり、徐々に乾いてきます。
同時に水分を弾く効果も失っていくことから定期的にオイルを塗り足す必要はあります。
これをやらないとその家具が使えなくなる、ということはありませんが「保湿」の役目を果たすことから乾燥による変形や塗膜が無いことによる汚れの付着なども発生しやすくなります。
一方で定期的なメンテナンスを行うことで美しい状態を保ち続けることは可能で、使用上避けることができない傷やヘコみも「サンドペーパーを用いて表面を研磨し→オイルを塗り直す」ことによって自宅に居ながらして修繕することが可能です。
一般の人でも比較的簡単に取り扱うことは可能で、自然素材の手触りや生活の味を出したい、あるいは自身でメンテナンスを楽しみたいという人には最適な塗装方法です。
オイル以外の塗装はどのようなものがあるか
オイル仕上げの無垢材家具を使う上で、それを自身で除去できるとしても、汚れの付着は必ずありえます。
オイル仕上げの家具は汚れなども研磨からのオイル再塗布で除去できますが、汚れが付くたびにその作業を行うのはなかなか骨が折れる作業です。
ダイニングテーブルなどは食事の場であり、そこに汚れが付いたままでは…という人もいるでしょう。
そのうえで定期的な手入れが欠かせないことに対して二の足を踏む人もいるはずです。
そこで他の仕上げ塗装を選択するという方法もあります。
オイル塗装と対をなす、一般的な無垢材家具の塗装では「ウレタン塗装(ウレタンクリアフィニッシュ)」がもっともメジャーと言えます。
正式にはポリウレタン樹脂塗装と呼ばれ、分かりやすく言うとプラスチック系の樹脂で家具をコーティングする塗装方法です。
このウレタン塗装の一番の特徴が水や汚れに強く、水拭きも問題にしないことで衛生的に家具を使用できる点です。
また、自身で行うには手間に感じることもある日々のメンテナンスが不要(というか設備が無いと再塗布ができない)という点も同様に特徴として挙げることができます。
長期の使用において塗装自体に劣化が生じることによる専門的な再塗布が必要な点は自宅でそれを行うことができるオイル塗装とは異なる点ですが仮に液体を大量にこぼしたとしても拭き掃除で原状復帰ができることは大きなメリットです。
家具はあくまで日常使いの道具であり、日々のメンテナンスの簡易性や衛生面を最大限に考慮するならウレタン塗装がお勧めです。
他にもUV(ウルトラバイオレット)塗装はつまり紫外線を照射させて硬化させる塗装方法であり、非常に硬い塗膜を短時間で作ることができるので浴槽やキッチンなどにも用いられます。
女性に人気のジェルネイルも原理は同じで紫外線を当てる事で硬化をさせます。
しかし鏡面のような仕上がりになるので無垢材の質感を活かすことは難しい塗装方法です。
ラッカー塗装は有機溶剤の揮発性を利用して硬化させる塗装方法です。
乾燥期間が短くすむ事が特徴で、比較的取り扱いやすいためDIYの仕上げ塗装やプラモデルの塗装にも用いられます。
スプレー式のラッカー塗装は初心者でも取り扱いやすく、ホームセンターなどでも入手がしやすい塗料です。
しかし耐久性は低く、水や熱にも強くありません。
そのため実用性のある家具には不向きな塗装方法でもあります。
生活の中で「求めるもの」で塗装方法を選ぶ
せっかくの無垢材を使った家具ですから、その美しさをひきたたせるためにも塗装方法についてしっかりとした知識を持って選びたいものです。
同時にその中でも自分たちが重視するポイントを認識しておくことの重要です。
DIYも身近になり、自身で刷毛やスプレーで木材に塗装をすることに抵抗が少なくなっている人も多くなっています。
ですが、一つだけ言えることは簡単に塗ることが出来る塗装方法は耐久性も低いものです。
その為に定期的に塗り直しをすることが求められます。
また、メンテナンスに割く時間を捻出できるかどうか。
場合によってはある程度見た目も許容して使うことが出来るかどうかも自然塗装には必要かもしれません。
汚れや染みを気にするようでしたらウレタン塗装が最適です。
ともすれば自然素材には自然な塗料をと思いがちですが、やはり実生活の中である程度気兼ねなく使用することが長く愛着を持って使うことができる理由ともなります。
何が自分たちに合っているかが分からない時は家具販売店のスタッフに聞いてみましょう。
皆様にとって最適な塗装方法についてしっかりとアドバイスをしてくれます。
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