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「曲線」「直線」の感じ方とインテリアのトレンド

2022.11.28

 

 

モノが持つ形状の心理的な側面


 

 

人はモノや人間を含めた動物を見た際に感じる印象として、最初に脳に入る情報、つまり視覚を通じてその印象がもっとも強く残ります。

その後、その対象となるものを深く知ることで最終的な印象は変わる可能性は秘めていますが、第一印象、いわゆる「ファーストインプレッション」には、やはり視覚が大きく影響することになります。

モノに対しての視覚を通しての印象はまず色・そして形状、最後に素材感の順番で形作られます。

色にはそれぞれ心理的効果があることは多くの人が知るところではありますが、形状については意外と知られていないかもしれません。

いわゆる「直線」「曲線」には大きな印象の違いがあります。

例えば、よく耳にする「ゆるキャラ」は、全体的に曲線のデザインが多く、直線的なモチーフにしているものは、ほとんどありません。

これは、心理的な印象として、人は、曲線や曲面にもつイメージが「優しい」「かわいい」「安心」といったキーワードに属することを既に頭の中になるからです。

子供に人気のキャラクターである「アンパンマン」しかり「ドラえもん」しかりです。

つまり、そのモノが持つ形状が、心理的な側面に大きな影響を持つことの証左でもあります。

 

 

日本の直線美・西洋の曲線美


 

 

構造物、とりわけ建築に目を移すと西洋と日本における違いは興味深いものがあります。

西洋の建築では曲線を多用します。

日本では水平、垂直などの直線美が外観にも内部でも使われることに大きな違いがあり、例えば神社の鳥居は水平に2本、垂直に2本の直線を使っています。

デザイン的に見ればごくごくシンプルな形状なものですが、そこに私たちは俗世と異界の結界を感じます。

その感性もまた日本人ならではのものといえます。

日本人はかねてより「静寂」「畏敬」「厳か」といった要素を古くから重んじる民族であったことも影響しています。

日本の伝統建築が低い水平・垂直ラインを大事にしていることは私たちの日本人の無意識下に安定感や安心感をもたらしています。

使用する素材の違い、西洋ではアーチ加工などが容易な石材を多用するのに比べて日本で重用される木材は直線的な加工となりやすいこともあるでしょう。

それを縦、横に組み合わせる手法が定着したことは精神面における影響も大きいかもしれません。

 

インテリアに関連するもので表現する「直線」「曲線」


 

直線と曲線で人が受ける印象は、インテリアに関連するワードで分類すると以下のように分類されます。

直線…モダン・都会的(アーバン)・和モダン・重厚な・落ち着いた・シック・洗礼された

曲線…クラシカル・ナチュラル・北欧・南欧・西洋・流動的な・リズミカル

これを端的にまとめると「曲線は、温かさを感じられる北欧インテリア系統に多い(向いている)」「直線は、クールさを感じられるモダンインテリアに多い(向いている)」となります。

曲線と直線は、インテリアのテイストの方向性を決める上では不可欠な要素です。

 

 

最近のトレンド「ミックススタイル」という考え方


 

 

大本営発表的な大手マスコミからの情報を基にしたある種画一的な「理想の暮らし方」も、その情報源が多様化したことで人々の暮らしには多様性が出てきました。

それと同じように、住まいや暮らしにもテイストの多様性が出てくるようになっています。

代表的なものとしては「ミックステイスト」があります。

モダン、北欧、ナチュラルといったテイストは依然として人気はあるものの、例えばモダンデザインに北欧インテリアスタイルをミックスさせるようなインテリアコーディネートも人気です。

ミックススタイルはひとつのスタイルだけで仕上げた空間ではなく、2つ以上のテイスト(ミックステイスト)を取り入れた手法です。

ミックステイストは他にはない「個性」を打ち出すことが出来るのが魅力です。

ただし、全体のバランスを考えながらコーディネートをしなければ、逆にいわゆる「寄せ集め感」が出てしまい、美しく洗練された空間とは程遠い雰囲気になってしまいます。

異なるスタイルを取り入れても、すっきりとしたモダンデザインや、質感の違うインテリアをバランス良くミックスさせることで、ワンランク上の上質な雰囲気を作ることができます。

これを成功させるには、組み合わせるスタイルを予め2つほど決めておくと良いでしょう。

 

効果的なミックススタイルの作り方


 

 

●直線と曲線をモチーフにした家具やインテリアを取り入れる

直線的なデザインだけでなく、曲線的なフォルムも一緒に取り入れることで空間にやわらかさや表情をプラスできます。

●カラーの取り入れ方

たくさん色を使用すると落ち着かない空間になってしまいます。

落ち着いたトーンの色調を基調色として、そのために取り入れたい色合い(あるいはその系統)を3つまで絞って取り入れるようにしましょう。

3つのうちの1つは、アクセントカラーで原色に近い色合いを入れることでインテリアに強弱が生まれ、リズミカルな空間にすることが出来ます。

●異素材を組み合わせる

デザインやフォルムのミックスと同じくらいに面白く、同時に難しい要素かもしれません。

レザー、天然素材、木材、無機質素材の素材をバランスよく使いましょう。

レザーの上質な質感と、リネンやコットン、ラタンなどの天然素材は、木材や無機質な素材とも相性抜群です。

無機質素材×木材なら、コンクリート、ガラス、金属のなどの冷たさや無骨な質感を、木材のあたたかみが穏やかに空間をまとめてくれます。

木材の家具を合わせるときは、同じ樹種の木材で揃えることがポイントです。

インテリアの検討の際は、単体でのデザインにこだわらず、「どのような空間にしたいか」を明確にしてから選びましょう。

まずは、イメージをしっかり持つことがインテリア選びの第一歩です。

もし自信がなければ、プロに相談するもひとつです。

家具蔵では無料の相談会を随時開催しております。

 

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