無垢材家具を選ぶならどのような木の種類が良いのか
2022.6.28
この数年、社会情勢も手伝って生活スタイルも様変わりし「家の中でいかに快適に過ごせるか」という考え方が広く浸透してきました。
これまで交通機関を利用して通勤や通学をしていた人も、在宅ワークや自宅学習という新たな生活スタイルを営むなか、自宅で過ごすことも多くなっています。
家での過ごし方を考え、そのために室内のレイアウトや家具の買替、あるいはリフォームなどの改造を行う人もいることでしょう。
その中でもダイニングやリビングをより快適な場所とするために今まで使用していた家具の見直し、新規の家具の買い替えを考える人が増えています。
その際に「長く使えて」「木の風合いを楽しみながら」「毎日を快適に」過ごしたいという人は、いわゆる「木の家具」を検討している人も多くいます
その中でも本物の木を使った家具=無垢材家具の導入を考える人がじつに増えてきました。
無垢材とは、その名のとおり、無垢の木、つまり、木のそのもののことを指します。
木には「針葉樹」と「広葉樹」という2種が存在する
無垢材家具に使用される木材には、大きく分けて「針葉樹」と「広葉樹」が存在します。
どちらも同じ木材です。
とはいえ、針葉樹・広葉樹にはそれぞれに特徴があります。
無垢材家具を検討する上での基礎知識として押さえておきたいのが、このように木材には大きく分けて針葉樹と広葉樹の2種類があることです。
針葉樹とは
針葉樹は幹が地面方真っすぐに伸びており、先の尖った針のような形の葉を持っています。
代表的なものとしては、スギ・ヒノキ・カラマツ・アカマツ・クロマツが挙げられます。
針葉樹は軽量で柔らかい点が特徴で、比較的加工しやすい木材です。
そのため肌触りが滑らかで、家具にした際には特に暖かみを感じやすいのが魅力です。
広葉樹とは
広葉樹は、幹が太く変則的に枝が広がっており、広く扁平な形をした葉を持っています。
代表的な広葉樹の木材には、チェリー・チーク・ナラ(オーク)・ウォールナット・ケヤキ(欅)・トチノキ(栃の木)が挙げられます。
重量があり硬い点が特徴で、家具にすると耐久性や強度があり傷がつきにくい点が魅力です。
日本における針葉樹と広葉樹が国土に占める割合
世界的にみても日本は、面積の多くを森林が占めており、実に国土の60%以上が森林です。
人口密度の高い地域に住んでいるとピンとこない人もいるかもしれませんが、日本は、森林に囲まれた自然豊かな国です。
日本以外に森林が多い国としては、北欧家具で有名なフィンランドやスウェーデンが挙げられます。
北欧の家具やインテリアは無垢の木材を使用しているものが多く、暖かみがあり北欧人の生活を彩るための工夫が現れている家具です。
また、ここ日本でも北欧風の家具が人気を集めており、北欧の家具を選んだり、北欧のインテリアを参考にする方が増えています。
さらにフィンランドやスウェーデン、あるいはデンマークやノルウェーといった幸福度の高さで有名な北欧地域では、「ヒュッゲ」という考え方があります。
こうして見てみると、森林が多くある国は、この貴重な資源を活用し、家具づくりが盛んなところが多いことが分かります。
サステナブル社会が唱えられている今、使い捨てからできるだけ長く使えるものを選ぶ志向が高まっています。
家具蔵の無垢材家具は広葉樹材で作られる
家具蔵の家具づくりは、広葉樹を用いた家具づくりをしています。
家具は、人が毎日使う道具です。
道具である以上は、耐久性は重要視すべきことであり、また木組みという製法を行ううえでも硬くしっかりした材でなければできません。
広葉樹の構造は複雑で、細胞の種類が多く、それぞれの細胞の機能も独立化しています。
水分を通す管となる「導管」をもち、自重のある木そのものを支えるのは主に「木部繊維」によるものです。
また、養分の貯蔵機能をもつ「柔組織」も発達しているため、これが木目の表情を豊かにする根源になっています。
一方で、針葉樹の細胞組織は、まるでストローを束ねたような「仮導管」を主にしていて90%以上を占めています。
仮道管とは、水を根から樹幹を通して葉へ送る通路のことで、また木そのものを支える役割も担っています。
その為、細胞の構成は非常に単純で、配列は整然としているため木目も明瞭になるのです。
この木を構成する細胞と細胞の間に無数の空気を通す穴が空いており、針葉樹には細胞の密度が低いために穴が多く軽く柔らかで、広葉樹の大半は細胞密度が高い為、穴が少なく重く硬いのです。
そのことを裏付けるように、英語では針葉樹を「Softwood」、広葉樹を「Hardwood」と呼びます。
名前が硬さに着目しているほど、両者の違いは明確なのです。
針葉樹と広葉樹のどちらが優れているという訳ではなく、どちらにも適性があり、針葉樹はどちらかといえば建材などで多く使用される材料です。
対して広葉樹は強度があるので重量のあるものを収める可能性のある収納家具や長期に渡って使用することになり、そのなかで傷などがつく可能性も高い(つまり傷がつきにくいものが良い)ダイニングテーブルにも向いています。
そして、中身の組織の密度の濃い広葉樹は揺れにも強いので、ソファや椅子のフレームに最適です。
長く使用できる一生ものの家具を持つことは、お気に入りのものが常に傍にあるという小さいながらも確かな幸せを享受できることであり、広い意味でエコを推進することにもなります。
そのような家具をつくるために、私ども家具蔵は広葉樹材で家具を作り続けているのです。
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