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ダイニングテーブルの奥行には何故80センチ~90センチが多いのか?

2021.10.30

 

 

集いの場」が生む、生きたコミュニケーション


 

 

個人の集合体の単位は「夫婦」「友人」「グループ」など様々ですが、そこに「集いの場」が必要であるということは、そのどれにも共通した事項です。

「集いの場」があって初めて生きたコミュニケーションが生まれます。

それは同じく人の集合体の単位でもあり、その出発点とも言える「家族」においても同様です。

 

 

リビングダイニングという概念の普及はいつから?


 

 

家族のコミュニケーションの場は何と言っても「住まい」です。

そしてその中心地となるのが、家族全員が利用し、顔を合わせるリビングダイニングでしょう。

リビングダイニングの普及は1990年代からといわれています。

1950年代~60年代にかけて普及した公営住宅や公団住宅といった集合住宅のモデルは、民間企業によるアパートや分譲住宅・マンションという住まいのスタイルの発展にも貢献しました。

そこではまだ「○DK」という「ダイニングキッチン」+「各部屋」というスタイルが主流でした。

皆が寛ぐ、あるいは来客をもてなす「居間」あるいは「応接室」の役割を持つ空間はダイニングキッチンとは仕切られているのが通常でした。

幅広い層に「より豊かな」住環境が提供されるようになるにつれて、従来のダイニングキッチンに居間、つまりリビングの機能が付加された「LDK」が登場し、現代に至ります。

広さに限りがある、ペンシルハウスといわれる狭小住宅やマンションといったスタイルの多い日本の住空間。

キッチン・ダイニング・リビングが一体となっていることの普及は好都合であったともいえます。

 

リビングダイニングの「中心」はダイニングテーブルに


 

 

家族が顔を揃える食卓と居間、双方の役割を兼ねた空間であるリビングダイニング。

そこではさらに「その空間のどこで主に過ごすのか」ということも住まいづくりのテーマとなってきます。

リビングスペースのソファでゆったり?

あるいは床に座って?

それよりもダイニングスペースで互いの顔を向い合せて会話を楽しむ、あるいは個々の趣味や作業を行うことのできるダイニングテーブルで過ごす時間が多い、という人が増えています。

特に現代では家族全員がテレビを囲み皆で一つのコンテンツを楽しむ、という時代ではありません。

タブレットやスマートフォンの普及もあり、映像作品を楽しむにしても同じ時間にそれぞれが好きなものを楽しむことができる時代です。

在宅時間の増加はそういった時間が増えることにつながっており、テレワークをダイニングテーブルで行う人も多いでしょう。

そうなるとその「中心」であるダイニングテーブルの選定にも変化が出てきます。

 

「大型化」がスタンダードになってきたダイニングテーブル


 

 

結論から言うと、ダイニングテーブルには確実に「大型化」の波が来ています。

一般的に、いわゆる4人掛けのテーブルのサイズは幅135センチ前後です。

これは着座の際に人ひとりが確保しておきたいスペース、という考え方からは理に適ったものであり、リビングダイニングのスタイルが普及する前の「ダイニングキッチン」に置くテーブルとしては問題の無いサイズでした。

しかし食事をするだけでなく様々なことを行う場となっているダイニングテーブルとして考えると、このサイズではテーブル内での「互いが居心地良い距離を確保できる空間」にゆとりがありません。

結果としてそれよりも大きいサイズを求める傾向は強くなります。

幅150センチのものはもはや最低限のサイズ感となり、幅165センチや180センチといったサイズもスタンダードとして見られるようになってきました。

 

 

奥行80センチは互いが不快にならない距離感


 

 

人には感覚的に「他者に侵入されると不快に感じる距離感」が存在すると言われます。

「心理的な縄張り」とも言えるこの距離は、たとえ家族という一番親密な関係性であっても不変なものです。

それは自身の左右においても、対面にも存在します。

対面している者との距離があまりに近いと圧迫感を感じやすく、その場の快適性は損なわれます。

また、テーブルは食事をする場所ですから、食事の際に「必要なスペース」というものも大事でしょう。

一人分の食事に要する奥行スペースは最低40 センチと言われます。

その40センチを2つ合わせると80 センチとなります。

また、そこにゆとりを持たせ、食器が置きやすいなどの理由も鑑みると今回のテーマである「テーブルの奥行はなぜ80~90センチが多いのか」という理由の一つとなるのです。

 

「黄金比」から考えると美しい長方形


 

 

また、モノの形には「黄金比」という人類が最も美しいと感じる比率が存在します。

それは長方形のテーブルの場合であれば「長方形として美しいもの」と言い換えることができます。

例えば幅150センチのテーブルであれば、その奥行で一番美しいのは85~90センチです。

見て美しいと感じることは常に目に触れるものでもあるテーブルという存在においては重要なことです。

そうした理由も「テーブルの奥行には80~90 センチが多い」という理由のひとつとなります。

 

だから「オーダーテーブル」という選択肢


 

 

とはいえ、壁や窓といった空間に対して、配置したテーブルとの間に十分な距離感が無いと椅子の出し引きや周囲の回遊が困難になることがあります。

ですが、それはテーブルの奥行を小さくすることで解消できることもあります。

既製品ではそれに応じてテーブルの幅も小さくなるので形状は美しくなるかもしれませんが、空間全体での見え方のバランスや、何よりもゆとりをもった使い勝手に影響してきます。

奥行は多少狭くしても幅は確保したい、そんな時は「オーダーテーブル」の出番です。

私たち家具蔵の無垢材テーブルは受注生産です。

ですからサイズも自由にお選びいただくことができます。

熟練の職人が製作する、無着色で仕上げる無垢材のダイニングテーブルは一生物ともいえます。

暮らし方、過ごし方、過ごす人数、集まる人数。

そして空間の広さや形状の美しさも考慮して選ぶダイニングテーブルを一緒に考えてみませんか?

 

家具蔵の無垢材テーブルのある暮らしの事例はこちらから

 

 

 

 

 

 


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