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無垢材チェリーの家具を主役にした空間づくりとは

2020.6.11

家具蔵のお客様の中でも根強い人気を誇るチェリー(アメリカンブラックチェリー)

経年変化で深い赤味が出てくる様子は、無垢材家具を長年愛用する醍醐味を堪能できます。

今回のコラムはチェリーの無垢材家具を空間にレイアウトすると、どのようなメリットがあるかをまとめていきます。

 

 

チェリーとは


主な産地は、アメリカ東部全域(ペンシルバニア、バージニア、ウエストバージニア、ニューヨークの各州)に及びます。

現在、北米大陸には約30品種のサクラ類がありますが、その中でも家具材として最も有名なのがアメリカンブラックチェリーです。

ブラックチェリーの木は高さ15~30mほどにもなるので、森の中で堂々とした雰囲気を漂わせています。

もともとチェリーはアメリカの原住民であったネイティヴ・アメリカンたちにとって家具などの加工用というよりは、食料としての実を重要視したり、樹皮を薬として活用したりと、生活に密着させていた樹であったようです。

その後は、その加工性の良さにより工芸細工に使用され、中でもその手触り感・艶の美しさからパイプ材として世界各国の愛好家から絶賛されている時代もありました。

アメリカの初代大統領であるジョージ・ワシントンの入れ歯にも使われたことがあるようです。

また、ローマに誕生したオーディトリアム音楽公園。

その中にあるヨーロッパ最大級のコンサートホールの内装を彩っているのがアメリカンブラックチェリーです。

設計はパリのポンピドゥーセンターや銀座のメゾンであるエルメスなどを手掛けた世界的な建築家レンゾ・ピアノ。

天井は優美で華麗な曲面でデザインされ、チェリーの光沢のある美しい色合いがホールを華やかに彩っています。

さらに、木片は燻製の時にチップとして使うと、まろやかな味に仕上げることができます。

木には直径1cm程の果実「アメリカンチェリー」が実り、赤から黒く熟し、食用になります。

この種は、日本のヤマザクラなどと同じくバラ科に属しています。

チェリーの属しているバラ科は約100属3000種を超える樹種が含まれています。

そのため、バラ科の植物はほぼ全世界に分布しており、サクラ属だけに限っても亜属や園芸品種が多く、多種多様な樹種がこの中に含まれています。

サクラ属に含まれるウメ、サクランボ、モモ、プラン、アンズなどの果物はさまざまな品種があり、これだけでもかなりの数に上ります。

 

家具材としてのチェリー


製材したばかりの心材は淡い薄桃色をしています。

年月の経過の中で紫外線の影響により、変色するのが特徴です。

最終的には飴色に近い濃い赤褐色になり、その劇的な変化から「使い込むほどに風合いを増す」という無垢材ならではの特性を実感することができます。

無垢材はどの木も経年変化で色味の変化が起こりますが、チェリーは色変わりが鮮やかでわかりやすいので人気があります。

材面は緻密で滑らかな木肌を持ち、磨くだけで美しい光沢を得ることができます。

そのため、触れる度に心地良く、滑らかで温かみを感じられます。

緻密で手触りの良い木肌が気品さを感じさせる一方、自分自身の樹液を詰まらせてしまうという一面もあり、大人っぽさと子供っぽさの両面を持つものとして好感度が増しているのでしょう。

その特徴的な表情として、よく小さな褐色の斑点や筋が見られますが、それは一般的にガムスポットやビスフレックスと呼ばれる樹液が硬質化して木の性質の一部になった現象です。

また、木の表面に濡れ出た樹液に、集まった虫や鳥(特にチェリーの樹液は好まれるようです)が樹液を吸うために付けたキズ跡。

これを樹木が長い成長過程の間に表皮で巻き込み、自己再生した跡であるバークポケットと呼ばれる箇所もよく見受けられます。

これら全ては木の表情であり自然素材の証しなので、流通上は欠点とならないのがチェリーならではのことです。

また、水に強く、家具になった後の耐久性にも優れているため、食卓でも使いやすいです。

材としてのチェリーの魅力の大きな要因としては、独特の階層構造という複雑で細かい構造をなしている事が第一に挙げられます。

有名なさざなみ紋(リップルマーク)と呼ばれる湖の湖面の漣を見ているような立体的で大変美しい表情を見せるなど、世界中の多くの人々を魅了し続けています。

さざなみ紋(リップルマーク)とは生長の過程や気候の変化で起こる縮みにより、独特の紋様が表れる木目の事です。

さざなみ紋の名の通り、穏やかな波紋のような表情が現れて、日の光や照明の光を受けると表情が変わります。

見る時間や角度によって表情の変化を楽しめるので、飽きが来ず、長く愛用することができます。

 

 

我々日本人にとって馴染み深い「サクラの木」なので、温かみや落ち着きを感じられるのでしょう。

無垢材テーブルや無垢材チェアをチェリーにすると、その滑らかな質感から無意識で撫でているとよくお客様が仰います。

また、深い赤味が出てくるので、食欲が増進されたり、目を引くので家族が集まりやすい場所になったりと食卓で使う素材として適しています。

触れて、見て色艶の変化が楽しめる。

そんな素敵なチェリーという素材を主役にした空間にしてみてはいかがでしょうか。

 

チェリーの無垢材家具のある暮らしの事例はこちらから

 

 

 

 

 

 


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