KAGURA OFFICIAL BLOG

国産家具と輸入家具の違い

2021.11.17

 

 

国産家具と輸入家具の違いとはなんでしょうか?

言葉をそのまま解釈すると、日本国内で作られた家具だから国産家具で、日本以外の海外の国々で作られて輸入された家具だから輸入家具、ということになります。

さらに言えば、日本の住空間や私たちの生活スタイルにあった家具を日本国内で作り上げるのが、国産家具といえるでしょう。

しかしながら、現代の物流環境やビジネスモデルの多様化でその垣根がどこにあるのか、一概に日本国内で日本仕様に作られたというだけでは括り切れないケースもあります。

例えば、日本の企業が生産コストの安い海外に工場を建てて、日本の住空間や生活習慣に合わせて家具を製作させた家具たち。

逆に海外の家具メーカーが、日本の工房とライセンス契約を結び、オリジナルのデザインを日本で製作した家具たち。

海外のメーカーが日本市場向けに開発して投入してきた家具たち。

「国産家具か輸入家具か」という言葉の定義だけでは計り知れない、それぞれの家具に込められた想いがあることでしょう。

 

 

 

理想の国産家具


 

 

私たち家具蔵は茨城県常陸大宮市に工場を構え、熟練の日本の職人が家具を手仕上げで製作する、正真正銘の国産家具メーカーです。

そんな私たちが、理想の国産家具を作り上げ提供するために大切にしていることをご紹介します。

 

快適で豊かな生活


 

 

なによりも家具とは、生活の道具として役に立つものでなければなりません。

そして、その家具があることによって快適な生活を送ることができ、心までも豊かになれるものが理想です。

家具づくりの発想に「快適な生活」が出発点であるかどうかで、出来上がるものがまったく違うものになります。

例えば

「日本の一般的な間取りはこれくらいだから、そこに入るテーブルのサイズはこれくらいだろう、じゃあそのテーブルに4脚入れるためには、椅子の幅はこれくらいまでにしなければいけない…」

その発想から導き出され、デザインされたチェアは確かに合理的なものですが、果たして座り心地は?

それよりも

「この空間でチェアに座って心地よく過ごすためにはこれくらいの幅が必要で、リラックスするためには肘置きがあった方が良い。

身体の曲線も考えて、フィットし、体圧を分散させるものにするべきだ。

さらにそのチェアはテーブルの下にしっかりと納めるために、天板の裏に邪魔な補強材を使わなくても良いテーブルを作りたい…」

そんな発想で生まれたテーブルとチェア、使ってみたくなりませんか?

しかし、この段階では国産家具も輸入家具もそこまで関係は無いのかもしれません。

国産家具が日本人の暮らしに良い理由は次にあります。

 

適切なサイズ


 

 

国産家具と輸入家具の違いで、一番気になるのがサイズの違いです。

体格も異なり、室内でも靴を履いて生活をする文化と、室内では素足で生活するスタイルでは、様々なものの床からの高さが変わります。

一番身近な違いは、椅子の座面の高さとテーブルの高さです。

国産家具のチェアの標準的な座面高は410ミリから420ミリなのに対して、輸入家具のそれは450ミリ前後と高くなります。

もちろん、そのチェアに合わせたテーブルの高さも必然的に高くなります。

もしくは、日本と海外(欧米)のアンティーク収納家具を想像してみてください。

アンティーク家具は、猫足と呼ばれるような脚の長い家具が多く残されていて、床と家具の底板との間が離れています。

それに比べて日本の箪笥は「台輪」と呼ばれるような台座の上に乗せられていて、床や畳との距離が近いものが多くあります。

この高さの違いは、汚れへの対応の違いとも言えます。

外から室内に靴のまま入室する場合、床に近い位置の収納(引出)部は汚れを受けるリスクが高まります。

欧米のアンティーク家具は、脚を長くして、床からの高さを大きくとっているのです。

それに比べて、日本の箪笥の台輪は最下段の引出を引き出すための最低限のクリアランスであり、床の不陸(平衡のバラツキ)調整の役目であったり、湿気の影響を直接受けない為の空間であったりと、これらの効果を発揮できる最低限の高さに抑えられているのです。

 

気候にあった材質と仕上げ


 

 

よく、木は呼吸する、と言われることがあります。

実際は呼吸では無く、その優れた調湿効果、つまり「湿気の出入り」のことを指しています。

ここでは、あえて「呼吸」という言葉を使わせていただきますが、家具蔵の家具はその呼吸の量を用途やパーツによって変えています。

例えば、「チェストモデルノ」。

フレームは外からの汚れや温度変化に対応しやすいようにウレタン塗装で呼吸の量を抑え気味にしています。

一方で、引出の内部材には「桐」を使い、収納内部の余分な湿気を吸って衣類や書類など収納品を過度な湿気から守っています。

「ベッドフレームダン」では、壁を伝って降りてくる冷気から頭を守るためのヘッドボードはウレタン塗装を基本に。

湿気がこもりやすいマットレス下にはシナ材のスノコが敷かれていて、湿度をコントロールしてくれています。

 

伝統技法


 

 

日本には古くから伝わる、伝統的で優れた木工技法があります。

その木工技術は代々受け継がれ、時代時代の職人の手によって、家具や家屋などが作られてきました。

伝統的な木工技術のすばらしさは、「木は木で締める」、つまり木組みによって強度が高く、高耐久性もあること。

さらに、後世に良いものを遺せるように修理やメンテナンスも出来るようになっているのです。

このような伝統技法を日本から絶やさないようにすることも、私たち国産家具製造販売メーカーの使命でもあります。

多くのものが使い捨てとなっている現代社会。

そんな時代に長く使い続けることが出来る家具を作ることで、警鐘を鳴らし、ものを大切にする社会づくりに貢献したい、そんな思いを込めて、私たちは家具を作り続けています。

それが、私たち家具蔵が理想とする「国産家具」の在り方なのです。

 

 

家具蔵の無垢材家具作りの詳しい情報はこちらから

 

 

 

 


最近の投稿

カテゴリー

月別アーカイブ

  • [—]2024 (72)
  • [+]2023 (367)
  • [+]2022 (364)
  • [+]2021 (365)
  • [+]2020 (369)
  • [+]2019 (366)
  • [+]2018 (85)
  • [+]2017 (65)
  • [+]2016 (69)
  • [+]2015 (44)
  • [+]2014 (32)
  • [+]2013 (62)
  • [+]2012 (130)
copyright AIDA Co,.Ltd. All Rights Reserved.