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テレビの適正視聴距離とリビングレイアウトの関係とは

2019.9.13

 

家族皆が集まる場所であり、リラックスした時間を過ごす空間となるリビングルーム。

家族で過ごすほか、来客のもてなしなど「家の顔」ともなる場所ですが、その「リビングルームに置くもの」といったら、一番初めに思いつくものは「テレビ」と「ソファ」ではないでしょうか。

そんなリビングのメインエレメントはどのように配置すれば良いのか。

あるひとつの視点から、最適解を見ていきましょう。

テレビの適正視聴距離


みなさんも、小さい頃に

「テレビから離れなさい。目が悪くなるよ」

と家族から注意された経験があるかと思います。

実際のところ、テレビには見ていて疲れにくい「適正視聴距離」というものがあります。

これをもとにレイアウトの最適解を導き出すことが可能なのです。

一般的に、適正視聴距離はテレビの画面高の「3倍」といわれます。

例えば50インチのテレビだと画面高は約623mm。

つまり623×3=「1869mm」必要になるのです。

これを基準にして一般的な6畳スペースに(2550×3400mm)にソファとテレビ台を置いてみると、ちょうどよい距離感になります。

ソファからテレビまでの視聴距離を適正なものにしつつ、快適に過ごすことのできる分かりやすい目安としてはソファとテレビの間に奥行き1400mmのラグマットを敷くことです。

そもそもラグマットは「奥行き1400×横幅2000mm」のサイズが多いため、目安にしやすいインテリアアイテムです。

次に重要になるのが「TVの位置=視聴するときの高さ」になります。

人の目線は自然と水平方向よりも少し下を向いているものです。

テレビを見るときも水平方向より少し下、具体的には10~15度下に画面の中央がくるような目線にすると目が疲れにくいといわれています。

例えば、映画館で前方の席ではスクリーンを見上げるかたちになるので疲れる、という感覚があります。

それよりも後方上部の席、10~15度下に目線を落とすことのほうが楽なはずです。

一般的な目線の高さがだいたい何センチくらいになるかを覚えておき、目線よりも上にテレビの中央がこないように気をつけると、疲れにくい、快適性の高いTV視聴となります。

・座っている時の目線高さ(ソファ座面高約35㎝) ・・・約110㎝

・座っている時の目線高さ(チェア座面高約45㎝) ・・・約120㎝

・座っている時の目線高さ(床に座っている時) ・・・約80㎝

 

リビングレイアウトを考える際に把握しておくこと


空間のゾーニングを行ううえで最も重要になってくることは、「生活動線の確保」です。

生活動線とは日常生活を営むうえでの通り道のことをいい、リビング、ダイニング、バスルーム、テラスなどの間を移動する通り道のことです。

日々使う動線が通りにくいと、やはりストレスを感じやすくなってしまいます。

「リラックスできる空間」とはならず、自然と人が集まる空間にもなりにくいでしょう。

一般的に1人あたりがゆったり通れる生活動線は約600mm、2人すれ違うような機会が多い箇所では900~1200mm必要です。

リビングルームの場合、テラスや庭に出る動線が必要となることも多いでしょう。

また、収納の前にも扉の開閉やその前の通過を考慮すると600~900mmのスペースが必要となります。

つまり、ゾーニングを考える際には生活動線を確保したうえで家具の配置を決めていくことが必要なのです。

次に必要となることが、その空間をどんな人がどのような状況で、どれくらいの期間使用するのか考えることが必要となります。

例えば、家を購入した場合、お子様の誕生や両親との同居と家族が増えることがあるかもしれません。

20年、30年先にどういう家族構成でどういうスタイルで暮らしていくか考える必要があるのです。

また、そのスペースに合わせたサイズの家具やTVなどの機器を選ぶことが必要となります。

 

リビングはテレビを置き、お気に入りのソファを置いて…、とざっくり済ませてしまうことも多いスペース。

そこを人が集まりやすい場所、快適にリラックスして過ごすことができる場所にするためには、ストレスを感じさせることのない距離、動線が必要なのです。

レイアウトを考える機会に、そこのスペースでの過ごし方、20年後や30年後の自身の生活スタイルをイメージしなおしてみるのも良いのではないでしょうか。

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