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日本の暮らしと木の文化の深い関係性とは

2023.8.4

 

 

「日本には“木の文化“がある」

このような言葉をよく耳にします。

現代は鉄やコンクリート、プラスチックなど、いろいろな素材が存在し、その素材そのものも増えていますが、それでも木材の使用、つまり「木の文化」は今なお引き継がれています。

その背景には、日本には森林が豊富にあり、木が身近だったことに加え、石材やレンガ、金属等と違って、木材は軽くて丈夫、加工がしやすい性質を持っていることにも起因します。

さらには、湿度を調整して、断熱性は高く、独特のぬくもりを感じさせる素材であることから、この性質が日本の風土とも上手く適合し、「木の文化」の発展や継続を助けたとも言えます。

実際に古くから伝わる「木の文化」とは、具体的にはどのような木材使用のことを指しているのでしょうか。

 

建築で受け継がれる木の文化とは


 

 

日本の家屋は、昔から「木と土と紙」によって造られてきました。

時代などにより違いはあるものの、伝統的には木材の柱や梁などの骨組みとなる構造を組上げし、これらで荷重を支える「木造軸組み工法」が古来からの建築方法として定着しています。

法隆寺、東大寺等の世界にも知られた木造建築のある日本では、重要文化財に指定された建造物の9割は木造であり、このなかでも国宝に指定された建造物は全て木造になっているほどです。

また世界最古の木造建築物の法隆寺は、ヒノキの木で建てられています。

1300年以上経った今も当時の姿を現代に伝えており、ヒノキの耐久性を長い歴史が証明しています。

仮に鉄やコンクリートで建築すると、耐久性は100年程度ではないかと言われているそうです。

全国各地の寺院の修理・改築を行っている宮大工は「1300年経ってもヒノキを削ればよい香りがするし、使うこともできる」と言います。

また、一般の建築においても、地域に応じて適材適所に木を用いることで、気候や風土、生活習慣に根ざした家屋が造られてきました。

各地に残る古い農家や街には、個性豊かな地域の生活の様子が反映されています。

このような木造家屋は、地域の景観や街並みをつくるシンボルとなっていることも多く、多くの建物が保存や再生等の取組みが行われているようです。

 

日用品や道具としての活用と文化


 

 

日用品や道具にも木材が使われているものはたくさんあります。

毎日の食事に使用する碗や箸、まな板、容器になる樽、桶のほか、机、戸棚等の家具・調度品、各種の手工芸品など多方面に渡り使用されています。

また、伝統的工芸品に指定された品の中にも木工品、漆器等が多く含まれており、各地で昔から生活に根差して製作されてきた実用品に木が使われています。

同時にスポーツ用品や楽器にも木材が使用されています。

バット、ラケット、ゴルフヘッドや太鼓、木琴、管楽器、琴、バイオリン、ピアノなど、木材は様々な道具として活用されています。

こうした製品には、粘り強いアオダモで作られたバッド、材の耐水性を活かしたヒノキ風呂、湿気や熱を通しにくく、寸法に狂いを生じにくい桐箪笥というように、用途に応じて適した樹種が使われています。

また、目的に応じて木目の向きも使い分けています。

例えば、スギ等の針葉樹から造られる桶と樽の違いが挙げられます。

寿司桶の場合には、米飯の余分な水分を吸湿し、使用後も乾きが早いよう、側面の板に柾目が用います。

これに対し樽では、湿気や水分を通しにくくするため、丸太の年輪方向に沿って板にされ、木目が曲線状に現れる板目が用いられます。

このように木を使うだけでなく、使い方にも工夫を凝らしていることがわかります。

 

木材は身近な紙製品にも


 

 

他にも木材の用途としては紙製品への使用があります。

紙は、原料の植物繊維をたたきほぐし、水に分散させたパルプを漉しあげ、乾かして作るもので、中国で発明された製法が世界に広がっていきました。

日本の和紙では、コウゾやミツマタ、ガンピ等の樹皮から漉しあげてつくられるものがあります。

明治以降になると洋紙が盛んに製造されるようになりました。

今日、新聞紙や雑誌をはじめとする印刷・情報用紙、段ボールや紙袋等の包装資材、紙容器、ティッシュペーパーや紙おむつ等の衛星用品など、紙は日常生活に欠かせません。

紙と樹脂を組み合わせることで、プリント配線基板や機械部品に加工されるなど、用途も多岐にわたっています。

このような工夫をするだけではなく、森林から立木を伐採し原材料を生産する際には、太さや形質の点で製材用に向かないものもでてきてしまいます。

こういった資材や製材工場の残材、廃材等がチップ化されてパルプ用材料とされてきました。

また、回収された古紙もパルプ原料とされているほか、近年はパルプ原料の海外への依存も高まっています。

 

 

このように日本で木が活用されている商品は多方面に渡り、「木の文化」と言われる由縁となっています。

細かく分類していくと非常に多くのものに木は活用されており、改めて私たちの日常に木が根付いていることに気付かされます。

家具蔵ではこのような木の文化を継承するためにも、職人が一つ一つ伝統の木造建築の工法を活用し無垢材家具づくりを行っています。

無垢材ならではの木の質感、また木組みを中心とした職人技により一生涯を共にできる家具づくりを目指しています。

家具蔵各店のお近くへお立ち寄りの際は、是非その結晶ともいえる商品をご覧になりに来てください。

 

家具蔵の無垢材家具製作の詳細はこちらから

 

 

 

 


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