KAGURA OFFICIAL BLOG

家具の塗装の種類を知る

2018.4.3

家具を選び、長く使っていくうえで重要なポイントの一つに「塗装の種類」があります。

この塗装によって使い勝手やメンテナンス方法、風合い等が異なることもあり、家具蔵の御客様からも多くのご質問をいただきます。

今回はそんな家具の塗装についてお話していきましょう。

無垢材家具 無垢材チェア ハードメープル

 

塗装の種類


1.ウレタン塗装

正式名称は「ポリウレタン樹脂塗装」といって、

ポリウレタン樹脂に溶剤のエステルを加えた塗装です。

ウレタン塗装の特徴としては

・耐水性・耐久性・耐熱性などに優れている

・傷や汚れ、水濡れなどに強い

・木材特有の反りや割れが起こりにくい

といったところがあげられます。

表面をコーティングしない後述の「オイル塗装」を行うものは、室内の乾燥などにより、割れや反り、といった変形が起こる場合があります。

例えば、エアコンが直接当たる場所に置いていたりすると、室内の急激な乾燥によって変形が起こる可能性がありますが、ウレタン塗装の物は、いわゆるコーティングがされていますので、乾燥などにも強くなり、変形も生じにくくなります。

また、水濡れにも強く「何がこぼれるかわからない」ダイニングテーブルなどの家具ではお手入れの手軽さでこちらを選ぶ方も多くいらっしゃいます。

ただし、長期間の使用のなかで塗装面に傷み等が出てくる事も。

家具蔵では熟練の職人が手仕事でこの塗装を手掛け、長期の使用による傷みが出た際にも再塗装を行う、といったメンテナンスを行います。

無垢材家具は手入れが大変そう…、とお考えの方もその質感とアフターサービスの充実性から安心してお使い頂けるようにしているのです。

 

2.オイル仕上げ

樹脂を含んだ特殊な油分を家具の表面から浸透させ、家具となる材を「中から」保護する塗装です。

特徴としてはなんといっても「本来の質感が活きたナチュラルで美しい仕上がり」で、こちらを推される方も多いのですが、塗膜を張っているわけではないので水濡れなど汚れに対しては弱さがあります。

また、定期的なオイルの塗り直しの必要性(油分は揮発性なので乾いてしまい、反りや割れなどの変形がおこりやすくなります)があり、慣れていない方が行うことで元の仕上がりとは違った表情になってしまうなどの点は考慮しなければいけませんが、多少の傷やへこみであれば自分でメンテナンスができる点や、手を掛けることによって愛着が増す、といった点でこちらを選ばれる方もいらっしゃいます。

お手入れのしやすさや長い目で見た際の美しさ、という点でどちらを選ぶか、というところになります。

無垢材家具 無垢材テーブル 無垢材チェア ウォールナット

 

3.ラッカー塗装

合成樹脂塗料の中で最も古くから使われているもので、ヴィンテージ輸入家具などにも多く使われています。

塗膜は薄く、表面がなめらかで柔らかい光沢があります。

この塗装が採用されている家具の場合、熱・水・薬品に弱いので熱い器や濡れたコップなどを直接置くことは避けた方が賢明です。

テーブルクロスやランチョンマット、コースターを使い、手入れをしながら大切に使えば深みを帯び、味わいのある家具になります。細かい傷は研磨修理ができ、塗り直しも比較的容易です。

ただし、ウレタン塗装よりも塗膜が薄いので、耐水性・耐傷性などの強度に差が出ます。

日光に対してもあまり強いとは言えず、日が良く当たる場所に家具を置くと変色が起こって、見た目や風合いが変わってしまうことも覚えておきたいところです。

 

4.ポリエステル塗装

ポリエステル樹脂を溶材で溶解したものが、ポリエステル樹脂塗料です。

鏡面のような美しいツヤの仕上がりが特徴的で、代表的な商品はピアノの塗装(磨き塗装)。

高価な仕上げとなり、その表情も独特のものとなるので、一部の特殊な家具に使用されます。

ポリエステル塗装の塗膜硬度は非常に高く、研磨をするとフラットな光沢面が得られます。

木の質感は出にくく、一方で「光沢感」や「高級感」を演出したい家具に向いています。

この塗装は塗膜が厚く、直射日光や温度の変化には強い塗装です。

衝撃や傷には弱いことと、厚塗りとなることが多いので、せっかくの木の家具にも関わらず、木目や木肌の質感は残らないことはしっかりと把握しておいた方が良いでしょう。
 

5.UV塗装

UV塗装とは紫外線(Ultra Violet Rays)を照射することによって硬化するUVハードコート塗料を用いて行う焼付け塗装のことです。

熱エネルギーでの強制乾燥や、光エネルギーによる乾燥時間の短縮ではないので、従来の自然乾燥塗装とは全く異なる塗装方法となります。

見た目に鏡のような高級感ある光沢(鏡面仕上)感が生まれるので、ブラックやホワイトなどに着色された家具に使用することが多い塗装です。

ただ、塗膜硬度が硬く、傷が付きにくい反面、修理が非常に難しく、塗り直し修理はできないとされている点(つまりメンテナンス性に欠ける)、特殊な設備でしか塗装が出来ず、コストも掛かるために高級品になってしまうことは知っておきたいポイントです。

 

いかがでしたか?

家具蔵では木の質感や木目の表情を活かしきるために無着色で家具を仕上げますが、塗装についても無料で「ウレタン塗装」と「オイル仕上げ」をお選びいただけるようにしています。

(一部、有料で「漆塗り」仕上げもございます)

また、家具蔵の家具に使用する塗料は、ホルムアルデヒドはもちろんシックハウスの原因とされる物質を一切含んでいません。

健康や環境に配慮されているので、安心してお使いいただけます。

お好みや使い勝手、暮らしの環境によって違う選択ができるようにしたい。

そんな思いからのご案内ですが、自分が使うにはどちらが良いのか、そんなお悩みがあるようであれば店舗やお電話でお気軽にお問合せください。

様々な例を知るスタッフたちが詳しくご案内させて頂きます。

2018040206.jpg

お問い合わせはこちらから

家具蔵各店へのアクセスはこちらから


最近の投稿

カテゴリー

月別アーカイブ

  • [—]2024 (72)
  • [+]2023 (367)
  • [+]2022 (364)
  • [+]2021 (365)
  • [+]2020 (369)
  • [+]2019 (366)
  • [+]2018 (85)
  • [+]2017 (65)
  • [+]2016 (69)
  • [+]2015 (44)
  • [+]2014 (32)
  • [+]2013 (62)
  • [+]2012 (130)
copyright AIDA Co,.Ltd. All Rights Reserved.