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壁紙(クロス)を知る

2018.4.17

以前、このコラムで「内装材の種類を知る」というタイトルで壁紙(クロス)について少し触れました。

多くの住環境で一般的な内装材はクロスであり、そのこともあって多くのご質問をいただきました。

今回はその「壁紙(クロス)」についてもう少し掘り下げてお話をしていきましょう。

 

クロス(壁紙)は布や紙、ビニールなどの素材でできており、壁の保護や部屋の装飾を目的として貼られています。

最近では、消臭や防カビ効果がある高機能なクロスが販売されており、デザインも豊富です。

また、クロスを変えるだけで部屋の雰囲気が一新されるので、リフォーム時に張替えを検討している方も多いことでしょう。

まずは一般的なクロスの種類をご紹介します。

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クロスの種類


1.ビニールクロス

クロスの中でも多用されているのがビニールクロスです。

他の素材に比べ安価で、品質も安定しており、耐久性も高くお掃除がしやすいクロスで、色やデザインが豊富です。

ビニールクロスは、塩化ビニール樹脂などを主な素材とするビニールシートに紙などを裏打ちしたものです。

表面加工の方法によっても分類することができ、たとえば、表面に凸凹のあるエンボス加工や発泡させたもの、プリントを施したものなど多種多様。クロスにさまざまな機能を持たせている商品も多くみられます。

2.織物クロス

織物クロスは、レーヨン、絹、麻などで作られるクロスです。

平織りや綾織、不織布などがあり、ビニールクロスと比べて高級感、重厚感があります。
ホコリを吸着しやすいので、定期的に掃除やメンテナンスが必要です。

ホテルや美術館などパブリックスペースでよく使われます。

3.紙クロス

和紙、ケナフなど非木材紙を原料としたものなどもあります。

紙は音を吸収し、空気を通す素材であり、また環境や健康への配慮がなされている素材として注目されています。

ほとんどが輸入壁紙ですが手すき和紙の紙クロスもあります。

4.その他

紙と珪藻土を混ぜてつくられる「珪藻土壁紙」、金属やガラス繊維が原料の「無機質壁紙」、ポリエチレン・ポリプロピレンなどの合成樹脂を主原料とした「オレフィン」、薄くカットした天然木やコルクなどを紙と張り合わせた「木質系壁紙」、メタリックなクロスなどがあります。

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「機能性」のあるクロスを知る


A.消臭効果があるもの

消臭効果のあるクロスはタバコや気になる生活臭を表面に加工されている消臭剤が、臭気ガスと反応し、吸着させて消臭効果が得られるという仕組みになっています。

もちろん、キッチンや洗面所、トイレ空間にもオススメですが消臭・抗菌効果がありますので家の匂いが気になる場所なら幅広く使用できます。

使用環境にもよりますが、効果が持続するのは10年程度と言われています。

B.防カビ効果があるもの

湿気の多い部屋の場合、クロスにカビが生えてしまうことがあります。

カビは見た目もよくないですが、衛生面においても人体に悪影響を与えるので注意が必要です。

そのため、部屋の湿度が高いようであれば、防カビ処理されたクロスを利用するのがいいでしょう。

防カビに関しては一度張ったクロスにあとからコーティングを施すことも可能になっています。

C.抗菌効果があるもの

衛生的に過ごしたい場合にかかせないのがこの抗菌機能です。
防汚機能と一緒に対応していることが多く、表面に抗菌剤が使用されているのであらゆる菌の増殖を抑制します。

特に小さなお子さんや高齢者の方といった免疫力が弱い家族がいる家庭にオススメです。

その他にも衛生的に保ちたいというトイレや洗面所、キッチンなどに使うことを勧められることも多いでしょう。

D.表面強化されているもの

一般的なクロスよりも強度が高く、比較的破れにくくキズがつきにくいのが特徴です。人通りが多い廊下や玄関、階段、リビングといった傷みやすい場所には最適の機能といえます。

 E.耐久性が強化されているもの

クロスを選ぶ際には、耐久性も重要な要素の1つ。

特に引っかきキズなどがつきやすい「小さなお子様がいるご家庭やペットを飼われているご家庭」、人の出入りが多い「飲食店や商業施設」などは、クロスが剥がれてしまいやすい場所でもあるため、耐久性の高いクロスを選ぶ必要があります。

クロスの表面に耐久性のある特殊フィルムが表面に貼り付けてあるタイプを選べば、キズがつきにくくキレイな壁を保つことができます。

F.吸放湿効果があるもの

日本には梅雨があるため、一年を通して比較的湿度が高いという傾向があります。

湿気が強くなるとカビが生えたり、不快指数が上がって過ごしにくくなったりと、生活においてはマイナス面が強く現れます。

そのため、日本の住宅では湿気への対策が盛んに行われており、そのうちの一つとして吸放湿効果のあるクロスが選ばれています。

湿気が高いときには水分を吸収し、逆に乾燥しているときには水分を放出してくれるので、常に快適な湿度を保つことができます。

G.防汚効果があるもの

表面に特殊なフィルムをラミネート加工したクロスです。

そのため、一般的なクロスでは落ちにくい汚れに対して水拭きや中性洗剤を使って落とすことができます。

汚れが付着しやすい場所や小さなお子様がいて落書きに困っているといったご家庭でも、簡単に汚れを拭き取ることができますのでお手入れも簡単です。

H.マイナスイオン効果があるもの

壁や天井に貼られているクロスからマイナスイオンが発生していると、常に部屋の空気をフレッシュに保つことができます。

マイナスイオンには森林浴と同様のリラックス効果があり、マイナスイオンを発生させるクロスを選べば、プライベート空間での「癒し効果」をさらに高めることができるのです。

実際にクロスからマイナスイオンが発生する製品が販売されています。

このような製品は、クロスの生地に天然鉱石が配合されており、水分と反応することでマイナスイオンを発生させます。

I.畜光機能があるもの

お子さまのお部屋や暗がりの廊下などに人気の蓄光クロス。

夜になると真っ暗なお部屋で眠れない・廊下を歩くときが暗すぎて困っているといった時に光がほのかに光るのですが昼間は普通のクロスと変わりありませんので選ばれる方も多くなっています。

通常照明や太陽の光を蓄え、消灯後約20分間柔らかい光を放ちます。

J.防火機能があるもの

不燃性のあるクロスがこれにあたります。

不燃性と一言にいっても、不燃、準不燃、難燃の3種類に分かれています。

これらは下地と防火性能の組み合わせによって同じパターンのものを防火種別として分類しており、不燃は20分、準不燃は10分、難燃は5分加熱されても燃焼せず、人体に有害な煙を出しません。

よく燃えない壁紙として勘違いされる方もいらっしゃいますが、これらは「燃えにくい壁紙」で、機能としては燃焼を少しでも遅らせ、燃焼拡大の防止、煙・有害ガスなどの発生を抑制することが目的です。

高層階ビルやマンション、集合住宅などではこれらが必須の場合もあります。

 

いかがでしたか?

たくさん種類もありますが、ご紹介したように、機能性に注目してクロスを選ぶことで、清潔で衛生的、耐久性のある部屋を実現することができます。 

内装を決める際には、デザインやカラーなどの見た目の部分でクロスを選んでしまいがち。

予算も重要な要素です。

しかし、見た目や値段でクロスを選ぶと、すぐに汚れがついたり、キズがついたりと長い目で見て失敗してしまうことも多々あります。

色柄や価格と同時に機能にも注目してクロスを選ぶようにしたいものですね。

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彰国社刊 壁装材料協会発行「インテリア学辞典」


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