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木造建築について ~天井~

2020.5.26

 

一般の戸建て住宅は現在も、木造建築がほとんどです。

今回は木造建築の中でもいくつか項目をピックアップし、項目ごとにその施工方法とポイントを解説します。

 

天井について


天井は仕上げをきれいに見せるために、いかに下地がずれないように施工するのかがとても大切です、

曲面天井は加工材(2×6材やランバーコア)などを梁に用いて製作します。

 

天井の施工手順について

①際野縁(きわのぶち)、吊木受けを取り付けます。

大梁の間に吊木受けを掛け渡します。

梁に直接、吊木をとりつける場合は、吊木受けは不要になります。

際野縁に野縁の取り付け位置を墨出しし、際野縁で天井高さを決めた後、四周にまわします。

②野縁受け、野縁を取り付けます。

野縁受けは直行する際野縁に架け渡し、釘で留めます。

野縁は継ぎ目がないものが望ましいですが、難しい場合は、継ぎ目を同材で埋め込みます。

通常の野縁は30×40の赤松等を用います。

③吊木を取り付けます。

野縁・野縁受けが全て組み終わってから、再度に吊木を設けて固定します。吊木は金属製のものや、防振機能がついたものもあります。

④石こうボードを取付、仕上げます。

石ボードを野縁に取り付けます。こう

木下地の場合、ビスのピッチは外周が@150、それ以外は@200が基本です。

ボードのつなぎ目は30×40の材を抱き合わせとします。

 

 

その他、天井のポイントは


※折り上げ天井の場合

決まった段差の作り方のルールはありませんが、野縁は段差のない部分と同様にピッチで製作し、吊木の長さを調整する事で段差をつくるのが良いとされます(段差の側面部の壁は吊木に取り付けます)。

※曲面天井の場合

材料には2×6材か、21mm厚のランバーコアを使用します。

室内側に12×45の胴縁を天井として固定します。

曲げベニヤは、曲がる方向が決まっています。短辺方向で曲げるか、長辺方向で曲げるかは仕上りに大きくかかわる為、

下地を製作した後で選択します。

曲面の垂木はSPF2×6材をバンドソーでR2,000の曲面にカット、カットした部分を接着することで面を製作しています。

 

壁面と天井との取合いについて


●壁クロス+天井クロス、見切り材なしの場合

クロスは天井→壁の順に張ります。

天井のクロスを2mmほど壁側へ折り込むと隙間が目立たなくなります。

●壁クロス+天井クロス、見切り材ありの場合

隙間に透明の見切り材が入る為、クロス端部が目立ちにくく、施工性が良くなります。

●壁クロス+天井板張り、見切り材あり

廻り縁に書き込みを設けて、隙間が目立たない様に納める工夫が必要です。

●壁クロス+天井合板目透かし、見切り材なし

合板を先に塗装し、汚れがつかないように対処します。

天井クロスの端部を2mmほど壁側に織り込むと隙間が目立ちません。

●壁クロス+天井目透かし、見切り材あり

樹脂製などの見切り材 は施工性が良いだけでなく、端部の処理もきれいに仕上がります。

●壁左官+天井クロス張り、見切り材なし

壁面が左官の場合、天井は目透かしの方が塗りやすくおすすめです、

目地を空ける事で、影が生まれるので奥行き感が演出できます。

 

天井の断熱について


外壁や間仕切り壁部分は乾燥木材か、専用部材できちんと気流止めをします。

ダウンライトを取り付ける場合は、断熱材がそこで切れてしまう事のないように小さくカットした断熱材を上に重ねます。

壁が充填断熱の場合は、天井と外壁の調湿シートを30mm以上重ねます。

壁が外張り断熱の場合は壁の下地が施工される前に張ります。

●袋なしグラスウールの場合

適切なサイズにカットし、室内側から野縁(天井下地組)の間に隙間なく充填します。

充填後、調湿機密シートを張ります。

●袋入りグラスウールの場合

野縁の間に重点した後、袋の耳を野縁の見付面に決められたピッチで留めていきます。

袋入りの場合、調湿機密シートは省略できます。

この後、石こうボードを張って天井の下地作業に入ります。

●セルロースファイバーの場合

まずは現場で撹拌します。

野縁の間に先張りシートを留めて穴を開け、ホースで充填します。

充填具合は小屋裏から目視にて確認します。

 

壁を含め断熱材の欠損・熱橋になりやすい箇所とは


コンセント廻り・配管貫通部分は機密テーブルなどで隙間をふさぎます。

ユニットバスは上棟後、比較的早い時期に搬入・据え付けされるため、外壁などの断熱施工が間に合わない事があります。

施工時に先行して断熱材施工をする必要があります。

床下換気がある場合は、外気がユニットバスと間仕切壁の間から室内に流入しない様、工夫しましょう。

 

天井まわりは、壁や床などと比較すると注意が行き届かない事もありますが、しっかりとチェックしましょう。

 

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