リノベーションに必ず役立つ事前調査リストと工務店探しについて
2019.12.13
リノベーション前に大切なこと
建物の躯体の状況により、どの様な工法が良いのか、コストはどうなるのか、そのすべての前提が躯体の状況となります。
必ず、リノベーションをお願いする工務店や設計士の現況確認を依頼しましょう。
場合によっては、天井裏や壁の解体も伴う為、大工さんにも同行をお願いする事があります。
近年では耐震診断を追加する事も増えています。
建物の築年数なども踏まえ丁寧に打ち合わせを行います。
設計者が行う事前調査リスト
●建物形状調査
・間取り図が残っていない場合は図面の描き起こし。
指示などがしっかり描き込める様に図面はマストです。
・柱位置の確認、基本モジュールを確認し、そこからのずれも確認する。
・配置情報。敷地形状および建物輪郭と離れ寸法を確認します。
・高さ情報。床の段差、開口高さ、天井高さ、階高。
・リノベーション後も使用予定の既存家具・家電サイズ。
冷蔵庫などは搬出入が難しいものもありますので、搬入経路も含めた確認が必要です。
●設備・電気調査
屋外設備機器の寸法・品番、枡、ガス・水道・電気メーター、水道引き込みの管径。
・照明、コンセント、スイッチ、換気扇、電話、テレビ、インターホン、
建物への引き込み位置、電気容量の確認。
●床下調査
・進入経路の確認(床下収納・畳下・床下点検口)。
・基礎と構造材の位置、寸法、方向と高さ関係の確認。
・劣化していないかの状況確認。
・構造材の接合状況。
・筋交いの確認。
・床断熱・壁断熱の確認。
・給排水管の確認。
●天井裏・小屋裏調査
・進入経路の確認(押し入れ天袋・天井点検口)
・床梁、小屋組の配置、寸法、向き、方向など。
・天井断熱、壁断熱の確認・
●仕上げ調査
・外部仕上げの情報・劣化調査。
・内部仕上げの情報・劣化調査。
●その他
・地形調査。
・工事の際の、資材の搬入経路や工事車両の駐停車位置など。
上記の様な項目をひとつひとつ丁寧に調べる必要があります。
また施主側も設計・施工担当者へ丸投げする事なく、自らも学ぶ姿勢が大切です。
この時に専門知識があるわけではないので、施主側はどの様に過ごしたいか、どの様な空間にしたいかなど、技術ではなく生活想像の視点から専門家に質問する事が大切です。
施主も対等な関係で一緒に作り上げるというスタンスが成功の秘訣です。
マンションの場合
マンションリノベーションの場合は戸建てと異なり、構造補強などに関連するコスト・手間は発生しません。
しかし共用部と占有部分の管理・資産区分の確認は必要です。
また管理規約もしっかりと確認し、その規定内容で納める様にします。
事前調査の際は、細かく写真撮影を。目が届きにくい配線・配管部分はカメラを入れ込んで撮影します。
施主の視点から
施主側が実際にこれまでに記載した採寸や撮影を行う訳ではありません。
しかしどの様な部分がポイントになるのか等、施主側もしっかりと把握しておくと現場立ち合いの際もしっかりチェックをしてくれているのかがわかり、安心感に繋がります。
ここからは実際にリノベーションを行った事例に基づいての箇所をまとめます。
参考にしてみて下さい。
●工務店探しと見積もりについて
最近はリノベーション専門会社や地場の工務店等、選択肢が広くあります。
相見積もりを行う場合で大切なのは、同じ条件で見積もりをお願いする事です。
また、価格としては希望通りでどれくらいのコストになるのかを図る為にも、希望する事はすべてリスト化します。
平面図に撤去する内容と新しく造作する内容を箇条書きで記入したプロット図、また建具交換等は仮であっても希望のアイテムを記載する事で会社毎に見積もりのグレードが変わらない様にしましょう。
コンセントやスイッチ、洗面台とキッチンは希望のものがある場合は、施主支給品とします。
その点も支給品、支給品取付は工務店様等、工事区分を明記する事で差額が出にくい様に工夫すると良いでしょう。
また支給品の扱いについても、各社の差があり支給品を入れる事に対して手間賃をつける、施主が受け取りをするという条件付き(時間指定不可が多い為、終日現場にいなければならない)等、各社かなりの違いがあります。
傾向としては、価格が高めに出るのはデザイン系リノベーション会社、一番安いのは地場の工務店です。
デザイン系リノベーション会社は素敵なパーツや建具も含めて丸ごと提案してくれますが、地場の工務店様の場合はパーツや希望の建具もこちらから提案した上で、良いものがあれば提案もしてくれる傾向です。
デザイン・提案料を含めて高く出るという印象です。
リノベーションは時間もかかりますが、何よりのゴールは心地よい、毎日の暮らしの場所を作る事です。
しっかりと知識を身に付けた上で後悔のない様にしたいものです。
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