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「表参道店から ~クラロウォールナット一枚板入荷のご案内です~」

2020.4.7

皆さん、こんにちは。

広葉樹の多くは森を作り動物達の命を育みます。

そればかりか、川、海の生物の環境にも多大な影響を与え地球全体の地形・生物のバランスを保っています。

しかし「クラロ・ウォールナット」はちょっと特異な存在です。

我々人間が生み出した樹ですから、生存競争の中で進化を遂げてきた樹ではありません。

人間自らが生きる為の手段として生を受けた樹と言っても過言ではないでしょう。

この世に生を受けて250年足らず、太古の昔から地球の繁栄を支えてきた他の樹々たちからすると、まだまだ新参者といったところでしょうか。

 

人類が生み出したハイブリッド種


このクラロは、接木によって生まれた樹ですから本来動植物が持つ繁殖能力を持っていません。

誕生して250年近く経った今でも人間の力なくして子孫を増やすことが出来ないのです。

その分与えられた命をゆっくりと謳歌するかのごとくゆっくりゆっくりと育ちます。

そんなおっとりとした性格のクラロなのですが、その無骨でどこか頼りない立ち姿と違い、材となった際には他に類を見ないほど妖艶な姿へと変貌します。

接木をした部位は急激に細く絞られ他のウォールナットにはない独特な色の変化を見せてくれます。

この木目の美しさは多くの人々や木工作家を魅了してやみません。

食用として成功はしませんでしたが、これ以上ない緻密さと多彩な杢、クルミ科ならではの加工性の良さが相まって、木工職人たちに見出され最高の材の一つとして不動の地位を築いています。

 

 

希少性のある樹として


この杢の美しさはこの世に生を与えてくれた我々人間への恩返しのように思えてなりません。

クラロ・ウォールナットの希少性の一つの要因としては、成長が遅い・成長しても加工できる木が少ない・またその需要の高まりから伐採量も増えたことが挙げられます。

また接ぎ木の際の拒絶反応により、形がいびつになりなかなか大きな材料がとれません。

ただその木目は美しく、多くの人を魅了し、それが乱伐につながり大木の数が減ったことが、なかなか流通しない理由です。

特に形ですが、通常の樹木は少しずつ太く、上に伸びていきます。

しかし拒絶反応を起こしたクラロ・ウォールナットの多くは、根本付近が玉のように膨らみ、上部は細いままや、一定の太さで伸びていき、大きくならない場合が多く見受けられます。

今後このような希少な樹をどのように保護し繁栄させていくのか、自然界から突き付けられた大きな課題ではないでしょうか。

我々人間のエゴかもしれませんが、これが新しい樹との関わり方だとも思います。

他の樹種には無い杢の美しさはもちろんのことですが、クラロの「生き方」に感慨深い何かを感じていただければ、クラロ・ウォールナットはより妖艶さを醸し出し、使う人に対して精一杯楽しませる努力をしてくれることでしょう。

 

クラロウォールナットの一枚板入荷!


そんな希少なクラロウォールナットの一枚板が、表参道店に併設する「一枚板ギャラリー」に入荷しました。

入り乱れる木目の紋様は、まさに自然が作り出した造形美でもあります。

1つとして同じ表情の現れない無垢材一枚板の魅力が最大限に詰まったテーブルとなるでしょう。

希少なクラロウォールナットの一枚板、ぜひお近くで見て、触れてみてください。

 

 

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