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無垢材の熱伝導率とその効能

2019.5.28

 

木材は私たちの家の中で、歴史的にも古くから床材をはじめ建具や椅子やテーブルなどの手や肌が触れる様々な場所で数多く使われています。

金属、プラスチック、ガラス、石材など木以外にも様々な材料がありますが多くの人がそれらに木材を好んで使うことを選んできました。

その理由は木材には温かみと安らぎが感じられるから。

それには木材がもっている様々な物理的・化学的な性質に由来しています。

 

熱伝導率とは?


室内に置かれている何らかの材料を手で触れるとします。

手の皮膚温度の方がその材料の温度より高いと、熱が手から材料に移動します。

これが熱伝導です。

それでは、木材と金属に手で触れてみて比較するとどうでしょうか。

木材の方が熱を伝えにくい性質を持ち、そのため手から失われる熱が少ないので金属より温かく感じられるはずです。

このような木材と金属の熱の伝わり方の違いを比較する指標に、熱が物質中を移動する速さを表す物理量として

「熱伝導率」

が用いられています。

無垢材は多孔性の材料なので熱伝導率が低く樹種によって異なりますが0.12~0.19W/mk程度です。

一方で、アルミニウムの熱伝導率は木材の約1600倍、鋼材は約450倍、モルタルは約13倍、ガラスは8倍も熱伝導率が高くなっていて、いかに木材が断熱性の高い材料であるかが分かります。

 

なぜ木材は熱伝導率が低いのか


なぜ、木材は熱伝導率が低いのでしょうか?

実は木はパイプのような細胞の集合体だからなのです。

「???」と思われた方もあるでしょう。

もう少し詳しく言うと、パイプのような細胞の集合体ということは、この一つ一つの細胞の内側は、私たちの身近な物質の中で最も熱を伝えにくいとされる「空気」で満たされているのです。

その空気のおかげで、木材は熱伝導率が低いという性質を持つことができるのです。

 

熱伝導率のメカニズム


人間の体温は、およそ36℃ですが、常に皮膚の表面から熱を逃がしているので、手のひらの表面温度は30℃前後まで下がっています。

室温が皮膚の温度よりも低いとき、室内に置いてある材料に触れた際に触れた箇所は急速に皮膚と材料の中間の温度になります。

例えば発泡スチロールや木材など熱を伝えにくいものでは人の皮膚から熱が逃げにくく、なおかつ接触した部分の温度が徐々に上昇するので温かく感じるのです。

一方で金属やコンクリート、石材のように熱を伝えやすい材料では皮膚から熱が逃げてしまうので、皮膚と材料が接触する部分の温度が低下してしまうので冷たく感じるのです。

また、室内とは打って変わって炎天下の屋外で、直射日光にさらされたベンチや舗装道路では、コンクリートや金属製品がヤケドをするほどに熱くなるのに対して、木材のベンチや製品では、ほどほどに温かくなる程度に留まります。

このような熱伝導率の違いは、みなさんも生活の中で思い当たる経験があるのではないかと思います。

 

木材の熱伝導率が活きる場所


室温が低いとコンクリートやプラスチックタイルの床に比べ、木材の床は足甲の温度低下が少なくて済みます。

足甲の温度低下は、体全体の体温低下(冷え)や疲労だけに留まらず、急激な温度変化ともなれば、さらに身体に様々な影響を及ぼす危険性があります。

急激な温度変化によって体がダメージを受ける「ヒートショック」は、その注意喚起とともに最近耳にすることは多いでしょう。

無垢材フローリングの効果として調質効果や衝撃吸収性、視覚効果など様々な効果が謳われるなかで熱伝導率の低い性質による効果も見逃せません。

 

木材家具と熱伝導率の関係


木材の熱伝導率の性質は、無垢材家具でも効果を発揮してくれています。

食事や仕事をする座姿勢をサポートしてくれる無垢材チェアは熱からず冷たからず、程よい温かさで包み込んでくれます。

程よい温かさは、ストレスを軽減し食事を美味しくしてくれる調味料になります。

体温低下による疲労を与えないので、仕事や勉強に集中して臨むことが出来ます。

健康に欠かせない快適な睡眠環境を支えるベッドフレームでは、ヘッドボードが窓から壁を伝ってくる冷気から頭を守ってくれる断熱効果を発揮します。

また、無垢材のスノコや畳ベッドのヒノキチップなどは極端な温度変化を防ぎ快適さを維持してくれています。

ダイニングテーブルはどうでしょうか。

家族でのんびりとお茶をしたり、晩酌をしたりしている時に、無意識にテーブルを撫でていることはありませんか。

触れて温かみを感じることができる無垢材のテーブルは、ついついまるで本能のように触っていて、それによって癒しを感じストレスを取り除いているのです。

そんな無垢材テーブルを中心にしていると、家族同士のコミュニケーションが深まり団らんを楽しむことができますね。

 

試してみましょう


「ホームページの写真だけでは、分からないなぁ」

という方は、一度お近くの家具蔵の店舗で、無垢材テーブルに触れて、無垢材チェアに座ってお試しになり、体で感じてみてください。

きっと温もりを感じていただけるでしょう。

 

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