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椅子の背もたれは高い方が良いのか?

2023.3.7

 

 

椅子というものが世に出て以来、そこには長い歴史があり、その過程の中でそれこそ星の数ほどの椅子が生まれました。

デザイン・素材・工法などその時代ごとの世情や目的で実に多様なものが存在しますが、それらは大きく分けると「背もたれが高い」「背もたれが低い」「肘掛けがある」「肘掛けが無い」ものとに分類できます。

 

 

椅子は大きく分けると「背もたれの高低」「肘掛の有無」がある


 

 

椅子を新調する際にどのようなものを求めているかを聞くと多くの人が「長時間座っていても疲れない椅子」と答えます。

仮にダイニングチェアを探しているとして、それに着座して過ごす時間は以前と比べても長くなってきました。

ダイニングチェアはダイニングスペースで使用するというのが基本ではありますが、ダイニングスペース自体が「食事をとる場所」から雑作業・来客の対応・寛ぎなど多様な目的を持った場所となっていることが要因です。

つまりダイニングスペースで過ごす時間が長い=椅子(ダイニングチェア)に着座している時間が長い=長時間座っても疲れにくく快適に過ごすことのできる椅子が欲しいということになっているのでしょう。

そこで考えるのが先程椅子を大別した「背もたれの高低」「肘掛の有無」となります。

 

背もたれの高い椅子は数十分程度の着座が適している


 

 

疲れにくい椅子なら背もたれの低い椅子を選ぶ理由

その背もたれの高さが「高いか」「低いか」は「疲れにくい椅子」を選ぶ大きなポイントとなります。

もしあなたが椅子を選ぶ際に「長時間座っていても疲れにくい」ことを目的としているなら「背もたれが低い椅子」を選ぶ方が得策です。

仮にあなたが背もたれの高い椅子を選んだとしましょう。

それ自体に何も間違いはありません。

試座して、座面や背中の当たりも良く、デザインも気に入ったのであれば問題はなさそうです。

しかしそれは「せいぜい数十分しか座らない」場合です。

なぜ背もたれの高い椅子では一時間を超えるような長時間の着座では疲れやすくなる(かもしれない)のでしょうか?

 

長時間座っても疲れにくい背もたれの低い椅子


 

 

背もたれの高い椅子は座面に座って背中を預けた際にその広い面が背中を満遍なく支えてくれます。

自身の背中から体圧がしっかり抜けていくイメージです。

しかし、人の身体は着座時であるかそうでないかに関わらず、一定の場所に留まり続ける、ということはありません。

それは無意識のうちに体圧や力が掛かっている部分をズラして身体的負担を減らすためのものでもあり、単純に筋力の不足により同じ姿勢を取り続けることができないという理由もあります。

着座時においても同じような現象は見られます。

特に顕著なのが「着座位置が次第に前方にズレてくる」というものです。

最初は座面深くに腰掛けていても時間が経つうちにお尻が前の方へ出ていくことでやや寝そべるような座姿勢になっているという経験がある人も多いのではないでしょうか。

そうなると自然と自身の頭や胴体は後方へ流れます。

すると、最初はしっかり背中を預けて寛ぐことのできた椅子が、頭や背中が後方に逃げていかない状況となることで窮屈なものに変わります。

姿勢の自由度が無いことで座姿勢に無理が生じ、疲れやすくなるのです。

人が同じ座姿勢をキープできるのはおよそ30~45分程度と言われます。

もしあなたがダイニングチェアを選ぶ際に食事を行うだけ、あるいは食事のあと多少の余暇をそこで過ごすかもしれないが基本的にはソファなどで過ごす、ということなら問題はありません。

背もたれの高い椅子はまさしくその背もたれの部分にデザイン的な意匠が入ることも多く、特にそれは意外と多い背面から見た時」に抜群の効果を発揮するのでインテリア性は抜群です。

ですがあなたが一時間、あるいはそれ以上の着座時間を想定しているならもしかすると見た目は良くてもそれが「疲れやすい」椅子になる可能性は否定できないものとなるのです。

 

長時間座ることが多いならば肘掛けのある椅子を選ぶ


 

 

ではあなたが長時間座ることを想定した際に選ぶ椅子には肘掛けはあった方がよいでしょうか?

答えは「YES」です。

長時間疲れにくい状態で着座するためには肘掛けは必須といって良いでしょう。

身の回りにある「椅子」を見ていくと長時間座ることが前提の椅子、例えば新幹線や映画館などのシートにはほとんど肘掛けが付いています。

両腕の重さは体重の約10%~15%にもなると言われています。

体重60キロの人であれば、両腕で約10キロからそれ以上の「重り」を抱えているのと同じという状態です。

その重い両腕を肘掛けに預けておくことはそれを支える肩や背中、腰への負担を軽減させ、同時に身体全体に掛かる体圧をバランスよく分散させることに繋がります。

それはつまり「身体の負担を和らげる」ことであり「疲れにくい」ことに直結します。

長時間座ることが多い、ということであれば肘掛けのある椅子を選ぶことをお勧めします。

 

低い背もたれは丸みを帯びたものが良い


 

 

背もたれが低く、肘掛けを装備した椅子を選ぶことは長い時間疲れにくい着座を行う上ではお薦めです。

その「低い背もたれ」は丸みを帯びているものであると尚良く、それは無意識に行われる椅子内での身体の左右への移動にフレキシブルに対応してくれるからだと言えます。

人は睡眠時に必ず「寝返り」を行います。

この行為は長時間同じ姿勢が続くことで生じる筋肉や背骨への負担を解消します。

睡眠時は言うまでもなく無意識下にありますが、無意識の中でも人は「動きたい」のです。

じっと同じ姿勢でいても身体が自然に動いてくることは多分にあり、それは着座時でも同様です。

その際にどの向きに身体が向いても寄り掛かった際にフィット感を損なわないことはその椅子に座って感じる快適性を左右します。

それはつまるところ「疲れにくい」ことにも繋がるのです。

 

試座の際のポイントは


 

 

気に入った椅子が見つかったとし試座する際には左右に身体を振り、お尻を前方にずらして背中を後方に大きく傾けてみましょう。

そこでどの姿勢でも椅子が身体の動きにフィットするもの、それが長時間座っていても疲れにくい椅子です。

椅子を試す際には色々と身体を動かしながら、そのフィット感も確かめながら選んでいくことをお勧めします。

椅子という家具はインテリアであると同時に身体を預けるためのものです。

そこには見た目を優先するか、使い心地や座り心地を優先するかという選択が迫られます。

それを判断するのは自分自身であり、その基準のひとつとなるのが使用目的や使用時間です。

自身にとって一番良い椅子は何かというアドバイスを私ども家具蔵でも日々行っておりますのでもし、椅子選びに悩まれた際は家具蔵各店までお気軽にご相談ください。

 

家具蔵の無垢材チェアのある暮らしのご紹介はこちらから

 

 

 

 

 

 

 


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