国産一枚板テーブルでお勧めの樹種は?
2022.2.8
自宅で過ごす時間が長くなると、やはり住まいの「居心地」が気になってくるものです。
それぞれの個室での居心地ももちろんですが、自宅の居心地を左右するのは、家族が一番長く過ごすリビングやダイニングではないでしょうか。
そんな家族やゲストが集う場所をさらに心地良い空間とするために、自然の魅力と迫力・雰囲気を存分に味わうことのできる一枚板テーブルの購入を考える人も増えています。
「一枚板」と一口に言えども、様々な樹種が存在します。
なかでも「国産材」の人気は年々高まっています。
その一方で、希少価値も上がり、なかなか手に入りにくくなっているものもあります。
今回はそんななかで「お勧め」の国産一枚板をご紹介していきます。
なぜ国産の一枚板テーブルが希少なのか
ご存知の通り、木は大きく分けて「針葉樹」と「広葉樹」に分かれます。
針葉樹は成長が早く、建築資材等に利用できることから日本では高度経済成長期に大量に植林され、今では人工林の約9割が針葉樹と言われています。
一方、ゆっくり時間を掛けて成長することで「硬く」「丈夫に」育つのが広葉樹です。
丈夫で傷がつきにくく、揺れなどにも強い広葉樹材は家具づくりに適していると言えます。
一枚板テーブルの多くはこういった木を伐採・製材し、十分に乾燥させ、その自然な樹形を活かして作られます。
そのため、テーブルとして使うことのできる大きさ(奥行)が必要になります。
ただ、現代ではそういった幅広の一枚板を製作できるだけの樹径を誇る=高樹齢の大木はあまり目にすることはできません。
思い当たるのは寺社仏閣にあるご神木くらいではないでしょうか。
そういった希少な木を使って製作されているのが国産材の一枚板テーブルなのです。
そんな希少な国産材の一枚板テーブルですが、私ども家具蔵でも数々の国産材一枚板を取り扱っています。
それぞれ魅力のある樹ばかりですが、中でもお勧めの3樹種をご紹介していきます。
日本を代表するケヤキ
ケヤキは日本や朝鮮半島、中国、台湾などに生育しています。
扇型の樹形が美しく、悠々とした立ち姿から神社などでもご神木として日本人に昔から崇められてきた木でもあります。
樹高の高いものでは40m、高樹齢のものでは100年以上のものも存在します。
美しい木目から古くは大黒柱としても使用され、その強さから京都の清水寺の柱としても長い間使われてきた木です。
長い歴史の中でケヤキのみが使われてきた事実を考えると他に代えがたい、唯一無二の存在であると言えます。
圧倒的に力強く美しい山型の大きな木目に私たちは自然と引き寄せられ、どこか落ち着きを感じます。
暴れやすい性質と、硬く加工が難しいことからケヤキの家具を見かけることは今では滅多になく、一枚板テーブルとして考える際にも、その存在感の大きさからトータルコーディネートというより、ケヤキのテーブルを主役とした、1点だけを目立たせるような「吸引力」のあるテーブルとなります。
色合いは美しい黄金色~茶色の濃淡のグラデーションを持っています。
どうしても和のイメージを持たれやすい材ではあり、もちろん畳の部屋との相性も抜群ではありますが、例えば濃いウォールナットのイスなどをコーディネートすることで現代の洋風の住まいにもすんなりと馴染むことができます。
周りの家具も濃い色で統一することで、ケヤキの一枚板テーブルの木目が際立ち、より一層の存在感を放ちます。
ナラの一枚板テーブル
ケヤキと同じく日本人には馴染みの深いナラ。
ケヤキが崇められる存在であるとするなら、どんぐりの木であるナラはいつも隣にいて寄り添ってくれるような身近な存在の木ではないでしょうか。
ジャパニーズオーク(Japanese Oak)の名で海外にも輸出され高い評価を得る銘木です。
堅くて強靭でありながら、加工性の良さからも世界的に人気のある木材となっています。
しかし、ナラは成長速度が遅く、伐採と植林のバランスを図る資源循環サイクルを作るのが難しいという問題も抱えています。
最近では一枚板テーブルを製作できるような大木は、より一層希少となっています。
ケヤキが住まいの主役となる木であれば、ナラは周りとの調和、馴染みの良さといった点から「使う人を主役としてくれる」木ではないでしょうか。
主張しすぎない、ゆらゆらとした優しい木目、そして色合いは周りの家具や床材、建具などともよく馴染みます。
同じブナ科のオークは流通が安定しており、収納家具などにも多く使われているため、統一感のあるコーディネートも叶いやすいのはメリットでしょう。
穏やかな川が流れるようなナラ材の木目を見ていると日常の忙しさも忘れて過ごせそうです。
クスの一枚板テーブル
一枚板テーブルとしての認知度はケヤキやナラよりコーディネートのしやすさ、すべすべの肌触りの良さから良質な一枚板を探し求める人も多いクス。
一枚板テーブルを探すうえで「クス」を知らなかった人でも、白っぽいすべすべの木肌をベースとした、水墨画のようなダイナミックな濃茶の木目を見て一目で好きになってしまったというケースも多々あります。
クスの良いところは何と言ってもコーディネートのしやすさです。
明るい木肌は日本の住空間の中で良く馴染みますが、濃茶の木目がしっかり主張もしてくれます。
同じような明るい木肌のイスや収納家具を合わせれば木目だけ浮き出たように引き立てることができます。
また、濃い色の家具と合わせることでテーブル自体を際立たせることも可能です。
語源と言われる「薬木(くすき)」やカンフル剤を打つなどと言う意味で使われる「カンフル」を英名に持ち、昔から人に元気を与えてくれる木だったことが伺えます。
ダイニングテーブルは住まいの中心となる場所であり、家族の喜怒哀楽を全て受け止めてくれる存在です。
落ち込んだ時、このクスの木がテーブルを使う我々に元気を与えてくれるかもしれません。
一枚板テーブルはいわば「家のシンボル」として選ぶ存在です。
「我が家の主役」として他を圧倒する強さを持つ樹種を選ぶか、馴染みの良さで使う人を主役として引き立ててくれる樹種を選ぶか。
どちらにしても、家族やゲストはその一枚板に惹かれて自然とそのテーブルに集まり、豊かな時間を過ごせることでしょう。
国産の一枚板は需要が高まっても、今後劇的に供給が増えていくことはありません。
もし少しでも気になられていれば、早い段階で一度店舗やネットでご覧いただくことをお勧めします。
「これだ」と思えるような一枚に巡り合えるかもしれません。
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