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「ナラ材」家具のコーディネートのポイントは?

2021.2.3

 

 

皆さんは「ナラ」の木を御存知ですか?

ある人は「オーク」といえばピンとくるでしょう。

また、「どんぐりの生る木」と言えば小さなお子様でも馴染み深いもののはずです。

ナラは昔から家具の材料としても重宝されてきており、コーディネートもしやすい樹種としても有名です。

もしかすると気付かないうちにナラ材の家具を使っている方も多いかもしれません。

今回はそんなナラ材家具のコーディネートのポイントをまとめていきたいと思います。

 

 

ナラとはどんな木なのか


そもそもナラとはどんな木でしょうか。

ナラはブナ科の広葉樹でコナラ、クヌギ、ミズナラ、アベマキ、ナラガシワ等の仲間がいます。

この仲間たちは全てどんぐりの生る木です。

因みに、このどんぐりの形もそれぞれ異なります。

公園などに落ちているどんぐりがどのブナ科の木なのか分かると面白いかもしれません。

ナラは群生することで純林(他の木が無い)という森を形成します。

ナラは冬になると多くの葉を落とし、ナラの森には多くの落ち葉が降り積もります。

この落ち葉がやがて腐葉土となり、土壌を肥えさせることで、様々な植物が育つのです。

そして、草木や花、木の実等を目当てに虫や鳥、動物が集まってきます。

このような連鎖が起こることでナラの森は豊かになっていくメカニズムがあります。

さらにこの森に降った雨水は栄養分豊富な土壌を通して濾過され、川や海に流れていきます。

陸上の生き物だけでなく、水中の生き物にも恩恵を与えることが出来る、まさに豊かな生態系を作り出すことが出来る木です。

このような素晴らしい資質を持っていることや、大木となり葉を茂らせている立ち姿が雄大なことから、ヨーロッパでは神聖な木として崇められ、特に英国では「キング・オブ・フォレスト=森の王」とも呼ばれています。

 

家具材としてのナラ


一言でナラと言っても、都内の公園や雑木林でよく見かける木は「コナラ」になります。

一方で家具材として優良なナラは「ミズナラ」です。

欧米ではこのナラの仲間として「オーク」が非常にメジャーな家具材です。

このオークにはアカガシ亜属の「アカガシ」や「シラカシ」が含まれます。

家具材として頻繁に登場するホワイトオークはシラカシ、レッドオークはアカガシと思いがちですが、そうではなく、ホワイトオークはミズナラの近似種、レッドオークはカシワの近似種でアカガシワという和名があります。

古代ギリシャ・ローマ時代からすでに、オークは家具の材料に使われていました。

特にオークはヨーロッパに多く生育する木だったので、マホガニーが登場する1700年代までは、最もよく使われる一般的な木材でした。

オークの木は大変堅いのが特徴で、虫が嫌がるタンニンを多く含んでいるため、他の木よりも害虫には強い木と言われています。

しかし、1920年代に発生したいわゆる「ナラ枯れ(ナラの集団枯死)」の被害で、激減したイギリスのオーク材を補うため、北海道のオーク=ミズナラが大量にイギリスへと輸出されました。

そのため、1920年代のイギリスのオーク家具には、北海道産のミズナラ材が多く使われています。

国内においてナラは、江戸時代までは裂けにくく硬いという性質から、裂いて製材する当時の方法では加工が困難だった為、利用を避けられていたという事もあり、大半を木炭の原料として消費してしまっていました。

しかしながら、広葉樹を加工する文化を持っていた外国では、優れた木材として重用されたのです。

北海道産のミズナラは輸出によって激減しただけでなく、日本の国策として広葉樹を伐採したのちに、成長が早く加工性に優れた針葉樹を植林することが行われたため、現在では高樹齢の新材は殆ど枯渇し、大変希少なものとなっています。

ナラ材の木目の特徴で有名なのが「虎斑(とらふ)」です。

その名の通り虎の縞柄に似た木目が製材した柾目取りした板に表れることがあります。

ナラは水や養分を通す管が他の木よりも太く発達しています。

そしてその管が中心部から放射状に広がっていることから、独特の杢となります。

他の木にも放射組織はありますが、虎斑となって表れるのはナラくらいではないでしょうか。

この虎斑は他の木目とは光沢が異なって銀色に輝いて見えることから「銀杢」もしくは「シルバーグレイン」とも呼ばれます。

 

ナラ材のコーディネート ~ナラを主役にした空間~


家具材だけでなく、その硬さや木目の美しさから床材としてもナラはよく使われています。

ナラ材の床にナラのテーブルや椅子、キャビネット等をレイアウトするのは王道のコーディネートです。

床はわざと節や入皮等の個性的な表情が楽しめる材料を使用し、間近で見ることになる家具には節等が少ない整った木目の材料を使用すれば同じ樹種でも間延びすることなく、変化を付けることが出来ます。

また、ナラは経年変化で他の白木と同様に黄色みが増していきますが、一般的な白木と異なり、木目は灰色がかった変化も見せます。

少しシャビィな印象になることで、ウォールナットのような色味の濃い木材との相性も良くなります。

そこでテーブルをナラで、チェアをウォールナットにしてアクセントを付ける。

もしくは食卓は明るくなるようにナラを用いて、リビングは落ち着いた空間になるようにウォールナットで統一する、といったコーディネートはお勧めです。

 

ナラ材のコーディネート ~白木をミックスした空間~


ナラの他にも家具材で使われる白木には様々な種類があります。

メープル、タモ、クス、トチ、カエデ、クリ、ニレ、アッシュ等々…。

大まかな方向性は白木で統一するなかで、少し遊びや個性が欲しい場合は樹種をミックスすると良いでしょう。

例えば、ナラと質感や木目が大きく異なるメープルやクス、カエデ、トチを混ぜるのも面白いかもしれません。

素材感の違いが空間にメリハリを与えてくれることで、空間自体を広く見せてくれることにもつながります。

 

ナラ材のコーディネート ~アクセントカラーを活かしたコーディネート~


ナラのおおらかで主張しすぎない木目と色合いは、どのような色調のインテリアアイテムを持って来ても強調してくれます。

テーブルや収納家具など、大きな家具の色調が整っていると統一感のある空間を作ることが容易になります。

カーテンやラグ、ソファ、チェアの張地をビビットなカラーにしてメリハリを付ける。

またはやさしいペールトーンやパステルカラーで演出する。

そうすることでオリジナリティのある空間にすることが可能です。

大物家具の買い替えを頻繁にすることは難しいですが、インテリアの小物等は模様替えも簡単にできるので、飽きのこない空間を作ることが出来ます。

 

ナラ材の家具はいわば万能選手です。

どのようなテイストでも空間でも合わせてくれる懐の広さがあります。

家具選びで迷ったらナラ材を候補に入れてみると良いでしょう。

家具蔵でもほぼフルラインナップでナラ材の家具を展開しています。

まずはぞれぞれの店舗で「キング・オブ・フォレスト」と呼ばれる所以を感じてみて下さい。

家具蔵のナラ材家具のある暮らしの事例はこちらから

 

 

 

 

 


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