ウォールナットのチェアに合わせる異樹種とは?
2020.11.2
マホガニー、チークと共に世界三大銘木のひとつに数えられるウォールナット。
世界的にも評価が高く人気も高いウォールナットは、高級材の代名詞となっています。
主に北米産のアメリカンブラックウォールナットを一般に「ウォールナット」と呼びますが、この材はその品質の良さや美しさから、古くから家具以外でもライフルの銃床など様々な用途で使われてきました。
そんな人々を魅了し続けるウォールナットで作られたチェア。
そのチェアに合わせるテーブルはどのような樹種が合うのか、ウォールナットに相性の良い異樹種をご紹介していきます。
ウォールナットの特徴
●ウォールナットの原産国、性質
ウォールナットは、アメリカの北東部やカナダのオンタリオ州に自生しており、北アメリカ大陸東部を南北に走るアパラチアン山脈は有名な生息地です。
ウォールナットは厳しい環境下のもとゆっくりと時間をかけて成長し、硬く粘りのある材質が特徴です。
また、日本にはオニグルミと呼ばれている木がありますが、こちらはいわゆる「クルミ材」でウォールナットとはまた違い、材質も柔らかく材の色合いも異なる、などの違いがあります。
●ウォールナットの表情
ウォールナットの特徴はなんといっても暗褐色の味わい深い色合い、グラデーション、そして美しい木肌です。
製材直後の木肌は明るい色合いですが、心材と辺材の境にあるフェノール酸化酵素が空気と触れることにより、数時間で鮮やかな紫を帯びた暗褐色へと変化していきます。
ウォールナットは空に向かって真っすぐ成長していくので、多くは整った木目を持ちますが、部分的に含まれている巻毛状や波状の木目と混じり合い、独特の美しい表情を作りだします。
また、幹がそれほど太くはならない為、製材すると白太と呼ばれる辺材も現れ、深いチョコレート色とクリーミーな白色のグラデーション模様は、無垢材ならではの表情を生み出します。
また、ウォールナットには無垢材ならではの魅力的な杢が生まれることがあります。
木目が波状に縮んでシワが寄ったように見える縮杢や樹木の根の近くに出来るバール杢など、個性豊かな表情もウォールナットの魅力の一つです。
現存する木材の中でも最高ランクの評価を得ているウォールナットは「家具材のロールスロイス」とも呼ばれ、チェアやテーブル、キャビネットといった家具や世界の高級車のウッドパネルなどに使われ、人々の憧れの的になっています。
●ウォールナットの経年変化
初めは深い暗褐色ですが、紫外線や空気に触れることで徐々に黒味が抜けていきます。
特に紫外線による影響が大きく、その紫外線を吸収することでウォールナットに含まれているタンニンが酸化して赤褐色へと変貌を遂げます。
また、色合いだけでなく使い込めば使い込むほどに木肌も変化していきます。
初めはざらっとした感触の強い手触りですが、人の手が触れることによって磨かれ次第に滑らかな質感になっていきます。
ウォールナットに相性の良い異樹種・3選
基本的に無垢材は自然の色味を持ち、どの樹種とどの樹種を合わせてはいけない、ということはありません。
当然、同じ樹種同士の組み合わせは王道ともいえるものですが、なかには異樹種で揃えることでよりお互いの良さが引き立つこともあります。
ウォールナットの色合いは「黒」といっても差し支えないもので、主張が強く、テーブルとチェアという組み合わせで異樹種を組み合わせるなら面積の大きいテーブルよりも、チェアをウォールナットにしたほうが全体のコーディネートを引き締めることにもなり、お互いの存在感が際立ちます。
その場合、どのような樹種をテーブルで選ぶのがよいでしょうか?
チェリー
チェリーはその赤褐色が特徴的で、初めは桃色がかった色をしていますが、時が経つにつれて深い味わいの飴色に劇的に変化していきます。
ウォールナットのチェアと合わせた場合、そのコントラストが生む層状効果は抜群。
チェリーの華やかさ・暖かみをウォールナットが上手く引き締めてくれます。
経年変化でウォールナットは黒い色素が抜け赤褐色に、チェリーは飴色に、時が経つごとに徐々に色合いが近づいていきます。
年月が過ぎるごとに、その木達がお互いに寄り添っていくその姿を味わうことの出来る、木の性質を活かした人気のコーディネートです。
サペリ
サペリは西アフリカを中心とするアフリカ一帯に分布している、赤褐色の木肌と、帯状の「リボン杢」と呼ばれる濃淡が美しい注目の樹種です。
経年変化でウォールナットの色合いに最も近づく樹種と言っても過言ではなく、その点で合わせとしては間違いありません。
もちろん、経年変化前でもサペリの鈍く輝く赤褐色の木肌をウォールナットの落ち着いた色合いがサポートし、空間全体に「格」を生み出します。
ナラ
ナラはその細かい木目などから決して目立ちすぎない穏やかな表情で、どんな空間にもマッチします。
一方、その凛とした表情でどんな空間もモダンなものに変えてくれるような「強さ」を持ったウォールナット。
一見相反する表情を持つ両者は実はとても相性が良いのです。
こちらの組み合わせは家具蔵でも定番人気を誇り、お互いを引き立て合うことができるベストパートナーともいえる関係性です。
テーブルとチェアを選ぶ際、誰もが最初に思いつくのは同樹種でのコーディネートかもしれません。
しかし、自然が織りなす色彩は、どの素材でも受け止めるほどの度量が備わっているのです。
森に行けば様々な木々や草花が生い茂っているように、自然のものだからこそ共存でき、お互いを引き立たせ合ってくれます。
家具蔵各店には、様々な地域から厳選した樹種たちがみなさんのご来店を今か今かとお待ちしています。
店舗で実際に見て触れて、無垢材の無限の可能性を感じて頂ければ幸いです。
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