テーブルの高さはここを基準にきめる
2020.8.25
「テーブル」と一口に言っても用途やスタイルによって、分類上の様々な呼び名が付けられています。
ダイニングテーブル、リビングテーブル、コーヒーテーブル、ナイトテーブル、コンソールテーブル、座卓…。
チェアに座って食事をする高さ、ソファに座ってお茶を楽しむ高さ、物を飾る高さ、ベッドの傍らで目覚まし時計が見やすい高さ、床や畳に座ってお茶や食事を楽しむ高さ等々、テーブルの高さは、そのテーブルを使う目的や場所によって適正な高さがあって、それぞれにこのような呼び名が付けられています。
ダイニングテーブルの高さの基準は
その中で普段の食事や作業の場となるダイニングテーブルの高さ。
この基準にはチェア(椅子)とテーブル(机)と人が深く関係します。
着座をして食事をとる、書き物をする、パソコン仕事をする。
そうした作業全般に適した高さを求める必要があります。
外で食事や作業をする際になにか落ち着かなかったり、肩が凝ってしまったりしてしまうことがあります。
それはテーブルがチェアに合った高さではない、もしくは自分がその組み合わせに適した体型ではない、ということが原因です。
旅行や外食の際の限られた時間を過ごすのであれば、少しの我慢で済みますが、これが我が家の食卓となれば毎日のこととなり、ストレスもたまってしまうというものです。
毎日のことを快適に行うためには高さのバランスがしっかり合ったものを選ぶべきなのです。
国内のダイニングテーブルの高さ
国内で生産され流通しているダイニングテーブルの多くは、天板の高さが床から「700~720ミリ」、ダイニングチェアの座面高は「410~420ミリ」のものとなっています。
その基準は日本人の体型(身長)の標準的なものから考えられています。
これが海外にいくとこの数値は高いものになります。
テーブルは750ミリ前後、チェアの座面高は430~450ミリのものが多くなります。
これは人種による体型の違い、そして室内で靴を履くか否かの文化の違いに起因します。
そして、後述する「差尺」からくるものでもあるのです。
差尺とは
テーブルの高さを自身に丁度良いものにするためにおさえておきたい目安が「差尺」です。
ここで言う差尺とは、テーブルの天板面の高さからチェアの座面までの高さを引いた数値のことをいいます。
この差尺が大きいと、食事や作業の際に不便を感じたり、疲れやすくなるのです。
例えばテーブルに対してチェアの座面高が低すぎる場合(天板高750ミリ・座面高410ミリなど)。
テーブルに対して腕や肩が持ち上がる感じになります。
もしくはテーブルに対してチェアの座面高が高すぎる場合(天板高700ミリ・座面高450ミリなど)。
この場合、極端に肩が落ちて背中が丸まった状態になり、姿勢も悪くなります。
食事の際に食べ物をこぼしやすくい、作業の際に疲れやすい、ということはやはり避けたいもの。
テーブルとチェアの差尺が適切な範囲にあることが、使いやすく快適なダイニングテーブルとダイニングチェアの条件となります。
適切な差尺とは
一般的な解釈として、この差尺の理想的な間隔は「280~300ミリ程度」と言われています。
この差尺は、座高の3分の1から20ミリから30ミリ引いた数値なので、身長を基準にする場合よりも個人差が出にくくなります。
この理想の差尺が分かっていると、次のようなケースで最適解が導きやすくなります。
●現在使用中のチェアはそのまま使い続ける予定でテーブルのみ買い替える
この場合は、現在使用中のチェアの座面の高さを測り、そこから「280~300ミリ」高いテーブルにすればOKです。
●現在使用中のテーブルはそのまま使い続ける予定でチェアのみ買い替える
この場合は、今使っているテーブルの床から天板までの高さを確認し、そこから「280~300ミリ」低い座面高のチェアにすればOKです。
また、この場合は天板下もしくはその下の補強材から床までの高さも要確認です。
なぜかというと、家具メーカーによっては天板下に「幕板」「反り止め」といった補強材や引出しが取り付けられていることがあります。
そのことでアーム付きのチェアがテーブル下に収まらないこともあり、また、天板とチェアの間にある自身の太もも部が窮屈に感じる場合もあるからです。
テーブルが先か、チェアが先か
では、ダイニングテーブルとダイニングチェアを新たに購入・製作する場合はどちらから先に決めるべきでしょうか?
ダイニングテーブルから?ダイニングチェアから?
おススメは、ダイニングチェアから決める選び方です。
ダイニングテーブルは空間の顔ともなる家具であり、大きな面積を占めるものです。
ダイニングテーブルから選ぶことは決して間違いではありません。
しかし、こと高さに関してはダイニングチェアを先に決めておくと、その座面の高さからテーブルの高さを決めることができるので間違いの無い高さでテーブルを製作することができます。
家族の中で、身長差がある場合は家族のなかで一番小柄な人(成人)を基準にするとよいでしょう。
チェアを選ぶ際には「脚が床にきちんと付く」高さを選択することが疲れにくい着座となるポイントだからです。
小柄な人が大柄な人の座面高に合わせて脚を床に付けるのはよっぽど浅く座るか、そもそも不可能です。
ですが、その逆の場合はある程度の調整が利きます。
そのうえで差尺はダイニングテーブルを共有する全ての人に共通するものであるのなら、小柄な人に合わせたチェアの高さに全員が合わせ、その座面高に対する理想の高さにします。
これが人によってチェアの高さがばらばらになるようでは誰かが居心地の悪い思いをしてしまいます。
それを避け、皆が居心地の良いダイニングを作るのは小柄な人に合わせるのが鉄則です。
いかがでしたか?
ダイニングテーブルとダイニングチェアを選ぶ際には、デザイン性や座り心地の他、この「差尺」も非常に大事です。
ダイニングテーブルの高さの基準はチェアの座面高にあると覚えておいてください。
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