ダイニングテーブルはこう選ぶ その3
2019.12.26
「ダイニングテーブルはこう選ぶ その1」・「その2」に続いて、今回はその『作り』について詳しくお伝えしていきます。
一生付き合えるテーブルを探したい、毎日使うものだからこそ良いものを使いたい。
そう考えて無垢材のテーブルをお選びになる方が多いと思います。
靴選びと同じで家具にもインターネットやカタログで見るだけではわからないことがたくさんあります。
実際に店舗で商品を見る時にも是非チェックして頂きたい4つのポイントがありますので、順を追ってお話したいと思います。
ジョイントの方法について
無垢材のテーブルの中には「一枚板」はもちろん、2枚の板で本を開いたように合わせた「ブックマッチテーブル」や3枚以上の無垢板を接ぎ合わせて作るものまであり、複数枚で接ぎ合わせたものは「幅接ぎテーブル」と呼ばれています。
一般的にはイモ接ぎなど平面と平面を接合する場合が多いですが、家具蔵ではフィンガージョイントと言って指と指を合わせたように見える組み方によって、木組みで接ぎ合わせています。
そのフィンガージョイントは約10mmあり、非常に深くなっています。
接合面積を多くとることが出来る上、テーブルとして重要な上方からの荷重にも強くなります。
深いフィンガージョイントは、幅800mmのテーブルであれば5枚接ぎの場合880mm分の材を使うなど、より多くの材料が必要となる為コスト面を考えると敬遠されます。
しかし、そうすることで、裏面に補強などを入れずにスマートな天板になるため、アーム付きのチェアも収まるよ
に、手間を惜しまずその作りにこだわっています。
テーブルをお探しの場合、実際に店舗で商品を見る際には木口面を見たり、裏面のつくりに着目してみると、そのテーブルがどこまで手間をかけて作られているか、長く愛用するために必要な強度を兼ね備えているかが分かります。
裏面の作りについて
厳選した良材を徹底して乾燥をし、フィンガージョイントなど高い技術を駆使した天板は幕板、反り止めなどの補強を必要としません。
家具蔵では、六面仕上げを行っており、表、木端、木口、そして裏面を丁寧に仕上げています。
特に、表だけではなく裏側まで仕上げることで、耐久性と快適性をより高めています。
こうして実現したシンプルなデザインは、見た目だけでなく、アームチェアの肘掛けが天板下に収納できたり、膝周りの空間が広くなり立ったり、座ったりが楽になるなど使い勝手の良さも生み出します。
アームチェアがしまえることは、決して広くはない現代の日本の住環境の中でも、安心してゆったりとしたアームチェアをお使いいただけるというメリットにもなります。
そして注目すべきは天板の厚みです。
家具蔵ではもともと50ミリの厚みのある無垢材の板を両面削って、40ミリの厚みを持つ無垢材でテーブル天板を仕立てます。
裏面からのぞき込んでも、裏面も同じ厚みでフラットに作られているので耐久性が高いのです。
一見、分厚そうに見える天板でも実際に裏面を見て見ると、テーブルの淵の部分だけに厚みを持たせて中央部分は薄くし補強を入れている場合があります。
無垢材を使う量が少ないほど原材料としてはコストを抑えることが出来ますが、材料費がかかったとしても余計なものをつけずシンプルにすることで耐久性を持たせることができ、長くご愛用頂いた際にも削り直しをすることで同じテーブルを使い続けることができるようになります。
そこには、100年かけて育った木であれば100年使えるテーブルを作りたいという、天然資源を大切にする職人の
思いが込められているのです。
天板のデザインについて
無垢材テーブルは無垢材を削り出してつくりますが、お客様に求められるデザインは多岐に渡ります。
一枚板にこだわる方もいらっしゃれば、一枚でなくとも耳付きのテーブルをご希望される方、それとは逆に無垢材の質感はそのままにスタイリッシュなエッジの天板を好まれる方など、お好みや空間バランスも長く愛着を持ってお使い頂くためには重要なポイントとなります。
そのため、あらかじめ無垢材の良さを生かした優しい削りのあるテーブルデザインやエッジをスリムに削り出したテーブルだけでなく、お客様のご要望で天板の形状や脚のデザインをカスタマイズできるテーブルまで幅広く応えられるかどうかも、メーカーのセンスや力量が試される部分です。
はじめは特別なこだわりがないというお客様も、商品をみて無垢材に触れるうちに好きな素材やデザインが直感的に決まることもしばしばあります。
それでも悩んでしまってという方は、間取り図やお部屋の写真をもとにプロにお任せするというのも一つの方法です。
仕上げについて
塗装方法はお客様のライフスタイルなどに合わせてウレタン塗装、オイル塗装からお選びいただけます。素材によっては、漆塗装も可能です。
無垢材家具というと、オイル塗装のイメージが強くメンテナンスが大変…、でもウレタン塗装は風合いを損なってしまうのでは?というようなイメージをお持ちの方も多いですが、まずは実際の商品でその仕上げの違いを確認することが大切です。
最近ではウレタン塗装でも、機械で厚塗するのではなく職人が手拭きで薄く塗装するのでひと昔前と比べると、風合いをあまり損ないません。
また、シックハウスの原因となる揮発性有機化合物を含んでいませんので、無垢材家具を手軽に安心してお使いいただくことができるのです。
最後にメンテナンスについて。
ここまで無垢材のテーブルの選び方についてお伝えしてきましたが、どんな良い無垢材のテーブルでもその使い方やメンテナンスなど「テーブルとの付き合い方」が、長くそして心地よく使えるかどうかに関わってきます。
最終的にこのテーブルにしようと思ったとき、10年後20年後の暮らしも想像してみてください。
何かがあった時に、すぐにメーカーと連絡が取れるかどうかという部分も大切です。
そのためにも、あらかじめメンテナンスについても販売スタッフに聞いておくことで、数年後『このテーブルにして良かった』と思える無垢材テーブルと出会うことができるのです。
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