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空間ごとに異なる「チェスト」と「タンス(箪笥)」の違いと用途

2019.6.20

チェストとタンスの違い


家具の種類で「チェスト(Chest)」とは引き出し収納の事を指します。

しかしチェストの元々の意味は大きめの蓋のついた箱の事を指し、よく海賊映画などで目にする宝箱もトレジャーチェストと呼ばれます。

英語では引き出しの事を「ドロワー(Drawer)」と呼び、引き出し収納のことを「チェスト オブ ドロワーズ(Chest of drawers)」と呼びますが、それが省略されたかたちで日本ではチェスト=引き出し収納と呼ばれるようになりました。

日本語では引き出し収納の事をタンス(箪笥)と呼びますので、チェスト=タンスと考えて良いでしょう。

ただし人によっては脚のついたものをチェスト、ついていないものをタンスと呼んだり、洋室に置くか和室に置くかで区別し、特に和風のタンスのことを和箪笥や整理箪笥などと呼んで区別していることもあります。

現代では一家に一台以上は必ず有るほどに普及したタンスですが、庶民の暮らしに普及したのは江戸時代後期からで、生活に密着した家具としての歴史は意外と浅いのです。

日本において、いわゆるタンスが作られ始めたのは大阪の地で、今から約350年前の寛文年間(1661~1673年)と言われています。

もっとも当時のタンスは高級品で、大規模な商人屋敷の帳簿入れ、薬屋の散薬入れなどとして作られたほかに、富裕層の衣装入れとしてとして作られていたようです。

これは単に箱をつくって蓋をかぶせる従来の収納箱とは異なり、引き出し一つ一つが小さい箱を作る作業が必要なため、手間と材料費が非常に多く必要とされるためでした。

江戸後期になると庶民も衣服などを多く持ち始め、また指物師と呼ばれる家具職人の数も多くなり、ようやく普及するに至ったわけです。

 

チェストの種類とサイズ


現在の我々の暮らしの中には実に様々な種類のチェストがあります。

ローチェスト、ハイチェスト、衣装タンス、整理タンスなど、色々と呼び方がありますが、これらの違いやサイズの説明は意外と難しいものです。

ここからは代表的なチェスト・タンスの種類やサイズを見ていきましょう。

●ローチェスト

元々は膝の高さ位のチェストを指す言葉で、玄関などに置いて腰掛としても使えるようなものがローチェストと呼ばれていました。

現在では腰の高さくらいまでのチェストを総称してローチェストと呼んでいます。

横幅は500~1600mmくらいまでとサイズのバリエーションが豊富で、高さを抑えてお部屋に圧迫感も出にくいもの。

玄関だけでなくリビング、ダイニング、寝室と置く場所を選ばず、また収納するモノも選ばない最も身近なチェストです。

●ハイチェスト

ローチェストよりも背の高いものはハイチェストと呼ばれます。

人の肩くらいまでの高さがあり、ローチェストと比べて横幅が小さいものが多く400~1200mmが主流となります。

少ない設置面積で多くの収納ができることがメリットですので、とにかくモノを体と収納したい、という方にお勧めですが、高さがあることは使い勝手や空間の雰囲気を考慮する一因でもあります。

ローチェストよりもレイアウトには一考を要するチェストといえるでしょう。

●タワーチェスト

タワーの名のとおり非常に大きく、人の身長以上の高さがあります。

収納力は抜群ですが、身長以上の場所にある引き出しは普段使いには不向きで、ウォークインクローゼットや納戸などの中に設置して、季節ごとに仕舞うモノを収納するなど、置く場所や収納物を限定するチェストです。

●整理箪笥

主に衣服や小物などを仕舞う小型のタンスで、ローチェストやハイチェストと同じ意味で使われます。

あえて整理箪笥と呼ぶ場合は和風のタンスを指したり、婚礼家具の一つとしての整理箪笥を指す場合もあります。

●衣装箪笥

読んで字のごとく衣装を収めるためのタンスです。

衣装箪笥といった場合、基本的には着物を収める和箪笥のことを指し、帯や帯締めを収める引き出しの他に、着物を包む「たとう紙」がそのまま収納できる衣装盆と呼ばれる引き出しが付きます。

その用途から通常のタンスよりも奥行きが大きく設計され、600mm前後のものが多くなります。

●洋服箪笥

洋服を収める収納という意味では整理箪笥やチェストなどと同じですが、特に洋服箪笥といった場合にはワードローブとも呼ばれ、引き出し部分の上に扉があり、ハンガーパイプがついていて、そこに洋服を吊り下げるもののことを指します。

衣装タンスと同じく構造上奥行きが必要とされるため、600mm前後のものが多くつられています。

●茶箪笥

茶器や食器を収納するタンスで、上半分はガラス戸などディスプレイ棚としても用いられます。

ダイニングやリビングに置いて、見せる収納家具として和モダンな空間とも非常にマッチします。

サイズは様々です。

●水屋箪笥

いわゆる食器棚です。

茶箪笥との違いは水屋(=台所)に置く箪笥ということで用途が限定されて作られていることですが、現代においてはあまり区別がなく、リビング空間の飾り棚として使っていることも多い収納です。

こちらもサイズは様々。

●用箪笥

身の回りの小物を入れておく小型のタンスで、ローチェストよりも小さい引き出し収納を指します。

●婚礼箪笥

結婚の際に一式揃いで用意するものが多く、一般的には上に挙げた整理箪笥、洋服箪笥、衣装箪笥3点セットの総称である。

 

無垢材チェストの魅力


チェストやタンスは昔から木材で作られ続けてきた家具です。

例えば衣装タンスなどは桐材で作ると、木が持つ防虫効果や調湿効果で中に仕舞った大事な衣服を守ってくれました。

昔から私たち日本人は大切なものを木のタンスに入れて守ってきました。

しかしながら昔ながらの桐タンスは現代の住空間に合わせにくいという声もあります。

更には一見すると木製の家具でも、実は表面に木目をプリントしただけの家具が多いのも事実。

無垢材をつかったチェストには、やはり防虫効果や調湿効果があり、中に仕舞った大切なものを守ってくれます。

また、さらには無着色の無垢材で作られた家具は使い込むほどに味わいを増し、愛着もわいてきます。

家具蔵にも無垢材チェストを多くのパターンでリリースしています。

内部は会津の桐材で作り上げた桐箪笥でありながら、外側の本体は現在の住空間に馴染みやすいチェリー材やウォールナット材を使用したものもあります。

家具蔵では古くからの先人の知恵に学び、引き出しの内材にも適材適所で無垢材を用いたチェストを数多く作っているのです。

各店にも展示されている、本物の無垢材で作られたチェストに触れてご覧になってみるとその「良さ」もまた実感できるのではないでしょうか。

スタッフ一同、ご来店をお待ちしております。

 

家具蔵の無垢材チェストの情報はこちらから


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