無垢材家具のコーディネート術 その3
2019.6.12
ハードメープルを使ったナチュラルな空間作り
ここ最近、インテリアのテイストの中で女性を中心に人気があるのが「ナチュラルテイスト」です。
近年では床材も白っぽい色みが以前より多く見られるようになっており、「明るい色でお部屋を統一したい」という方も増えてきています。
ただ、全てを白で統一すると清潔感の溢れる清々しい空間になるとお考えの方も多いのですが、実際白は光を反射する色のため、眩しく感じられ、落ち着かなかったり、ご高齢の方には見えづらかったり疲れてしまうこともあります。
また、もし同じ色で統一したい場合は、床よりトーンを落とした家具を取り入れたり、素材を変えたりしていくとインテリアコーディネートが簡単になります。
そこでオススメなのは無垢材で色素が明るい木を使ったコーディネートです。
ともすると冷たく感じてしまう白の空間に無垢材を取り入れることで温かみが増します。
また、木の風合いと木目が単調な白い空間に心地良いリズム感や立体感を与えてくれるのです。
色素が明るい木の中でも人気なハードメープル。
日本ではカエデとしてご存知の方も多いのではないでしょうか。
カナダでは国旗にも使われるほど愛されている樹であり、1700年頃から先住民の間では調味料にするため栽培されていたと言われています。
日本でもパンケーキにかけるメープルシロップはお子様から大人まで好きな方も多いですね。
また、身近なところでは固くて丈夫な性質から野球のバットにも使用されています。
主にバットに使われる木材はアオダモ、ホワイトアッシュ、ハードメープルですがメジャーリーガーのバリー・ボンズ選手が使い大記録を出したバットとしてハードメープルのバットは一躍人気となりました。
木肌は緻密で美しく、希に「バーズアイ」と呼ばれる美しい杢が出ることからバイオリンなど楽器にも使用されています。
白でまとめた空間に美しいハードメープルの木肌と木目はぴったりですね。
都会的な印象にしたい時は、そこにグレーなど落ち着いたトーンのファブリックを取り入れるのもインテリアテクニックの一つです。
無垢材アームのソファなら木目も楽しむことができ、木の風合いも十分に出るので居心地の良いリビングとなるでしょう。
アメリカンブラックチェリーのトータルコーディネートを楽しむ
和の空間にも洋の空間にもしっくりと馴染むチェリー。
日本の桜(ヤマザクラ)と同じバラ科のサクラ属ではありますが、優美な日本の桜と異なり、大きい木では15~30mの大木に成長するものもあります。
美しい木肌と使うごとに色が増していく表情が人気で希少性も高く、昔から高級家具材として重宝されてきました。
普段の暮らしの中で一番目にする家具のひとつはダイニングテーブルだと思いますが、このアメリカンブラックチェリーはすべすべの触り心地に加え、優しい木目は見る人の心を穏やかにしてくれるのでダイニングテーブルの材として人気の樹種のひとつです。
赤の色素をもつチェリーのダイニングテーブルには補色のグリーンを取り入れることでお互いが引き立ち、活き活きとした空間を作ることができます。
ダイニングテーブルだけでなく周辺の収納、例えば意外とゲストからも目に付くキッチンボードやダイニングボード、飾り棚としても欠かせないサイドボード、また、テレビを見るときに必ず目に入るテレビボードも同じチェリーで統一されると空間が広々と感じます。
逆に違う樹種を混ぜる場合は「ゾーニング」といってダイニングとリビングなど空間によって樹種を分けるのもインテリアテクニックのひとつです。
例えばダイニングテーブルは食欲を増進させる赤の色素が入ったチェリーを選び、テレビを見たり、読書をしたり家族が思い思いの時間を過ごすリビングは落ち着いたウォールナットのソファやテレビボードを選ぶ。
そうすることで一つの空間でありながら気分を変えて過ごすことができます。
チェリーとウォールナットは組み合わせとしてもとても相性が良い樹種なので
ダイニングとリビングにつながりを持たせるように、ダイニングテーブルはチェリーを選び、チェアは濃いウォールナットで締める、という選び方もインテリアテクニックのひとつです。
一見難しいように思うコーディネートですが、もともと森にはたくさんの種類の木が生育しているので合わない理由はありません。
触り心地やそれぞれ木目の異なる樹種を同時に味わえる空間は高級なホテルよりも贅沢で満足感の高いものかもしれませんね。
日本が誇る偉大なケヤキで和モダンな空間を演出
ケヤキの名の由来は「けやけき木」からきていると言われています。
「けやけき」とは「目立つ、ひときわ優れている」という意味で日本語としては最上級の賛辞がこのケヤキに送られているといっても過言ではないのでしょうか。
材として硬く、腐朽しにくいとされており、その耐用年数は800~1000年とも言われています。
その為、神社仏閣の柱など古くから建築材料に使われている歴史ある木であり、日本人なら誰もが知る京都の清水寺の舞台は樹齢が300年を越えると言われている直径800ミリものケヤキの柱168本を使い支えられているといいます。
この柱を改修する計画は400年掛かりと言われており、いかにケヤキという木が偉大であり、一際優れていると言われるのも納得できますね。
そんな偉大なケヤキを自宅の中心に迎えたい。
と思う方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか。
木肌は茶からオレンジを帯び、木目はきれいなカーブを描くものから荒々しく力強いものまで様々です。
当然この木目が主役となってきますので、周りのインテリアはごくシンプルで装飾のないものにし、収納家具などは床か建具と同色にすることで壁に溶け込むようなものが良いでしょう。
日本が誇る銘木であり、一見「和」のイメージの強いケヤキですが、現代の洋風の照明などを取り入れ、ダイニングテーブルとしてチェアとコーディネートすると、昔ながらの日本の良さを感じる和と現代の暮らしの洋が合わさった「和モダン」テイストが完成し、極上の空間となることでしょう。
いかがでしたか?
どの木にも木目や表情があり、それぞれ良さがあります。
どんな空間にしたいか、どの樹種を選べば良いのかなど住まいの事でお迷いの際には家具蔵各店のスタッフにご相談ください。
「こんな住まいにしたい」
という夢を実現するお手伝いをさせていただきます。
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