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住まいの「壁」の種類と素材の違いを知る

2019.12.8

 

一般的な住宅で取り入れられる内壁には、クロス(壁紙)や塗壁、木、タイル、パネルなど多種多様な素材があります。

住まいの大きな面積を占める壁面をどのような素材や柄、色にするかで住まい全体の印象や空間のコーディネートの仕方、家具の選び方等に大きな影響を与えます。

今回はそれぞれの素材の特性を見ていきましょう。

 

壁の種類


真壁

真壁(しんかべ)とは、古くから日本の建築に用いられてきた壁のつくりで、柱や梁などの建物の軸組が表面に見えてくる壁です。

住まいが木の温かみと香りに溢れ、存分にリラックスできる空間となります。

真壁は、壁や柱が呼吸することができ、室内の湿度調節の役割も果たしてくれる日本の気候風土に馴染みやすい壁と言えます。

さらに、構造部材の木材に合わせて、床材や天井材、さらには家具まで素材として木材を選びやすくなり、木に囲まれたインテリアにしたい方にはおすすめの壁です。

純和風なものだけでなく、家具を北欧家具やモダンなものにする、床をフローリングにするなどで住み心地の良さそうな和モダンな雰囲気にもすることができます。

大壁

大壁(おおかべ)とは、柱や梁がパネルなどで覆い隠されて表面に見えてこないフラットな壁のことを言います。

現在のほとんどの住宅では大壁が主流となっています。

柱や梁、そして筋交い‎などの構造部材がすべて壁の中に収まるため、大壁を用いることですっきりとしたインテリアにすることができます。

また、コードや配管などの設備も壁の中に隠せることから、より自由で使いやすいプランニングが容易になります。

真壁の場合、塗壁などで施工期間が長くなったり、柱なども見えるため、丁寧に壁を仕上げていく必要があります。

一方、大壁の場合、構造部材はパネルなどで隠され、ほとんどが施工の速い乾式工法となるため、比較的簡単な施工の壁となります。

そうした施工の容易さは、全体のコストを抑えるための1つの手段となります。

 

壁の素材


クロス(壁紙)

一般的な住宅の居室空間で最も多く使われているのが壁紙と呼ばれるクロス。

素材によって、ビニールクロスや紙クロス、織物クロスなどに分類され、それぞれ豊富な商品が揃っています。

ビニールクロス

塩化ビニール樹脂などを主な素材とするビニールシートに紙などを裏打ちしたもの。

最も多く用いられている素材で、ハウスメーカーの商品住宅などでは、標準仕様となっているケースが多くみられます。

比較的安価なものから揃い、色やデザインのバリエーションも豊富、プリントを施したものだけでなく、凸凹のあるエンボス加工、発泡させたタイプなども揃っています。

施工がしやすいのも特徴で、耐久性や清掃性にも優れ、調湿性などを持たせたタイプなどもあります。

紙クロス

パルプが原料の洋紙を原紙に、プリント加工やエンボス加工を施したもの。

欧米では多く用いられる素材で、輸入住宅などに取り入れているケースもあります。

植物のコウゾやミツマタを原料とした和紙、月桃の茎から繊維を取り出しパルプにした月桃紙、一年草のケナフなど原料としたものなどもあります。

織物(布)クロス

平織りや綾織、不織布などがあり、温かみのあるテクスチャーや重厚感が魅力ですが、価格は比較的高め。

ホコリを吸着しやすいので、お手入れははたきをかけるか掃除機を用いるのが日々の掃除には良いでしょう。

 

その他、環境への配慮からオレフィン樹脂などを用いたもの、薄くカットした天然木やコルクなどを紙と張り合わせたもの、聚楽(じゅらく)壁紙、珪藻土壁紙などもあり、その素材や加工方法などは多種多様。

また、汚れ防止や防カビ・抗菌、耐水性、ペット対策などを施した商品も増えてきているので、用いる空間に適した機能を持つ商品を選ぶことができます。

 

塗壁とは


伝統的な左官塗工法である塗壁の種類は、一般的に仕上げ(上塗り)に塗るものによって分けられます。

漆喰(しっくい)を塗ったものが「漆喰壁」、土で仕上げたものが「土壁」です。

さまざまな素材や仕上げがありますが、いずれも、日本の気候・風土にも適応しており、調湿性・断熱性・防火性・防音性などに優れているのが特徴。

クロスと異なり仕上がりに継ぎ目が無いこと、刷毛、コテやローラーなどでさまざまな表情を生み出すことができるのもメリットです。

漆喰(しっくい)壁

漆喰壁は、消石灰に砂と糊などを混ぜて土壁の上に塗るもので、滑らかな表面の日本独自の塗壁仕上げです。

耐久性、調湿性、断熱性、防火性などに優れています。

色は白が基本ですが、色土や顔料を加えたタイプもあります。

通常の塗装仕上げのように施工できるタイプ、漆喰を用いたクロスなど施工性を高めたものもみられます。

珪藻土(けいそうど)

海や湖などに生息していた単細胞の植物プランクトンの死骸が堆積して出来た土層から採取されるもの。

多孔質である(多くの小さな穴を持つ)ことから、吸湿性、吸放質性、保温性、断熱性に優れる素材です。

地球環境に配慮したものとして人気の自然素材のひとつとなっており、仕上げパターンや色柄、施工性を高めたタイプなどさまざまな商品がみられます。

石膏ボードに直接塗り付けられるもの、クロスの上に塗ることができるリフォーム向けの商品、炭や繊維など他の素材を組み合わせたメーカー独自の商品もあります。

プラスター

鉱物質の粉末と水を混ぜたもので、純白の仕上がりが特徴です。

石膏を主成分にした石膏プラスター、作業性のよいドロマイトプラスターなどがあります。

西洋漆喰とも呼ばれる仕上げです。

土壁

土壁と呼ばれるものは、数奇屋建築や茶室などにみられます。

「京壁」とも言われ、上塗りの土によって、「聚楽壁」「大津壁」などの種類があります。

 

その他、パルプや紙繊維、化学繊維などをのりで混ぜて水で練る繊維壁、なめらかな素材感が特徴の砂壁、調湿機能を持つ火山灰を主成分にしたものなどもみられます。

その他の壁材


木質系

無垢材を用いるケースもありますが、木質系の製品としての壁材は、天然木化粧合板(突板タイプ)や化粧シートタイプ等が多くみられます。

天然木化粧合板は、合板やMDF(中質繊維板)などの基材に木材の薄い板を張り付けたもの。

化粧シートタイプは、樹脂やオレフィン、紙などのシートに、木目や石目、抽象的な柄などを印刷し、基材に張り合わせたものです。

木質系の壁材は、ひとつの面に用いて部屋のアクセントとしたり、腰壁として取り入れえるケースが多くみられます。

タイル

タイルは、耐久性や耐水性に優れるため、主に水まわりに用いられる素材です。

最近では居室の床や壁材などでも、取り入れられるケースもみられます。

特に、調湿や消臭などの機能を持つタイル商品は、リビングやダイニング、ベッドルームなどで用いる例も増えてきました。

テクスチャーやデザインのバリエーションも豊富になり、さまざまなインテリアに合わせることも可能です。

今回は大まかにいわゆる「壁の素材」をご紹介しました。

それぞれの素材を掘り下げていくと本当に多種多様な素材があります。

機能性、質感、色、柄、コスト等、重要視するポイントを決めて探すと効率良く好みの素材を選ぶことができます。

本コラムが住み心地を大きく左右する壁選びの参考になれば幸いです。

 

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