ウォールナットの一枚板の魅力
2019.5.15
ウォールナットはクルミ科の広葉樹で、世界有数の銘木として知られています。
なかでも家具蔵で取り扱う「アメリカンブラックウォールナット」はその名の通り北米大陸が主産地のもの。
世界中で200を超えるといわれるウォールナットの種の中で最高峰に位置し、紫色の色素を持つ木は北半球にこれだけ、という希少性とその木目の美しさと相まって、昔から高級家具や工芸品、楽器などに使われてきました。
また硬く粘りのある材質であると共に軽量で扱いやすく、かつては飛行機のプロペラやライフルの銃床などにも使用されており、食用としてのクルミの実だけではなく人の暮らしにたいへん馴染み深い木材なのです。
ひとたび家具材として使用すれば、その落ち着きのある深い色合いはモダンでシックな雰囲気をふんだんに演出します。
洋風の空間はもとより、畳を配した和室空間にもすんなり馴染むのはウォールナットの持つ万能性ゆえです。
そんなアメリカンブラックウォールナットを使った家具は、その木目の美しさと深い味わいで人々を魅了することは間違いないでしょう。
ウォールナットが愛される理由
ウォールナットが愛される理由はその美しい木目と色合いだけではありません。
寒冷地で時間をかけて育つウォールナットは先述のように、硬く粘りのある材質を持つ一方、軽量で扱いやすく、加工性や塗装性にも優れています。
つまりとても取り扱いやすいことが大きな人気の秘密でもあるのです。
また、ウォールナットは、その木目の表情にも大きな魅力があります。
ウォールナットの木目は、木材の芯(心)材と辺材の部分の区分がはっきりとしているのが特徴です。
その色合いとしては芯材と呼ばれるいわゆる「中の部分」は濃褐色や薄褐色。
辺材と呼ばれる「外側の部分」は乳白色や灰紫色です。
このように、芯材と辺材とが色でくっきりと分かれ、そのコントラストが一枚板となった際には大きな魅力として表現されます。
複雑に交差するその木目はデザイン的な素養も持ち合わせ、それは仕上げ塗装の加工をすることでさらに際立ちます。
経年による、色合いの変化もその特徴のひとつ。
紫外線や日光を浴び、空気に触れることで、木に含まれているカテキンやタンニン、リグニンなどの成分が酸化し、深みのある褐色から明るい色へと変化します。
濃い褐色である色合いが時間の経過とともに柔らかみのある薄褐色へと変化していく様はまさに「鮮やか」。
さらに木の中に含まれているほどよい油分と相まって、年を重ねるほど美しい光沢が増していくのです。
そのウォールナットならではの変化は唯一無二のものです。
ウォールナットの無垢材家具の魅力は、着色を行わず、使い続けることでさらにその価値が増してくるのです。
一枚板としてのウォールナットの魅力
ウォールナットはいわゆる「一枚板」で使用しても魅力的です。
一枚板とはその名のとおり、巨大な1本の木から取り出される1枚の大きな板。
その一枚板により造られる家具には、家具好きの人は勿論、家具に特に興味のない人までを引き付ける不思議な魅力があります。
一枚板として使用される巨木には、樹齢200年から300年ほどのものも。
その圧倒的な生命力と天然木の持つ独特の質感が感じられる一枚板の家具は、使うほどに味わい深い変化があり、その温もりは、家具を使う者に安心感を与えてくれるはずです。
木が持つ本来の風合いや質感、自然感をダイレクトに感じることができるそれは同じものがふたつとありません。
その板それぞれの唯一無二の価値があります。
ウォールナットは極寒の中、時間を掛けて育ちます。
そのため、なかなか横に大きくなりません。
一般的なアメリカンブラックウォールナットがテーブルなどに加工できるほどの一枚板の大きさになるためには、100年から150年以上の時間がかかります。
2019年現在から150年前というと1869年。
日本では明治維新の頃であり、アメリカでは南北戦争が終わったばかりの頃。
そんな時代に思いを馳せることのできるロマンを持つのも一枚板の魅力です。
ダイニングテーブルとして必要となる奥行が800ミリから900ミリ程度とすると、それを確保する為には木の直径では1000ミリ以上の巨木が必要となり、かつその巨木の内部が空洞になっていたりせず、製材して乾燥させている途中にひび割れや腐りが入ることのなかったほんの一部分を使用しなければならないため、簡単に供給できるものではありません。
それでも巨木になるだけの生命力を持ち、厳しい自然環境にも耐えた樹の存在感と迫力のある木目や樹形の美しさは、言葉では表現できない理屈抜きの魅力をもって多くの人を惹きつけます。
家具蔵の「一枚板ギャラリー」でも、希少なウォールナットの一枚板をふんだんに展示しています。
また、この一枚板の独特の形状を活かした家具のご提案も行います
世界に一枚だけの個性溢れる天板たち。
是非見にいらしてください。
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