「戸建」と「マンション」で家具の選び方は変わるのか
2024.2.7
目次
戸建とマンションでは家具選びは変わる?
住宅というものを大きく分けた際、一軒家と呼ばれることも多い「戸建」とマンションやアパートなどの「集合住宅」に分かれます。
戸建・集合住宅、いずれにしてもそれが持ち家か賃貸かという違いはあり、賃貸においても誰(どの団体)から借りているのかなどで呼び方が変わることもあります。
どちらのスタイルの住まいで暮らすとしてもそこには家具が必要です。
戸建とマンションでは家具選びは変わるのでしょうか?
戸建でもマンションでも家具の選び方は変わらない
間取りや住まいについて質問をする際に「ウチは賃貸で狭いから」「ウチは一戸建ではないので大きな家具は置けない」というお話しを伺うことがあります。
この点については賃貸でも広い間取りを有する物件もあれば戸建でも置くことのできる家具が限られるケースもあり、あまり大きな問題ではありません。
つまり、結論から言ってしまうと戸建であってもマンションなどの集合住宅であっても家具の選び方はそこまで変わらないのです。
家具は暮らしの道具であり、同時に場を華やかに、あるいは落ち着かせる役割を持ったインテリアでもあります。
見た目だけでは実際の使い心地に欠ける可能性もあり、使い心地が良いものでも見た目が気に入らなければ長い期間愛用することは難しくなるかもしれません。
使い勝手と美しさを兼ねているというのが前提であるとして、住宅の形状に関わらず「空間や使用人数に対して適正なサイズであるか」「長期の使用に耐えうる耐久性を持っているか(あるいは持っていないと割り切るのか)」という点は非常に重要であり、さらに空間の雰囲気との相性のマッチングや好みがそこに加わります。
それは戸建住宅であっても、マンションをはじめとした集合住宅でも変わりません。
厳密に言えば戸建住宅の方が注文住宅という選択肢があることから間取りや内装の自由度が高い印象があります。
対してマンションは特に分譲の場合、比較的似通った間取りになることが多い印象です。
しかし、中古マンションのリノベーションという住宅購入方法も定着しているなか、マンションなどでも間取りの自由度は高くなっています。
戸建とマンションでは搬入経路の確認場所が異なる
戸建であってもマンションであっても家具の選択自体に大きな違いはなく、重要な点は使い勝手・美しさ・空間との適性にあります。
そのうえで気を付けておきたいのは「搬入経路」の違いでしょう。
搬入経路とは家具が室内の想定の位置に辿り着くまでの道筋であり、この確認は戸建・マンション問わず、事前に必要なものです。
この搬入経路については戸建とマンションで気を付ける部分がやや異なります。
まず戸建で気を付けたいのは2階以上に家具を設置する際に階段を使用する場合です。
階段部の天井までの高さが低く高さや幅のある家具が通過できない、あるいは曲がり角(クランク)があることで奥行きのある家具が通過できないケースは往々にしてありえます。
その際には2階に大きな開口部があり、手摺も十分な強度があることが条件になりますが吊り上げ搬入も選択肢となります。
あるいは様々な事情から吊り上げ搬入が難しい場合はクレーン車を使用するケースもあります。
マンションにおいてはエレベーターの有無とそのサイズの確認が重要です。
高層階の場合は特にエレベーターの存在は不可欠です。
築年数が高いマンションの場合、エレベーターが装備されていても現代のものより間口の高さも室内の天井高も小さいケースも多く、特に大型家具を搬入する際には事前の確認は必須です。
また別の視点で言えば、セキュリティが高いマンションの場合、事前に管理室へ書類の届け出が必要なこともあります。
さらにタワーマンション等でみられる地下駐車場からの搬入の場合は、場内の制限高規制によりトラックの種類が限られるケースや、搬入専用のエレベーターや台車使用が制限されるマンション、さらには通路内養生やエレベーター内養生が必須となるマンションもあり、搬入経路と合わせて事前の確認が大切です。
吊り上げや事前の準備、これらを事前に行ったとしても結果的に搬入が難しい場合もありえます。
その際には次善策としてサイズを再度検討するか、現場で組み立て可能なものを検討するのも一手です。
いずれにしても当日になって困ったことにならないよう、事前の確認を家具販売店のスタッフの助けも借りながら行っておくのが正解です。
壁面収納や吊戸棚を設置するなら「壁の下地」をチェック
もうひとつ、戸建とマンションでの家具選びにおいて注意点の違いを挙げるとすれば「壁面固定」についてです。
壁面に固定を行うにはいくつか条件があり、特にマンションの場合は戸建てに比べて条件が厳しくなることもあります。
賃貸だと家具の固定に必要な壁への穴開けが禁止されていることが多くみられます。
分譲マンションでも構造用の壁は共有部分とみなされ、穴開けができない場合があります。
また、壁面収納を設置する壁は隣の住戸との間にある戸境壁になることも。
この戸境壁は共有部分にあたり、家具をビスなどで固定することは禁じられている場合が多々あるのです。
分譲マンションであってもマンションの管理規定などを必ず確認するようにしましょう。
取り付け可能な壁であった場合、次に確認するのは壁の下地です。
吊戸棚や壁面収納等を壁固定する場合、戸建・マンションのどちらの場合も「下地」の確認が必須となります。
マンションの壁や間仕切りは間柱という柱を等間隔に立て、そこに防火性・遮音性などに優れた石膏ボードを取り付け、その上にクロスを貼っていることが多くみられます。
このような石膏ボードに家具を固定する場合は柱の位置を探して柱にネジを締めて固定するか、柱のない空洞の場所でも取り付け可能なアンカーという補強アイテムを使い固定するかの2種類に分かれます。
ただし柱への固定でない場合はあまり重いものは取り付けできません。
壁の裏のどこに柱があるかは市販の下地センサーを使えば調べることができます。
予め確認しておきましょう。
戸建住宅とマンションにおける家具の選び方は大きくは変わりません。
しかし、住宅の形状やそれぞれの事情によって気を付ける部分、事前に確認すべき点が異なる場合もあります。
私ども家具蔵でも搬入経路の確認や対処方法の案内、壁面収納を検討する際の現地調査なども無料で行っております。悩まれた際はお気軽に最寄りの家具蔵へご相談下さい。
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