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照明の「色温度」と「一室多灯」で変わる空間の見え方

2022.11.3

 

 

同じものでも、お店で見た時の色と、家に帰ってからあらためて見てみた色が少し違って見えた、という経験は誰しもが持っているかと思います。

洋服や野菜などの食品などを思い起こされた方も多いでしょうが、家具などのインテリアにも同じようなことは起こり得ます。

家具蔵のような無着色の無垢材家具の場合は自然の色合いであり、経年での風合いの変化もあることからはっきり「何色」という表現でお話することはあまりありません。

それでも素材サンプルやソファなどの生地サンプルをお客様の住まいで確認する際には

「家で実際にどう見えるか」というお話とともに「お店で見るのと印象が変わる場合がある」というご案内も行っています。

色の見え方には個人差がありますが、今回はその「見え方」は空間の照明の色合いで変わること、そして、それを知ることで失敗の無い空間コーディネートができるようになることをご案内しましょう。

 

 

照明の「色温度」


 

 

色温度とは、

「ある光源が発している光の色を定量的な数値で表現する尺度(単位)」のことです。

単位は「ケルビン(K)」であり、この数値が低い程暖かみのある明りの色になり、高い程白っぽい色となります。

照明の「色」にはそれぞれ、「電球色」「温白色」「白色」「昼白色」「昼光色」があり、この順番に色温度は上がっていきます。

つまり、「電球色」が一番暖かみのある色感で、昼光色がもっとも白系の色感を持つというわけです。

その中で主に一般的に住まいの照明に使われているのが電球色・昼白色・昼光色である。それぞれの色の特徴は以下のようになります。

「電球色」

日の出・夕焼けのような温かい光で、リラックスできる落ち着いた空間に向いている。

目が疲れにくい反面、温度は低いため光量は少なく部屋全体が暗めとなるので、本を読んだり細かい作業をするときには明るさが足りないこともある。

「昼白色」

太陽光に最も近い色。

人間にとって最も自然に近い状態でモノを見ることができる色のため、識色性も高く暗すぎたり明るすぎたりという感覚を感じにくい。

「昼光色」

やや青を含んだ白色。すっきりした印象を与える反面、長時間だと目が疲れる。

覚醒効果や集中力を高める色とされており、オフィスなどにも用いられ作業する際の手元を照らすときなどに向いている。

このような違いを知ると、この照明は住まいのどの部分に使うのが良いか、ということが見えてきます。

 

 

部屋別の色温度の選び方と一室多灯


 

 

【リビング】

リビングは寛ぐ以外にも、テレビを見る、お子さまが遊ぶ、本を読むなど多目的に使われる場所です。

そこでは家族が同じタイミングで違うことをしていることも大いに考えられます。

ベースの照明だけで色温度をリモコンなどで変えることができるシーリングライトも多く販売されていますが、目的が違う人がいる場所で全体照明の色を変えてしまうとその中の誰かが過ごしづらくなってしまいますね。

そのため、ベースだけで色温度を変えるだけでなく「一室多灯」とすると、お互いに違うことをしていても居心地の良い空間となります。

例えば、家族全員でテレビを観るときには昼白色をベースにした照明を使い、映画を観ている人と読書をしている人がいる場合には、ベース照明を暗めの電球色に変更させ、読書をする人の手元はスタンド照明などで明るさをプラスすると、読書をする人も落ち着いた雰囲気の部屋の中でリラックスしつつも手元には十分な明るさを手に入れることが出来ます。

最近ではリラックス効果や集中力を高める色として上記の色温度以外に「サクラ色」を取り入れた照明器具も販売されています。

あるメーカーのLEDシーリングライトは、サクラ色を2色(ソメイヨシノと八重桜)取り入れて、食後の時間・就寝前の時間にリラックスできる灯りとして人気を高めています。

さらには調光もできるため、寝室でのニーズもあるそうです。

【ダイニング】

ダイニングの照明で大事なことのひとつに「料理が美味しく見える灯り」にすることがあります。

このことで視覚的にも料理の楽しみをプラスする事ができ、食事をする人・作る人双方の満足度も上がります。

ここでも一室多灯の考え方が活きてきます。

ペンダントライトは空間のインテリア性も大いに高めてくれるため人気ですが、灯りを照らす範囲が狭くなることも多くあります。

ペンダントライトは昼白色または電球色で、さらにスポットライトなどでその部分だけを同じように(もしくは逆にしたり)して補完することで、より効果的な照明計画が可能になります。

【寝室】

寝室の灯りについては、リラックスする事が最優先のため色温度としては電球色がメインとなります。

また、シーリングだけでなくダウンライトや足元灯、さらにはナイトテーブルの手元灯など全体ではなく部分的に使えることが重要となり、ここも一室多灯の考えを用いるべき場所です。

ただ、天井照明がダウンライトだけだと、掃除の時に明るさが足りないなど就寝以外のときに支障が出ることもあります。

ベース照明は昼白色などの明るいものが良いでしょう。

そして、手元灯や足元灯については、ベッドに横になった際に光源がまぶしくない位置に設置することも重要なポイントです。

【玄関・ホール】

玄関やホールは家族だけでなく、ゲストにも目に留まる場所です。

室内に入って、まずは安心感を与える優しい灯りが理想となります。

また、特にマンションの場合などは廊下など居室以外の天井は低く設定されている場合もあるため、天井がスッキリ見えるダウンライトで色温度としては電球色がよいとされています。

また、絵や花を飾り、そこにスポット照明を当てることで空間に陰影ができ、広く見せる演出も出来るようになります。

 【キッチン】

キッチンは元来、調理作業がメインとなる、いわば独立した空間であることが多かったため、蛍光灯でも昼白色を使うことが多かったのですが、LDKが一つの空間になっていることが多い現在の住まい事情ではベース照明は電球色の方が空間には統一感が生まれます。

作業の効率性を求めるのであれば、特に吊戸棚下の手元灯やレンジフードの灯りは昼白色が適しており、キッチンについても、リビング同様に一室多灯という視点で照明計画を立てる必要があります。

 

「さくら色」といった新しいものも出てくる照明の色は他の分野と同様に日進月歩の世界。

何が正しいのか迷ってしまうことも多いですが、照明を含めたインテリアは基本とセオリーを覚え、実行することで格段に質を上げることが出来ます。

「色温度を考えた一室多灯」もそのひとつ。

暮らしの質を上げ、空間のグレードを上げる方法、他にも家具蔵の各店でたくさんお話させて頂きます。

お気軽にお声掛け下さい。

お待ちしております。

 

家具蔵の各種無料相談会のご案内はこちらから

 

 

 


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