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一枚板テーブルは「乾燥」が重要である理由は?

2023.5.8

 

 

一枚板テーブルの魅力


 

 

一枚板とは、高樹齢で大きく育った1本の木から無垢材を切り出し、それを繋ぎ合わせることなく仕上げた、一枚の板・天板のことを呼びます。

「世界にたった一つしか存在しない」唯一無二の希少価値があり、その木の生物としての生きざま全てを感じることもできるのが大きな魅力です。

年々その希少性は増し、要因は様々ありますが、高樹齢=直径の太い原木でないと、そもそも一枚板はつくることができないことはその大きなものでしょう。

年々、そうした高樹齢で直径の太い木はその数を減らしてきています。

とれたとしてもその状態も千差万別。

なかには虫食いや腐れなどで使用が難しいものもあります。

厳しい条件をクリアしたうえで、さらにさまざまな工程を経る一枚板天板。

必然的にその価値は増していきます。

 

自然乾燥と人工乾燥


 

 

一枚板に限らず、無垢材家具で非常に重要なのが、家具材にする前の「乾燥」です。

木が一枚の板になった時に、原木の表皮側=外側の「木表」と中心側の「木裏」という部分に分かれます。

そのなかでより水分が多いのは「木表側」。

水分が余分に残存している状態ではこの木表側に板は反っていく性質があります。

そこで「乾燥」が大事になってくるのです。

木にはその体内に多くの水分があり(約90%とも)、これを製材した後にしっかりと時間をかけて乾燥することで反りが出づらい板となります。

家具蔵の素材選びは、目利きの者が現地まで赴いて細かな観点で原木を選定します。

それを製材し、一本ずつ天日の下で「自然乾燥」させながら海外のものでも日本の気候に馴染むようにじっくりと水分を抜いていきます。

自然乾燥では昔から「一寸一年」と呼ばれ、3cmの厚みの材の乾燥に1年ほどかかると言い伝えられています。

一方、機械を使用した人工乾燥ではこれが10日ほどで済んでしまいます。

しかしながら急激に水分を抜くために必要以上の割れが発生したり、樹液や木の栄養分が蒸発して色艶が悪くなるなどデメリットもあります。

家具の材料となる材木として出回っているものはほぼ全て人乾材ですが、家具蔵では短いものでも1年間以上の天然乾燥で水分を抜き、木の動きの少ない丈夫な家具を作るために、さらに約1カ月間の人工乾燥を組み合わせて行っています。

このように下ごしらえのされた木材から、木の自然の色味を生かしながらも永く使い続けて頂ける丈夫な家具が生み出されています。

その中で含水率(がんすいりつ・木の中の水分の保有量)が12~13%までになるまで自然乾燥しながら、その間は風通しを良くするための桟棒を挟み、積み重ねて保管。

外で光や風にさらされながら、蓄えられた水分を発散することで「動き」の少ない板になっていきます。

さらに、現代の気密性の高い室内でエアコンや床暖房などにさらされる木にとっての過酷な使用状況を考慮して、含水率を6~7%になるまで機械乾燥及び養生を行うのです。

家具となった後の環境に適応できるよう管理を徹底しています。

そうすることで長く安心して使っていくことができます。

 

乾燥によって得られる効果


 

 

●強度を高める

乾燥前の無垢材は、非常に多くの水分を含んでいます。

乾燥が十分でない無垢材はそのためにもろくやわらかくなり、一枚板テーブルに使用できる強度を持っていません。

しかし、適切な乾燥を施すことで木は縮み、密度が増し、強度が高まっていきます。

その基準となるのが繊維飽和点と呼ばれる基準値で、この繊維飽和点は多くの樹種において含水率が30%を境に強度が高まっていくと言われます。

その環境化に合った含水率とすることで、より強固な家具をつくりあげることができます。

●菌の発生を抑える

木材を劣化させてしまう正体は木材腐朽菌です。

木材腐朽菌は、木の主成分であるヘミセルロース・リグニン・セルロースを分解させ、木材を腐食させてしまいます。

繁殖条件は、木材の含水率が20%以上と言われているため、適切な乾燥により含水率を下げることで木材腐朽菌の発生を抑制することができるので、木の乾燥はとても重要だということが分かります。

●加工性が高まる

家具を製作するうえで「加工性が高まる」ことはとても重要なことです。

それが一枚板テーブルであっても同様です。

例えば、乾燥が不十分な木材を使用すると、塗布された塗装や接着剤の「粘度低下」の原因になり、塗装や接着剤が木材の組織内へ過度に浸透し、塗装むらや塗布量不足の原因となる場合があります。

塗布むらや塗布量不足は見た目だけでなく外気の影響も受けやすく、必要以上に無垢材の「動き」も招いてしまうこともあるので注意が必要です。

 

 

一言で乾燥といっても奥が深く、原木の状態から一枚板テーブルになるまでには想像を絶する手間と時間がかかります。

しかし、現代は大量生産時代に入り、時間短縮のため乾燥工程を省いてしまうこともあります。

一枚板テーブルを購入するなら長く付き合いたいものです。

良質な一枚板テーブルを選ぶために、乾燥の工程を知ることは一つの重要なポイントとなりますので、販売店では「乾燥の工程」についてもしっかりと確認して選んでいきましょう。

 

家具蔵の無垢材一枚板天板の詳細はこちらから

 

 

 

 

 


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