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「無垢材家具は手入れに手間が掛かる」は本当か

2022.6.24

 

 

「無垢材の家具って手入れが大変と聞くのですが…」

私ども家具蔵でも聞かれることのある質問です。

木そのものともいえる「無垢材」で作られる無垢材家具は自然の風合いや奥行き感、温かみや癒しを日々の暮らしを取り入れることが出来ることがその人気の理由です。

自宅でも無垢材家具、例えば無垢材テーブルや無垢材チェア、あるいは収納家具を使用して暮らしたい、しかし「手入れが煩雑」「汚れやすい」と聞くので購入を躊躇している…、という声は決して無いわけではありません。

このような心配についてご質問を頂く場合、私ども家具蔵では、いわゆる「仕上げ塗装」の違いにより手入れの方法や汚れやすさも変わり、どのような仕上げ塗装を選ぶのかで普段の家具への接し方も変わってくることをお話ししています。

 

仕上げ塗装によって手入れの方法も手間も変わる


 

 

今回のテーマにもなっている「手入れに対して手間が掛かるかどうかは」仕上げ塗装によっても変わってきます。

また、それを「手間」と考えるかどうかは、性格や暮らし方などの違いも含めた「その人次第」というところがあることは知っておいて欲しい部分です。

無垢材家具の代表格のひとつ、無垢材ダイニングテーブルは言うまでもなく食事をとるために使用することが前提の家具です。

料理や飲み物からの水分や油分の染みなどが付着しやすい場所でもありますが、自身にとって適切な仕上げ塗装を選ぶこと、そしてある程度の対策と意識を持っておくことで汚れてもすぐに現状復帰できるような、つまり、手入れに手間を掛けずに美しくする、あるいはあえてその手間を楽しむことができるようにもなります。

 

塗装はなぜ必要なのか


 

無垢材テーブル オイル塗装

 

極論で言えば、木そのままの風合いを楽しむのであれば、家具には一切の塗装を行わないことが一番です。

しかし、それは家具を長持ちさせ、美しく保つうえでは逆の効果となってしまいます。

木は切りだした「素」の状態では、その表面はスポンジのような繊維構造になっています。

そのため、もし液体がこの表面に付着すると繊維の奥深くまでその液体成分が浸透してしまい、結果として染みや汚れとなってしまいます。

あるいは大気中の埃や紫外線を含めた光などの外部の要因も、いわゆる「木が裸」の状態のままだと傷みやすくなる一因となります。

そういった汚れや劣化を防ぐ、あるいは遅らせる効果があるのが「塗装」なのです。

この「塗装」はいろいろな方法がありますが、今回はその中でも代表的な塗装をご紹介します。

 

ウレタン塗装(ウレタンクリアフィニッシュ)


 

 

正式名称は「ポリウレタン樹脂塗装」ですが「ウレタンクリアフィニッシュ」あるいは「ウレタン塗装」とも呼ばれる塗装方法です。

ウレタン樹脂で家具の表面をコーティングする方法で、現代における家具塗装の代表的な塗装のひとつです。

表面に塗膜が張られることで高い耐水性を持ち、仮に液体状のものをこぼしたとしても拭き取るだけで現状復帰が可能です。

また、基本的には定期的な手入れも必要とはせず、水拭きやお湯拭きが可能なので、一般的なダイニングテーブルとほとんど同じように使用ができます。

 

オイル塗装(オイルフィニッシュ)


 

 

「オイルフィニッシュ」とも呼ばれる塗装法で、植物由来の透明色のオイルを家具に染み込ませて保護する塗装です。

植物性の油は乾性油と不乾性油に分けることが出来ますが、家具用のオイルは乾性油を使用します。

これを塗ることで乾いたあとはサラサラに仕上がります。

家具に膜を張らずに油成分を染み込ませることで「保湿」の役目を果たすこの塗装は、木本来の触り心地を楽しむことが出来ます。

また、ウレタン塗装の場合では難しい、自宅でのキズの補修も可能であり、自身で手を入れることによって味わいと愛着を深めることが可能になります。

 

どちらの塗装を選ぶにしても知っておく「ポイント」がある


 

ウレタン塗装、オイル塗装、どちらを選ぶにせよ知っておかなければならない「ポイント」があります。

要は、その特徴をすべて知ったうえでどちらを選ぶのか、自身が使用するのに適しているか、を判断することが重要です。

 

ウレタン塗装の特徴は


 

 

例えばウレタン塗装は、水(お湯)拭きができ、ノンアルコールのものであれば除菌も可能で、汚れにも強いので(見た目の上を含め)衛生的に使用することができます。

キズなどが生じた際にはそれを自身で修復するのは難しいですが、無着色の無垢材家具は、そうした傷みも味になり、あまり目立つことも無いので、汚れに対して神経質にならずに気軽に使用することができます。

ただ、ウレタン塗装は長い期間を使用しているうちに塗装自体に劣化が生じます。

その塗装の劣化はそれまでに発生した傷などの修繕を含めて全体の研磨による補修と再塗装をすることで再度美しい状態で使用することが可能になります。

そのためには一度購入元か、あるいは専門の技術を要する業者に家具を預けることになる点は留意が必要です。

 

オイル塗装を選ぶうえで知っておくべきこと


 

 

一方でオイル塗装のものは表面に塗膜を施しているわけではないので、ウレタン塗装のものと比較した場合に汚れなどは付きやすくなります。

時間の経過とともに油分は揮発するので、徐々に汚れやすくなってくると考えてよいでしょう。

定期的な塗り直しを行うことでこの問題は解消されます。

また、キズやへこみなども自身で修復できるので、手を入れることで美しい状態を保つことができるのですが、毎日忙しくしている人にとってはやはり一手間、二手間を要します。

汚れたからといって常にメンテナンスを行う時間があるわけではない人にとっては、「どこまで神経質にならずに使用できるか」が肝要となります。

また、オイルを塗り直したとしても、やはり一番最初の出来栄えと全く同じにすることは難しいものです。

そうしたことをデメリットととらえず、手を掛ける時間も魅力と感じることができるのであればオイル仕上げは木を楽しむ、という観点では魅力的な塗装です。

 

オイル塗装の特徴を見ると、これをもって「手入れが煩雑」と考える人がいることはわからなくもありません。

ウレタン塗装はその問題を解決する一つの手段ではありますが、かといってウレタン塗装が完璧な塗装ですべての人の好みにも合致するかというわけではありません。

大事なことはどちらにも一長一短があり、自分たちにとってどちらがいいのかを選ぶことができ、その選び方をしっかりと教えてくれる、そのような家具販売店で家具を購入することで、より長く、お気に入りの家具と付き合っていくことができることです。

家具蔵各店でも、実際の材料・塗装例を交えながら、お客様の暮らしのスタイルに合った塗装を、詳しくご説明させていただきます。

お気軽に家具蔵各店へご来店下さい。

 

無垢材家具についての各種相談会のご案内はこちらから

 

 

 

 

 


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